認知技能勉強シリーズ1:認知とはなにか?

はじめに

 この記事は認知技能の勉強で作ったサブノートになります。このような記事が続くと思われるので、このタイプの記事を認知技能勉強シリーズ、と呼ぶことにします。
 その1回目として、what is cognition?と第するネット上の記事を読みながらのメモとして書いてみたいと思います。

引用元は:https://www.verywellmind.com/what-is-cognition-2794982?print

What Is Cognition ?

  Cognition is a term referring to the mental processes involved in gaining knowledge and comprehension.  These cognitive processes include thinking, knowing, remembering, and problem-solving.  These are higher-level functions of the brain and encompass language, imagination, perception, and planning. 

 認知は知識を得たり物事を理解するメンタルプロセスに関する用語、だという説明があります。具体的には考えること、知ること・理解すること、覚えること、そして問題解決に関わる思考のプロセスになります(すなわち認知機能)。
ここでメンタルと認知はどう違うのか、とかさらにマインドとメンタルは同じなのかといった議論に入っていかずに、この記事を読み進めていくことにします。

Types of Cognitive Processes

 認知プロセスには様々なものがあるが例をあげると次のようになります。

Attention:注意を向ける、集中する
 人が環境の中の特別な刺激に焦点を当てる際に必要となる認知プロセス。看護師が患者のところに行って患者を観察する際に必要な認知プロセスで、意図的な学習により獲得される。

Language:言葉を話す、理解する
 人が話したことを文字通りに理解したり、書かれた文章を文字通りに理解する認知プロセス。自分の言いたいことを言語化し相手に伝えたり、書きたいことを言語化し文章にする際に必要となる認知プロセス。言語の獲得と発達は認知的な発達のプロセス。

Learning:学ぶ
 学ぶこと、すなわち新しいことを取り入れる、新しい情報を合成する、新しい知識や合成した情報を既有知識に統合するためには認知プロセスが不可欠となる。 

Memory:記憶する
 情報を長期記憶に貯蔵し、その情報が必要なときに取り出す認知機能を記憶と再生と言い、それが記憶という認知機能の役割。図書館の蔵書(情報)を記憶に例えると、その図書が必要なときにすぐに取り出せるように一冊一冊の図書にQRコードのようなタグ・インデックスを割り当て、ルールに従って本棚にきちんと並べておく必要がある。

Perception:知覚する、観察する
 視覚(目)、聴覚(耳)、触覚(手)、嗅覚(鼻)、味覚(舌)という知覚器を使って外界の情報を取り入れるプロセス。入力した情報を処理し判断などを出力することで外界との相互作用が可能となる。

Thought:思考する
 上述したすべての認知プロセスに不可欠な活動。人は思考することで意思決定や問題解決などのより高度な認知活動が可能になる。

Uses

 認知プロセスはわたしたちの生活、学校、仕事や人生のすべての局面で影響を与える。認知プロセスの使い方を学ばなければ人は外界の出来事を理解することはできない。認知技能がなければ、人は外界の刺激に反射的・感情的に反応することしかできない。
 次に学習や記憶における認知プロセスについて簡単に述べる。

Learning New Things 新しいことを学ぶ
 新しいことを学ぶ認知プロセスは、新しい情報を入力し、新しい記憶を形成(既存の知識を編集するなども含む)したり、既に知っている知識と関連付ける作業を含む。インストラクターや教育者は学習の認知プロセスを前提にして新しいことを学ぶための教材や教授法をデザインする。

Forming Memories 記憶を形成する
 記憶は認知科学の大きなテーマになってきた。わたしたちはどうやって記憶するのか、何を記憶するのか、そして何を忘れるのかについての研究から認知プロセスの解明が進んできた。
 多くの人は記憶とは人生の思い出を写した写真やビデオのようなものと考えるが、実ははるかに複雑なことが分かっている。

Making Decisions 判断と意思決定
 どのような状況であろうと意思決定を行うにはまず状況の判断を行わなければならない。状況判断による意思決定では、いまの状況を過去と比較したり、新たな情報を解釈したり、古い知識を新しい知識で置き換えるなどの認知的な操作が必要になる。

Impact of Cognition

 認知プロセスの獲得をゴールとする意図的な教育により認知技能学習される。認知技能を獲得することで人生のすべて、毎日の出来事、人生における達成、全人的な健康、にプラスの効果を発揮することができる。

Perceiving the World
  人は知覚(五感)を使った認知プロセスにより世界を認識したり理解する。知覚された情報は記憶のネットワークにより意味を生じ、意味を解釈することで外界の出来事を理解する。
 認知技能がなければ知覚された情報のほとんどは瞬間的に忘れられ、意味を生じたり解釈されることなく消え去る(外界の出来事を理解したり判断することはできない)。 

Forming Impressions
 世界は大量の知覚情報に満ちていてそれがリアルタイムに変化し続けている。私たちは24時間365日莫大な量の知覚情報に暴露されているが、その中から重要あるいは必要な情報だけを選び取って入力し、意味や理解を形成するには認知技能が不可欠となる。

Filling in the Gaps
 人は認知技能を使って記憶しやすくかつ理解できる程度にまで情報量を減らす一方で、記憶した情報を詳細に復元する。

Interacting With the World
 認知は私たちの頭の中だけの活動ではなく、思考の仕方を通して私たちの行動に影響を与える。何に注意を払うか、どのような記憶を形成するか、言語の理解、世の中の仕組みの理解、そして問題解決の能力は私たちを取り巻く環境や状況との関わり方に貢献している。

私なりのまとめ

 この記事だけのまとめではなく、認知技能の勉強を通して充実しつつある認知技能についてのまとめに、この記事から得た知識をインテグレートしたものになります。

 人は生まれた瞬間から認知技能を発達させていきます。最初は知覚する認知技能を発達させ、お母さんやお父さんとの関わりの中で共感という認知技能を発達します。言葉が話せるようになると言語という認知技能を発達させ、同時に普段づかいの認知技能を経験を通して学習していきます。学校での勉強、友達との関わりなど将来・社会に出たときに必要となる認知技能を経験から獲得していきます。通常は、自分自身の認知技能を意識したり、意図的に学んだりすることはなく、また、学校でも認知技能を意図的に教えることはありません。そのような時代と状況が長く続きました。一般的にはこの程度の、普段づかいの認知技能を獲得すれば仕事という社会的な活動、結婚・家族単位の活動、地域との関わりなど社会的な生活が普通にできていました。
 一方で、知識提供型の教育(LearnTo型学習)と普段づかいの認知技能を前提としたLearnTo型学習では、「できる」医療者の育成が効果的・効率的・魅力的に行うことに困難がありました。

 これからの時代、誰もが教育により効果的に考える、効果的に行動する、効果的に協働する、効果的に達成する力を獲得するには、まず普段づかいの認知技能を足がかりに、より高度な認知技能を意図的に教える/学ぶことが必要だと考えます。
 この記事にある、注意を向ける、言語化する・理解する、学ぶ、記憶すると行った認知技能は、「できる」医療者に育つ/育てるための基盤になります。高度な認知技能の獲得に加え、LearnTo型学習に代わりLearnFrom型学習を取り入れる必要があります。

 高度な12の認知技能の獲得と、ゴールド・メソッドによるLearnFrom型学習はコインの両面の関係にある、ということが明らかになりました。

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