トンボの交尾にもの思う
保育園に子供を預けるために、保育園の駐車場に車を停めて、園舎まで50メートルくらいの直線距離を歩く。
その道の端に畑があるからか、季節ごとに色々な虫と遭遇する。
今日は、梅雨明けもまだだというのに、すでにトンボが飛び交っていた。
トンボって秋の虫のイメージあったんだけどなあ。
暑かったり涼しかったりするので、ついに昆虫たちも活動時期がバグってしまったのかと地球の行末が心配になる。
トンボだと認識できる前、
すごい速さで大きな虫らしきものが私に向かって飛んできたので、一瞬女王蜂でも突進してきたのかと思って一瞬ひるんだ。蜂だったらどうしようかと私の頭の中でアラートが発動し、一瞬の間に色々対策を巡らせる。
子供と一緒だったので、「まず子供を蜂から守らなくては」と真っ先に思った私は、やはり母である。
トンボだとわかった瞬間の安堵ったらない。
そしてその1匹だけじゃなくて、
周りには何匹ものトンボがものすごい速さで旋回していた。
その中には、後尾するものもいた。
トンボの交尾はかなり過激だという。
まず体勢がアクロバティックなので、興味ある人は検索してみてほしい。
効率的な交尾なのかと疑問に思うレベルの体制だ。
私がみた交尾中とみられるトンボは、オスとメスがその体制をとりながら、
ひたすら一緒にくっついて飛び回っていた。
ここまで執拗にくっついてくるオスに対して、メスは嫌がっていないのだろうか。
もしメスが受け入れているのであれば、もっとゆっくり飛ぶなり止まって飛ぶなりして交尾しやすい状態でいたらいいものの、猛スピードで飛び続けながらの交尾、「なんでやねん」と突っ込みたくなる。
まあ、朝から熱心なことだ。
人間(というか私)はここまで朝からアツアツにはなれないから。
「なんとかして子孫を残さねばならない」という執念が、人間にはもうなくなってきているように感じる。
人間のDNAに埋め込まれたその執念は、次第に薄くなるようにデザインされていて、いずれ人間は絶滅するようにできているのだろうか。
子供と手を繋ぎながら、トンボの交尾を横目で眺め、
朝からDNAにまで思いを巡らす、
そんな朝だった。
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