Naoto Ikegai

生貝直人。一橋大学教授。法学研究科ビジネスロー専攻@千代田キャンパス。情報法・政策をちくちくと研究してます。noteは少し長めの公開メモ帳です。Professor of information law at Hitotsubashi University.

Naoto Ikegai

生貝直人。一橋大学教授。法学研究科ビジネスロー専攻@千代田キャンパス。情報法・政策をちくちくと研究してます。noteは少し長めの公開メモ帳です。Professor of information law at Hitotsubashi University.

最近の記事

AI法アップデート(随時更新)

EUのAI法(AI Act)について、主な動きをまとめていきます。 ※デジタルサービス法についてはこちら。 2024年8月 ●8月1日:発効。大部分は2年後、許容できないリスクは半年後、汎用目的AIは1年後適用開始。それまでの移行期間を埋めるAI Pact(AI協定)など。 https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_4123 2024年7月 ●7月30日:汎用目的AI(GPAI)の行動規範策

    • デジタルサービス法アップデート(随時更新)

      EUのデジタルサービス法(Digital Services Act)について、主な動きをまとめていきます。 ※AI法についてはこちら。 2024年7月 ●7月31日:未成年者保護ガイドライン策定に向けた意見募集開始。来年夏までの採択を目指すとのこと。 https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/commission-launches-call-evidence-guidelines-protection-minors-onl

      • セカンドライフ20年から見る「メタバース」の未来への示唆

        創設20年になるセカンドライフから「メタバース」の未来にどういう示唆を見出せるかについて、リンデンラボ創設者フィリップ・ローズデールのインタビュー。プラットフォーム経済のあり方にとって普遍的に面白い論点が二つ挙げられていたので抄訳メモです。 Second Life: What this 20-year-old virtual world can tell us about the future of the metaverse ●「他の様々なメタバースとセカンドライフの大

        • 欧州委員会「デジタル広告の最近の発展がプライバシー、パブリッシャー、広告主に与える影響についての研究」最終報告書サマリー仮訳

          欧州委員会がAWOというシンクタンクに委託していたデジタル広告エコシステムについての研究報告書が2023年5月1月に公開されており(ライセンスはCC BY)、プライバシー・民主主義やB2B等全体状況、GDPRやeプライバシーに加えデジタルサービス法、デジタル市場法、消費者法等の位置付けやその限界がよくまとまっていて勉強になりましたのでサマリー部分を仮訳してみました。欧州委員会は現在Cookieトラッキング広告の段階的廃止に向けた自主規制誓約の準備を進めていたり、次期欧州委員会

          情報法・政策分野の海外ジャーナル

          意外と無かったので、特に情報法・政策に特化した海外ジャーナルのリストを作っていきます。時々巡回すると良いことがあるように思います。特にアメリカのローレビューは、フラッグシップジャーナルに良いのが載ることが多いので扱いが悩ましいですが一旦省いています。 アメリカ系 Berkeley Technology Law Journal http://btlj.org/category/journal/ Duke Law & Technology Review https://dl

          情報法・政策分野の海外ジャーナル

          『デジタルヒューマニズムの視点』序文と「デジタルヒューマニズムに関するウィーン宣言」仮訳

          最近、人文知にデジタル技術を適用する研究はデジタルヒューマニティーズ(DH)という語が定着しているけれど、逆にデジタル技術やデジタル政策のあり方に人文知を適用する研究は国際的にどう総称されることが多いだろう、と考えていたところ、以下の書籍を教えて頂きました。 Hannes Werthner, Erich Prem, Edward A. Lee, Carlo Ghezzi (eds.), “Perspectives on Digital Humanism”, Springer

          『デジタルヒューマニズムの視点』序文と「デジタルヒューマニズムに関するウィーン宣言」仮訳

          「デジタルの10年に向けたデジタルの権利と原則に関する欧州宣言」仮訳

          2023年1月23日のEU官報に「デジタルの10年に向けたデジタルの権利と原則に関する欧州宣言」(European Declaration on Digital Rights and Principles for the Digital Decade)が公表されていました。昨年1月に欧州委員会から原案が提示され、12月に欧州議会・EU理事会・欧州委員会にて署名されたものです。 「デジタルの10年(Digital Decade)」における今後のEUデジタル政策の基本文書という

          「デジタルの10年に向けたデジタルの権利と原則に関する欧州宣言」仮訳

          米国ホワイトハウス「競争と技術プラットフォームのアカウンタビリティを強化するための原則」

          9月8日に米国ホワイトハウスの「競争と技術プラットフォームのアカウンタビリティを強化するための原則」が出ていました。 これからしばらくのアメリカのデジタル政策方針を見る上で参考になりそうなので、ホワイトハウスの発表原文からメモついで6原則の仮訳を載せておきます。

          米国ホワイトハウス「競争と技術プラットフォームのアカウンタビリティを強化するための原則」

          第2回G7データ保護・プライバシー機関会議でのDFFT・国際データスペース議論

          DFFTに関する国際状況について大変興味深い文書が出ていました。個人情報保護委員会のHPに9月7日〜8日にドイツでBfDI主催で開催された「第2回G7データ保護・プライバシー機関ラウンドテーブル会合」のことが出ていて、その下に会合成果としての「DFFTと国際データスペースの知識共有の促進(Promoting Data Free Flow with Trust and knowledge sharing for International Data Spaces、英語のみ)」と

          第2回G7データ保護・プライバシー機関会議でのDFFT・国際データスペース議論

          日EU経済連携協定(EPA)のデータ自由流通条項議論

          少しこちらでもメモ的なものを書いていこうかと思います。以下の記事で気づいた、8月9日に出されていた日EUの経済連携協定(EPA)の3年見直し条項に基づくデータ自由流通条項の議論に対する欧州データ保護監察官(EDPS)の意見書。3年見直しの動き既に始まっていたのですね。重要なのでこれまでの経緯と関連文書をメモしておきます。先日の記事の主題であるデータスペースにも少し関連します。 http://maruyama-mitsuhiko.cocolog-nifty.com/securi

          日EU経済連携協定(EPA)のデータ自由流通条項議論

          Designing Data Spaces仮訳

          つい最近、Boris Otto, Michael ten Hompel, Stefan Wrobel (Eds.) "Designing Data Spaces: The Ecosystem Approach to Competitive Advantage" (Springer, 2022)という、EUで構築が進む「データスペース」をテーマにした、ドイツのフラウンホーファーの研究者らが編者となった全580ページの書籍が全文オープンアクセスで公表されていました。何と内容は全て

          Designing Data Spaces仮訳

          情報法・政策分野の海外主要研究機関

          少しずつ足していきます。基本的に順不同ですが、定番のところ(活動が活発でリソース更新が多いところ)をできるだけ各国上の方に持ってきています。 アメリカ ハーバード大学Berkman Klein Center for Internet & Society https://cyber.harvard.edu スタンフォード大学Center for Internet and Society http://cyberlaw.stanford.edu スタンフォード大学フリーマ

          情報法・政策分野の海外主要研究機関

          情報法・政策最初の100冊

          (最終更新:220726)100冊程度を目安に少しずつ足し引きしていく暫定リストです。編集方針として、できるだけ書籍優先、洋書は極力邦訳のあるものです。教科書やコンメンタール、論文集は基本的に入れていません。個別の法分野はできるだけ避けて、全体に関わるものを選んでいます。 Aoki, Masahiko, "Toward A Comparative Institutional Analysis", MIT Press, 1992.(邦訳:瀧澤弘和・谷口和弘訳『比較制度分析に向

          情報法・政策最初の100冊

          登録してみました。

          登録してみました。