たかが1kmされど1km。涙腺崩壊は突然に。
いざ初体験!多摩川のマラソン大会へ!
友人が参加すると聞いて、小学校3年生の娘、年長の息子とマラソン大会に参加したときの話。気軽な気持ちで参加した1kmのマラソン。まさか涙腺崩壊するとは思いませんでした。
がんばれ少年。君ならできるよ。
スタート直後は先に行く姉と友達を追いかけて、良い調子でスピードを出していた。
息子と私は1番最後を走っていたので、後ろからスタッフの方が私達のスピードに合わせて走ってくれている。
折り返し地点が見える前、すでに息子は疲れていた。「がんばれ。もう少しで折り返しだよ。折り返したら後少しだよ。呼吸をしっかりしよう!」励ましながら走った。
息子は足を止めずに頑張った!
後ろのスタッフの方もずっと励ましてくれている。
「がんばれ。少年。君ならできるよ」
走りながらとは思えない、落ち着いた低音で。
「がんばれ。少年。君ならできるよ」
少年って言葉、こんなにナチュラルに使える人かつて出会ったことがあっただろうか。。
その後少年はその言葉を胸に必死に走った。500mの折り返し地点を過ぎた後、私はスピードを上げ後ろを振り返りながら励ましの言葉をかけた。
少年はヘロヘロになりながら
「やればぁ。できるぅ。やればぁ。。。できるぅ。。」と呟きながら走っていた。
折り返し後、少し走ったところで少年は歩いてしまった。マラソンは歩くと、少し心が折れる。もう良いかなって気持ちになる。
もしかしたら、ギブアップかも。。
少しだけ不安がよぎる。。
後ろを走るスタッフの方もずっと声をかけ続けてくれる。
私が走りながら息子の名前を連呼していたから、そのスタッフも覚えてくれて、途中から名前を呼んでくれていた。(ような気がする)
走りながらとは思えない、落ち着いた低音で。アゲイン。
少年は少しだけ歩いて、また走り出してくれた。ヘロヘロになりながら。
やればぁ。できるぅ。とつぶやきながら。
そしてゴールまで走り抜いた。前に走っていた男の子も、同伴の(おそらく)パパの励ましと、後ろから迫りくるヘロヘロ少年の存在に後を押されてしっかりゴールしていた。
もうすぐゴールするって手前で、急に胸が熱くなって涙腺が欠壊した。堪えることのできない感情がブワッと溢れてきた。
たかが1km、されど1km。
息子はこの1kmで素晴らしい経験をした。
背中を押してくれる言葉をもらって、それを受け取って、そして前に進めた。
40年生きてきて、幾度となく経験してきたこと。誰かの愛ある言葉を自分の原動力に変えて前に進むこと。
素敵な言葉をくれる人に出会えること、それを受け取る力があること。そしてその受け取った言葉を原動力に変えること。
人生の中ですごく大事なことだと思う。覚えていることもあれば、忘れてしまったこともたくさんあると思うけど、きっと私はそれを何度も繰り返して今ここにいるんだろうな。
ひねくれて生きてると、気づかないことがたくさんある。真っ直ぐでシンプルなマラソンという数分の世界で、私は子供の成長と体験をリアルタイムで見ることができた。
初めてのマラソンを歩くことなく完走した娘は「手応えはあった」という力強いコメント。普段あまり汗のかかない娘の額から流れ出る汗を見て、また胸が熱くなった。
わたしたちの後ろを走ってくれていたスタッフの方。私の想像の中では、堤真一です。声だけって想像力を掻き立てますね。
素敵な声と素敵な言葉。ありがとうございます。
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