「あのね、ラーメンで考えてください」 基準と規準とは
昨日の国語科教育法の授業で、国語の授業とは何かを考えさせた。はじめに自分の考えをチャットで送らせる。その後、中学校学習指導要領の国語が定めている国語の授業の目標を確認した。更に、学年別の学習目標を確認した。
以下のものである。
この表を理解させるには、どうしても基準と規準の話をしないとならない。これ、国語の教師を目指そうとする学生たちでも理解するのはなかなか難しい。通常は基準だけで済ませているからだ。
基準と規準は、どちらもキジュンと読む。だから、教育界では通常これを「もとじゅん」と「のりじゅん」と読み分けている。私は、これを「物差しのメモリ」と「物差しの種類」と説明する。これで分かるのは優秀。更に例えていく。
「ここに池田修という人間がいます。この人を色々な角度から計ることができます。例えば、身長。私は、身長は173cmです。これは同世代の男性の平均身長よりも高いです。こういう場合、身長が規準で、cmが基準です。そして、平均よりも身長が高いので、背が高いと評価できます」
これで分かる人もまあ、賢い。
この後、体重だ走る速さだ年齢だと色々と出していく。そこでだんだんわかってくる。
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ただ、zoomを覗いてみると、まだわかっていない顔をしているのが割といた。こういう時、zoomは残酷だ。見えてしまうのだから。見えてしまった以上、なんとかせねばならない。
と、ふと思いついた。
「あのね、ラーメンで考えてください。みなさんが美味しいラメーンを評価する時、どうやって考えますか? まあ例えば、麺、スープ、トッピング、値段、店の雰囲気などではないでしょうか。
この麺、スープ、トッピング、値段、店の雰囲気などが規準。そして、麺でも、細麺、太麺、縮れ麺、ストレート麺などあるでしょ。これも細かい規準。そして、例えば細麺だったとして、その細麺の味や歯ごたえで5段階評価するとするでしょ。この5段階評価が基準。
そうやって様々な規準ごとに基準で判断して、美味しいラーメンを決めませんか?」
と説明したところ。zoomの向こう側の表情が、見事に明るくなった。実にびっくりするぐらいに(^^)。こういう時zoomは、心地よい。
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「つまり、国語の学年ごとの目標は、「知識及び技能」「思考力、表現力、判断力等」「学びに向かう力、人間性等」という規準があるわけです。その具体的内容が、目標として学年ごとに書かれているわけです。また、それがどのぐらいできるのかということを基準で考えて、観点別に評価して絶対評価が行われるわけです」
とここまで話して、国語の目標、評価、基準、規準の理解に到達した。これからは、いきなりラーメンで説明するとしよう。