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看護学生1年生が看護師の卵に育つために

 看護学生1年生になったら、看護教員をはじめとする周りの人たち(両親、親せきや高校の先生など)から「あなたはもう看護師の卵ね」と言われると思います。看護学生1年生は看護師の卵である、という前提は正しいのでしょうか?

 看護教員も看護学生1年生を看護師の卵として扱い、看護学の知識を教えさえすれば卵が孵化しひよこ(新人看護師)になるかのように考えているようですが、看護学生1年生が看護学の知識を獲得すれば看護師に育つ、という命題は正しいのでしょうか?

 先月まで高校生だった入学直後の看護学生1年生は、看護学生1年生というだけで本当に看護師の卵でしょうか?
 そんなはずはありません。

 看護学生1年生は、心の中にこれから看護師になろういう学びの原動力を持った存在ではありますが、看護師の心を持った存在ではありません。看護学生1年生の心は高校を卒業した人間の心であり、その心の中に看護師の心は存在しません。

 それでは看護学生1年生はいかにして看護師の卵に進化できるのでしょうか?

 高校を卒業したばかりの看護学生1年生が看護師の卵に育つには、看護師の心(マインド、mind)のDNAを、自分で自分の頭の中に注入する必要があります。看護師の心のDNAを獲得し看護師の卵になってしまえば、看護学生は卒業までに自分で卵の殻を破ってひよこに成長していきます。

 次の問いは、看護師の心のDNAって何だろうということと、看護学生1年生はどのような方法で看護師の心のDNAを獲得すればいいのだろうということになります。

 これらの問いに答えるために認知科学の知識を使います。

 と書いてきて、このテーマは1200文字程度では書ききれないことに気づきました。数万字程度にはなってしまいそうで、この先に進むと1冊本を書いてしまうことになりそうです。
 この記事を書き始めたきっかけは、現在企画している小冊子「看護師の心を育てる学びの原理と実践」の前提を整理してみたいと思ったからで、それが「看護学生1年生は看護師の卵だ」という前提を疑うということで、そこのところは整理できました(僕の心の中で)。
 前のパラグラフの最後の「これらの問いに答えるために認知科学の知識を使います」については、小冊子「看護師の心を育てる学びの原理と実践」をご覧いただければ幸いです(「急変させない患者観察テクニック」(羊土社)の特典PDFとして追加予定、2022年11月ころ)。


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