見出し画像

【改訂版】ねこがなぜ16歳くらいで死ぬか -甲状腺機能亢進症について-

こんにちわ。社畜のワイです。
今回はとあるリクエストにより、3年ほど前に私が初めて書いたnoteの内容を改定したものを公開します。

我が愛猫、へちまもかかっていた病気、「甲状腺機能亢進症」について、少しでも多くの人に知ってもらいたく、noteを始めたきっかけになった記事です。

前編・中編・後編に分けていて読みづらかったので、この度ひとつにまとめて、更に加筆しました。
今読み返しても十分、為になることが書いてあると思うので、心して読みなはれ。

※記事を公開した2020年当時、へちまさんは病気と付き合いながらも元気に生きていました。 
なので下記の文章ではへちまはバリバリ現役で生きている感じに書かれていますが、残念ながら2022年5月7日に長かった猫生に幕を下ろしました😭😭😭

**********

〈前編〉

はじめまして、ワイです。
先日Catlogのツイート

がバズった24歳の猫、へちまさんと暮らしています。

今までnoteなんか書くやつはただの自己顕示欲強いマンだと思ってましたが、ツイートがバズって24年生きてる猫って珍しいんだなと分かってから、私も何かねこが長生きするために発信できないかと思い、書き始めました。

あ、ちなみに私の書く内容は完全素人目線です。医療知識なぞまったくありませんのであくまで参考程度に。全部鵜呑みにしない。

これネットの基本。


さて、ズバリ本題は

「猫はなぜ16歳くらいで死ぬか」

という話です。

少なくとも私の周りでは16歳くらいでねこが死んでます。
しかも、だいたいどの猫さんも「数日前まで元気だったのに、ご飯を食べなくなりあっという間に死んだ」というのばっかです。
マジで。本当です。

これ
なんでかというと、私なんとなく分かります。
なぜならへちまさんも16歳の時に死にかけたからです。


犬飼ったことないので知らんけど、猫は小さい頃からほぼ獣医知らずで、歳をとるといきなりカルテが増えるなんて話を聞いたことがあります。
また、猫は体調不良を隠す生き物だとも言われてますよね。
医学的根拠は知りません。

要するに簡単に考えると、16歳頃に急に死ぬんじゃなくて、もう不調はもっと先から始まってて、飼い主が気づいてないまま、ねこの中で限界を迎えて死ぬつーことです。

これだけ読むと、普段からねこの健康管理を怠った飼い主の怠慢、殺したのはお前だ!と指差したくもなりますけど、そうじゃないんだな。

というわけでだいぶ長くなるので、次回は我が家のへちまさんがいかにして瀕死の状態から脱したかを書いていきます。

〈中編〉

今回は我が家の愛猫へちまさん(24歳)が8年前に死にかけた話です。

へちまさんももう歳(15歳)ということもあったので、定期的に健康診断ぐらいはしないとな
と思い、かかりつけの獣医さんに相談したところ、
「この子は極端に暴れるから採血はできないので、おしっことうんちの状態を見ましょう。
だいたいの健康状態はわかります。」
と言われ、半年に一回ほど、検尿と検便をすることになりました。

そして、診ていただくたびに
「体内だけで見たら3歳くらいの子猫並みに健康だよ!」
と、太鼓判を押されていたのでした。

しかし・・・
へちまさんが16歳の時、ベッドの上から降りられなくなるという異常行動が見られました。
何をしても降りようとしないんです。
ベッドにスロープもつけてるのに。


▲異常行動を起こしていた頃のへちま。(2013年)人間のベッドから降りたくても降りられず、ごはんもおしっこもすべてベッドの上だったが、甲状腺機能亢進症の治療を初めてからピタリと止んだ。他にも遠吠えのように夜鳴きしたりしていた。



そしてそのうちご飯を食べなくなりました。

おかしい…
なんでや
ベッドから降りない以外は元気なのに…

と、かかりつけの獣医さんに行くんですが、下された診断は

「口を開けるのを嫌がっている。どうも歯石が溜まりすぎて歯が痛いみたい。痛み止めを出しましょう。」

という訳でもらった痛み止めを飲ませるも、一向にご飯を食べない…

そして、深夜に見たことの無い痙攣(※ヤバいパニクりとかじゃなくゆるく体が動かないで瞳孔が開く。
この症状は今でもたまーに見受けられる)を起こしたため、夜間救急に運びます。

そこで一晩入院し、点滴などの応急処置を取りますが(一晩で20万くらい掛かった)かかりつけの獣医さんでは、

「全身麻酔を掛けて歯石を取る、虫歯があるなら取るなどしないとダメかも。ただ、高齢なので全身麻酔したらそのまま死ぬ可能性が高い」と。

まさに八方塞がり。エイトシャットアウトってやつですな。


しかし私はその時に「なんで命を救う獣医が、死ぬことを前提に話してんだろう…」
(※「手術で治してみせる」よりも「麻酔で死ぬかも(うちは責任取りません)」な消極的な感じがとても動物の命を本気で救いたいと思ってる人には見えなかったということ。)
と、ものすごい違和感を持ち、
探してみたところ近所に(知らん間に)出来ていた別の獣医さんがあったため、
縋る思いでそちらにセカンドオピニオンを依頼しました。

そこの獣医さんは「あくまでもかかりつけがあるならうちはセカンドオピニオンなんで」てスタンスでした。

が、連れて行った瞬間に

「いやいやいや、これどっからどう見ても甲状腺機能亢進症だよ…。
普通このくらいの年齢になると真っ先に疑わなきゃいけない症状だよ。
すぐうちにつれてきて。死ぬような病気じゃないから‼」


なんてこったい。

そんなことかかりつけ医にも夜間救急にも一言も言われとらんぞ。

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは
なんかリンパあたりにあるホルモンが過剰分泌してしまい、
おとなしく見えても体内では全力疾走した後レベルに活動していて
食べても食べても痩せたりする病気。
見た目は元気だから全く気付かない。むしろ飯もよく食べるし。
15、16歳くらいの猫にめちゃくちゃ多い病気らしい。
逆に、ホルモンが少なくなりすぎる甲状腺機能低下症てのもあるらしい。

でもって更に聞いてみると

・確かにへちまは口を開けるのは嫌がるけど、他の子ほど騒がない。
・確かにへちまは採血嫌がるけど、他の子ほど騒がない。
・というかそもそも歯が痛いんじゃない。甲状腺機能亢進症のせいで弱ってるだけ。
・痙攣や、普段しない異常行動も甲状腺機能亢進症の影響の可能性が高い。


てことで、一度は死を覚悟したものの、その病院で薬をもらうようになってから


あっという間に元気になり、あっという間に体重も増えました。


要は(夜間はまぁ置いといて)かかりつけとして通っていた獣医が

クソがつくほどのヤブだった


ということです。

(あとで転院のために、その獣医で出された粉薬の正式な名前(書いてもくれてなかった)を聞きさすために電話したら「え~?なんのために必要なの?」とものすごく渋られた。対応までクソだった。

〈後編〉


我が家のご長寿ねこ、へちまさん(24歳)は、16歳の時、
かかりつけの獣医がクソヤブだったせいで、甲状腺機能亢進症の症状を見落とされ、
命の危機を彷徨いました。

ここからは本題に戻ります。
「ねこがなぜ16歳くらいで死ぬか」ですが、ズバリそれは

その年齢くらいまで飼い主が不調に気づかない

からに他なりません。

うちは本当にラッキーでした。
たまたますごくいいお医者さんに巡り合ったからです。きっとあのヤブ医者は、もう来なくなったへちまさんをとっくに死んでると思ってるでしょう。

まだ生きてるわ。バカヤロー。病院名晒したろか??💢

なにも甲状腺機能亢進症に限った話ではありません。
腎臓疾患とか内臓系の病気もしかりです。


我々人間は、ちょっと喉が不調だな…と思ったら病院に行くことができます。
しかし、

我々人間ですら、その「ちょっと不調だな」がなければ、わざわざ医者に行こうだなんて思いません。

まして、当たり前の話ですが、動物は声を出すことができません。
そんな動物が、少しばかり不調があっても我々人間に訴えられないのは当然です。

じゃあどうすればいいかというと、
それは定期的な健康診断を受けることです。

私たち人間が、不調じゃなくても身体の異変に気づくためにと、健康診断というものがあります。

人間も健康診断をするのに、なぜねこには健康診断をしないのか
っつー話です。

ねこは8歳から立派なシニアです。
少なくともそのくらいの年齢から健康に留意し、10歳になったら、年一でいいから血液検査をしてほしいです。


マジで。

血液検査じゃないとダメだからね。

うちのへちまさんはというと、その獣医さんに見ていただいてから、2ヶ月ごとに必ず血液検査をしています。
血液検査をして甲状腺(T4)の値や、やはり弱ってる腎臓などの値をキチンと調べ、その時の結果に応じて薬の増減を、7年間ひたすら繰り返しています。

お陰で先生からは「私が診ている患者さんで間違いなく一番長寿だし、甲状腺機能亢進症の治療がこんなに上手くいってたくさんのデータが取れるとは思ってもみなかった」と言っていただけています。

うちのへちまさんの例があれば、甲状腺機能亢進症の患者さんにも「同じ病気でも24歳でまだ生きてるねこもいるよ」と先生も言えるでしょう。
それを聞いた飼い主さんも安心するでしょう。

正直、検査代は半端なく掛かります。
金も時間もめちゃくちゃ掛かります。

だからこそ生半可な気持ちで生き物を飼ってはいけないんだと常々思います。

私はたまたまいいお医者さんに出会えたから、
たまたま甲状腺機能亢進症という病気を知ったから、
だからへちまさんは24歳の今まで自分の足でしっかりと歩き、よく食べ、よく甘え、余生を過ごせています。

きっとあのままヤブ医者の言葉を信じていたら7年前にへちまさんは死んでいたでしょう。

そして、世の中にはごまんと、「甲状腺機能亢進症」や「腎不全」などの目に見えない疾患に気づかず命を落としたねこがいると、私は確信しています。

「ご飯を食べなくなった」とかでは遅いのです。
たとえ健康に見えても、8歳からは注意してください。

そして、甲状腺機能亢進症という病気を知らないから、気づくのが遅くなるというのも原因。

だからこそ、広めてください。
腎臓病だけじゃないんです。
甲状腺機能亢進症、FIP、扁平上皮癌。

怖いかもしれないけど、猫の疾患を少しでも「知って」ください。
その知識があるかないか、それを知っているかいないかだけで、あなたが愛猫のために起こせる行動が大幅に変わります。

一匹でも見えない病気で死んでしまうねこが減りますように。

**********

いかがだっただろうか??
今読んでも中々いいことを書いていると思う。
この記事をまとめてる時、当然当時の記事を読み返すのだが、伝えたいことはこの時と全く変わらないのに、一つだけ大きく違うのはもう愛するへちまはいないってことなんだよな。
寂しいなぁ。。。


でも、頑張って治療すればへちまのように甲状腺機能亢進症なんかで死なず、老衰でポックリ猫生を全うすることも出来るんだよ🥺



▲最近のへちま。ずっとずっと赤ちゃんみたいで可愛かったよ。会いたいなぁ。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?