成績90点(100点満点)の意味付け
200125午後、患者安全学習ゲームの教材を使った医療ID勉強会を開催しました。その中で出た話題がこの記事のタイトル。
連続5回の学習セッションがあるとします。各回の終わりにテストを行います(100点満点)。A君は5回のテストで90点、90点、90点、90点、90点を取りました。さて、この学習セッション(5回連続セッション)のA君の出来具合は何点になるでしょう?と問いかけを行いました。
この問いかけは何度も使っていますが、最も多いのはA君の学習セッションの成績は90点という反応です。
皆さんはどのように考えますか?
従来の学校教育だと平均をとって90点とすることが多いだろうと思います。で、この場合の90点はどのような意味を持つのでしょうか?5回のテストの平均点を使うとクラス全員の順位付けが簡単にできます。おそらくA君は成績上位者にランクされると思います。このやり方、5回の平均を取るという方法は成績の順位をつけることには役に立つかもしれませんが、それってどういう意味があるのでしょうか・・・。
少数の方は次のように計算します。
0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9 = 0.6
各回90%の理解なのでそれが5回累積するとトータルのゴールの60%しか達成できていない、となります。
さてあなたはどちらの計算が妥当だと思いますか? 学習者の学習成果・達成度を評価するという目的を前提に。
ID・医療IDで評価するとA君の評価は達成度60%と考えます。
この理由からID・医療IDでは完全習得学習(毎回100点満点の100点)が前提になっています。90点でいい点数・合格だと考えるのは偏差値教育でありがちな考え方ですが、90点の理解度でたくさんのセッションをこなすと、セッションの数が多いほど出来が悪くなることがわかります。
次の疑問は完全習得学習を達成するための学習デザインをどのように考え、実際に教材・教授を設計するかということになります。
それについてはまた今度・・・。