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家の中を整えたら、自分の着たい服まで明確になった話

パーソナルスタイリスト兼古着屋店員のサトミです。

ヘッダーの写真は自宅ではありません。でもこういう植物園みたいなところに住みたいです。

今日は結構の最近の話。古着を着始めて、ヘアメイクも整えた後「これで自分軸が整った。着たい服も明確になっておしゃれの悩みが消えた」と思っていました。偉そうに、長文で自分の経験談をnoteにぶちまけていました。

もちろん、その内容に嘘は一切ない。めちゃくちゃ真剣に書いた。でもまだまだブレが残っていた。それに気づかせてくれたのは、服ではなくて「自宅の片づけ」だったんです。

「好きなテイストがコロコロ変わる」「いろんなものにすぐ憧れてしまう」「結局自分は何が好きのかわからない」という方には、お役に立てるかもしれません。前半は片付けの話中心なので、興味がない方は目次の「着たい服に変化が出る」からでも読んでいただけると嬉しいです。

「片づけられない女日本代表」だった私

本当にお恥ずかしい話ですが、私は片付け・整理整頓が幼い頃から大の苦手でした。
かばんやランドセルの中は常に魔境、子供部屋は足の踏み場がないほど、服や学校のプリントが散乱。毎晩ベッドの上に置いた荷物を、わずかな足の踏み場に置かないと寝ることもできませんでした。起きたらまた足の踏み場を作るためにベッドに荷物を移動。
両親には何度怒られたかわかりません。綺麗好きで几帳面な母には、長年想像を絶するストレスを与え続けていたと思います。本当に申し訳ない。

大学生になり社会人になってもその傾向は消えず、それどころか、自分で買い物ができるようになり、実家も出たので特に服の溢れようがものすごいことになりました。引っ越しのたびに何日も徹夜して大量の服を捨てる。そういう自分が本当に嫌で、「似合う服がわかれば、これ以上服を捨てなくて済むかもしれない」とイメコンにのめりこんだ経緯もあります。

私も、ごみ屋敷が好きなわけでは全くない。もともと若干ADHD気質があり忘れっぽく、すぐにモノを置きっぱなしにしてしまったり、単純に怠惰な性格ゆえにモノをもとの場所に片づけられなかったり。
あとは悪い意味での完璧主義者なので、片付けをするならすべてが完璧に美しく整った状態になるまでやらないと気が済まない。でもそんなまとまった時間取れるわけないよね。という論理で普段から一切片付けをやらない、という0-100思考の持ち主でした。今もその傾向はありますが…

出産するまでは、部屋が多少散らかっていても特に実害がなかったので(夫は私以上に片づけられないタイプ)、自分が耐えられなくなったタイミングで大掃除をしていた。

しかし…子育てが始まるとほんっっっとうに時間が取れない。今日は休みだから一気に家片付けるか~~~みたいな日が、まったく訪れない。だって子育てに休みとかないからね。


一方でモノは今までの倍以上のスピードで増えていく。ミルクセットやおむつ、おもちゃ、絵本、ベビーベッド…ただでさえ狭い我が家はモノで溢れかえり、赤ちゃんのために清潔で整理整頓された環境を用意できない自分を母親失格だと責め、イライラして過ごしていました。

息子が少し大きくなると、今度は片付けをしない息子にイライラが抑えられなくなってきた。自分の嫌いなところを息子に投影したのかもしれない。そりゃ親が片付けられないんだから、息子も片付けられないに決まってる。なのに息子に当たってしまう。
これじゃいかんと思っていた矢先、Instagramで片付けコンサルタントというお仕事の方に出会いました。

お片付けのプロに助けを求める

正直、会ったこともない人を自宅に呼んで、お片付けを手伝ってもらうことにかなり抵抗があった。そもそもその人を呼ぶためのお片付けができないんだよ!!という理屈。(服を買いに行くための服が無い、というのと一緒)

でも、もうこれ以上同じ悩みで苦しみたくなかったんです。自分を責めるのもやめたいし、息子にはこの先の人生片付けで苦しんでほしくない。30年間自己流でやってきてできていないのだから、覚悟を決めるしかない。普段からインスタで「自己流でやってできないならプロを頼れ」って発信しているなら自分が先陣切ってそうするべきだ。そう思って連絡をしてみました。

私がお願いをしたのは、こんまり流片付けコンサルタントの石川ひとみさん。もともとこんまりさんの書籍は読んだことがあったのですが、正直ガチガチ論理派の私は「ときめくものだけ残しましょう」みたいな、自分の感覚だけに頼った判断基準がどうもしっくりこなかった(ごめんなさい)。

でも、「トップスは〇点、ボトムスは〇点まで」みたいな、一般的なお片付けのルールを当てはめられると、服好きの私は生命線を絶たれてしまう。
ガチガチの論理派ゆえに、自分の心地よさや感覚が麻痺しがちなので、ここは逆にこんまりメソッドに頼ってみるのもいいかもしれない、と思ったんです。


ひとみさんとの最初のセッション。片付けの方法について具体的に教えていただくのかと思いきや、聞かれたのは「さとみさんにとって理想の暮らしって具体的にどんなものですか?」でした。

へ?理想?え、そりゃすっきり綺麗に片付いた部屋で暮らすことですけど??というところから思考が広がらず、フリーズ。
じゃあそのすっきり綺麗に片付いた部屋で私はいったい何をしたいのか?今まで具体的に考えたことがなかったので、本当に何も思いつかなかったんですよね。普段お客様には「どんなスタイルが理想ですか?」ってさんざん聞いてるくせに、これはひどい…

ひとみさんがたくさんアシストしてくださり、何とか振り絞ったのが

・観葉植物を育てたい
・毎朝早起きしてゆっくりコーヒーを飲みたい
・気分によって違うお香を焚きたい

みたいな感じだった。

「散らかってない家で暮らしたい」「片付けで悩みたくない」という、マイナスからゼロになるところはたくさん考えていたけど、その先のプラスの領域については考えたことがなかったんです。マイナス部分に目を向けすぎていたんですよね。

これってファッションも一緒だなと思いました。「ダサくなりたくない」「変な人って思われたくない」と思っている人は多くても、その先にどうなりたいか、という部分まで考えている人は少ないのではないでしょうか。でもこれって現在地がマイナスである時からとっても大事なことでした。ということが後になってわかります。


家を隅々まで片付ける

ひとみさんとお片付けして、余白が残る美しいクローゼット

年の瀬の2023年12月29日、ひとみさんとのお片付け開始。服→書類→小物→思い出の順番に片づけていきます。服に関しては、自分でイメコンの資格も持っているし、一般の人よりはかなりこだわりを持って買っているから、これ以上整理をする余地はない、と思っていました。
が、しかし。結局なんと半分以上の服を手放すことになりました。

そこまで好きじゃないのに、ブランド名だけで買った服。もう愛着が薄れているのに、なんとなく残していた服。テンションは上がらないけど、珍しいから持っていた服。そういう服がたっくさんあったことに気が付きました。

書類。これはもともとそんなに多くなかったけど3分の1程度に減りました。小物には食料品や生活雑貨など膨大なジャンルが含まれますが、これもほとんど処分。思い出品も、思い切って最低限に残す。

12月にお片付けを初めて、2月には全てのレッスンが終了。「観葉植物を置きたい」という、私が何とか絞り出した理想を叶えるべく、ひとみさんは「ここなら観葉植物置けるかも」と専用のスペースまで確保してくださいました。

片付けたら自分の理想が見えた

最終日にお花をくださったひとみさん

しばらくは大量のごみを捨て、服を買取に出す作業が続きました。せっかくひとみさんに観葉植物用のスペースを作ってもらっていたけど、何も置かないまま月日が流れていきました。
お部屋は以前と比べれば見違えるようにきれいになったけど、それでも少し気を抜くと、怠惰な人間しかいない我が家はすぐにいろんなものが置きっぱなしになってしまう。せっかくお金と時間をかけて片付けたのに、このままで大丈夫だろうか。私はやっぱりリバウンドしてしまうのか…と焦っていました。

そんな4月のある日、お客様の古着ショッピングクルーズを終えた帰り道。代々木上原の町で、ずっと気になっていた植物屋さんの前で足が止まりました。吸い込まれるように狭いお店に入り、所狭しと置かれた植物をぼーっと眺める。たくさんの緑からマイナスイオンが出ている気がして、深呼吸しました。そして気が付いたら、流木に着生された小さなランを買っていました(笑)

ワクワクしながら家に帰り、ランを壁にかける。壁も家具も白かグレーで統一されていた我が家に、初めて緑が入りました。つぼみがもう少しで開きそうで、とてもいとおしい。息子も物珍しそうに見ていました。たった20センチほどの小さな観葉植物だけど、あるのとないのとでは全然気持ちが違いました。

ランのお世話をしていて、あることを思い出しました。
私、子供の頃はナウシカになりたかったんだった。

急にこいつは何を言い出すのかと思われたことでしょう、すみません。ジブリの名作『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカに、幼い頃強烈に憧れていました。
人間にも生き物にも植物にも平等に愛を注ぎ、聡明かつ勇敢でたくましいナウシカ。ナウシカの乗っているメーヴェ(グライダー)がほしくて、こっそりサンタさんにお願いしてたな…違うものが届いたけどな…(当たり前)

メーヴェに乗るナウシカ


そのナウシカの秘密の地下室。いろんな植物が思い思いに生い茂るこの部屋がまさに私の理想だった、と気が付いたんです。
そういえば小さい頃から雑貨屋さんでサボテンや多肉植物を買って、子供部屋の窓辺で育てていました。
植物屋さんに吸い込まれて、ぼーっと緑を眺めていたのも、これが理想だったからだろうな、と今になって思います。

こっそり持ち帰った様々な腐海の植物を、地下室で育てているナウシカ

現実的に考えて、ここまでのジャングルはさすがに不可能です。水も引けないですしね。でも、なるべく近い雰囲気にすることはできる。
すぐにインスタやピンタレストで観葉植物をたくさん置いている部屋をチェックし、素敵なインテリアのものは保存。気に入った植物があれば品種を調べて園芸店に買いに行きました。

そうこうしているうちに、あっという間に我が家は森のようになっていきました。狭いから植物なんて置けない、と諦めていたけど、お片付けをした結果なんとか置き場所を念出することができています。ひとみさんが作ってくださったスペースには、一番大きな木(フィカスベンガレンシス)を置きました。

そして。
とても不思議なことに、観葉植物が増えれば増えるほど、日々のお片付けや掃除を無意識に、楽しんでできるようになった。
こんまりメソッド。それは「ときめくものだけを残し、ときめくものに囲まれて暮らす」というもの。それの本当の意味を、私はようやく理解できた。

ときめくものだけを残すと、義務感ではなく自然に環境を整えたくなるし、モノに対しての愛着も湧くから、元の位置に戻してあげよう、という気持ちになる。
お片付けをやっている最中は「とにかく散らかったものを片付けなければ」という義務感だけで片付けをしていました。だからすぐにリバウンドしそうになっていたけど、植物に日光を当てたいから窓を拭きあげたり、飾る場所を増やしたいから棚の上を片付けたりしていたら、いつの間にか部屋がどんどん片付いていく。

片付ける前は家が本当に不快で、散らかった部屋が目に入りイライラして仕事に集中できないから、隙あらば近所のコメダ珈琲に駆け込んでいました。
それが今や、コメダ珈琲にもう2か月行っていません。

窓から日光が差し込み、気持ちよさそうに風に揺れている植物を見ながら仕事をする。まだ太陽が昇ったばかりの早朝に、気分に合わせたインセンス(お香)を焚く。静かな朝焼けに揺らぐ煙を見ながら、一日のやることを整理する。

朝5時の私のデスク

最初は「観葉植物を置きたい」という一言しか言い表せなかったけど、それを全くしなかったら、きっと今の部屋・暮らしにはたどり着けていなかったと思う。
理想を具体的にイメージすることがいかに大切か、私は身をもって理解しました。

着たい服に変化が出る

左:2023年冬 右:2024年夏

やっと服の話です、本当にごめんなさい…

もともとモード系も古着mixカジュアル系も好きで、ある日はモード強め(写真左)、ある日は古着カジュアル(写真右)、とテイストを割と行ったり来たりしていました。
それはそれで楽しいのですが、やはり「自分らしさ」というものがいまいち確立できていない気がして悩んでいました。

でも、部屋を整った今なら断言できる。
私はもう、バチバチのモード系を着ることはない。

なぜそう言い切れるのかというと、私の理想の部屋にモード系は合わないから。だってナウシカは真っ黒の服とか着ないでしょ?

…というのは冗談だけど、植物のお世話は土で汚れるし、重たい鉢や土を運ぶ。水やりで濡れることもある。でも、今の私にはそういう作業が癒しであり、欠かせない。なのでモード系の服ってどう考えても合わないんです。

それに気づいてからというもの、自分の服装がどんどんカジュアルになっていっています。もちろんただのドカジュアルは好みではないので、要所要所にモードや綺麗めのエッセンスを入れますが、軸が完全に綺麗めやモードになることはないでしょう。それに自分で気づいた瞬間、なんだかとても安堵感がありました。

自分が何が好きなのかわからない。いろんなジャンルが気になってしまい、日によって気分がコロコロ変わる。
最近無料でファッションのお悩みを聞く相談会を行っているのですが、そのようにおっしゃる方が結構たくさんいらっしゃいます。

そういう方は、一度ファッションから離れて自分の理想の暮らしを考えてみるのもいいかもしれません。

私がモード系に惹かれていたのは、やはりファッションの最先端=モード、という意識があったから。おしゃれな人、おしゃれをよくわかっている人って思われたい、という欲があったのかもな、と改めて思います。

すごいモードに憧れてたとき


ファッションにおける理想像は、周りからの同調圧力だったり世間体だったりが原因で、無意識のうちに簡単に歪んでしまいます。
理想を確立させたと思ってもなんだかモヤモヤが残る場合は、理想の暮らしや生き方からぜひ探ってみてくださいね。

一人でやるのが難しい、やっぱりよくわからない、という方。
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Zoomでお一人ずつお話しします。その後有料サービスに申し込まないといけないとかいう縛りもありません。完全無料です。
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「診断を受けたけどおしゃれになれない」「診断結果が好きになれない」「おしゃれしたいけど子育て中でできない」「お金をかけずにおしゃれになりたい」「イメコン臭い感じから卒業したい」
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お家を片付けたい方は、ひとみさんにご相談されるのも良いと思います!おうちが整うと、本当にスッキリしますよ。是非ひとみさんのInstagramにご連絡してみてください。あ、PRではありません。お申し込みされても私には1円も入りませんのでご安心くださいませ。

はあ、ここまでで6400字超えてしまった…
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