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年金制度が崩壊する人生100年時代に一番やっちゃいけないことは「貯金に走ること」だからね!

最近、Twitter民をざわつかせるニュースが多いですね。

人生100年時代に向け、長い老後を暮らせる蓄えにあたる「資産寿命」をどう延ばすか。この問題について、金融庁が22日、初の指針案をまとめた。働き盛りの現役期、定年退職前後、高齢期の三つの時期ごとに、資産寿命の延ばし方の心構えを指摘。政府が年金など公助の限界を認め、国民の「自助」を呼びかける内容になっている。

とまあ、政府が年金制度の崩壊を ”公式に” 認め、「もう全員救ってあげられなそうだから、みんな自助努力で頑張って生き抜いて!」って言ったわけです。これ、すごいことですよまじで。

2017年の日本人の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳と、いずれも過去最高を更新しました。ちなみに、この数値は、オギャーを生まれてからの平均値なので、実際、一番多く死亡している年齢は、男性が87歳、女性は93歳です。いまの段階で、すでに人生100年時代が射程圏内なんです。

いま30歳の人が寿命を迎える頃には、さらに伸びて男性95歳、女性は100歳を突破するかもしれません。となると、いま30歳の人は、男性が2084年没、女性が2089年没です。

いまから70年後の2090年の世界、想像できますか?

いまから70年前って、戦後の焼け野原からの復興期ですからね。当時から現在までも相当な発展を遂げましたが、これからの70年なんて、幾何級数的な進化が予想されるわけですから、もうほとんどSFの世界だと思います。

ちなみに、2017年に内閣府が出した2050年の日本、こんな予測になっています。暗くなるから、ぜひ読んでみてください。

次いで、こちらは昨年、経済産業省が出した「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」(PDF)

2050年に日本の人口は1億人まで減少して生産年齢人口が激減してやばいわとか、単身世帯が全世帯の4割を超えるとか、7割以上の市区町村で人口が2割減るとか、2人に1人が65歳以上の市区町村が30%を超えるとか、いろいろ暗くなることが書かれているんですが、でもまあいまの高齢者の運動能力は10年前に比べて5歳若返ってるし、歩行速度は2006年からの10年で10歳若返ったってデータもあるし、70歳以降まで働きたいって言ってる高齢者は80%にのぼってるし、実際高齢就業者は増えてるし、高齢者就業は健康維持・増進にも寄与するし、「だからいいよね☆」(ずっと働いてね)ってことが必死のエビデンスとともにまとめられています。

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誰もが不安な、老後資金の話に戻します。冒頭のYahoo!ニュース(Asahi.com)にはこう書かれています。

報告書案によると、年金だけが収入の無職高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)だと、家計収支は平均で月約5万円の赤字。蓄えを取り崩しながら20~30年生きるとすれば、現状でも1300万~2千万円が必要になる。長寿化で、こうした蓄えはもっと多く必要になる。

いやいや、どう考えても、2,000万円じゃ足りないだろw

こういう本がありましてね。

本書は2010年2月に実施されたサラリーマン1万人アンケートの結果がベースになってるんですが、こんな結果がまとめられています。

・自分の老後生活は今の生活よりも悪くなる:49.5%
・自分の老後は今の高齢者よりも悪くなる:70%
・公的年金では安心できない:88.9%
・公的年金からの給付だけではかなり生活が苦しくなる水準だと思う+公的年金からの給付だけでは生活できない水準だと思う:84.6%
・退職後の生活で心配なことは生活費が足りなくなること:57.8%
・退職後の生活用としている準備資金「0円」が44.3%

まあだいたいそうだよね、なんですが、50代の4人に1人が貯金ゼロ円ってすごいなと(まあ僕も似たようなもんですが)

サラリーマン1万人調査でも、退職後の生活資金に必要な生活資金は、多くの人たちが、公的年金以外で3,000万円と認識(予想)しています。

これは、退職後は、家のローンも終わっているし、食べるものも少なくなるし、付き合いの交際費なども減るから、いまの生活費の半分くらいの金額で生活できる、との認識によるものみたいなんですが、実際の退職後の生活費用を調べると、どうやら毎月の生活費は現役時代の半分にまでは減らず、50代のときの生活費の約70%くらいで推移するようなんです(医療費が現役時代の4倍に増えることと、一度慣れてしまった生活レベルを下げることはなかなかできないらしい)。

70歳で定年して、90歳で死ぬとして、インカム(収入)の無い老後を20年とします。仮に50代のときの毎月の生活費が50万円だったとすると、その70%で35万円✕12か月✕20年=8,400万円が必要。

現在、大企業に勤務していて、これから転職する予定も、会社がつぶれる可能性も、リストラされる可能性もなく、生涯勤めることができるハッピーな人は、退職金の平均額2,200万円をゲットすることができるかもしれません。

自分で3,000万円準備できれば、退職金と合わせて5,000万円強。公的年金が月に5万円でも出てくれれば、5万円✕12か月✕20年=1,200万円になります。2,200万円+3,000万円+1,200万円=6,400万円で、これでもまだ足りない!

とまあ数字遊びやってたってしかたないですね。現実に目を向けましょう。

仮に、いま30歳で、大企業に勤めてないから退職金はあてにできない。かつ、いま貯金も資産もほとんどないとしましょう。

将来が不安だから、服飾、外食、交際費、レジャー費などを切り詰めて質素な生活に切り替え、頑張って毎月5万円貯金し始めたとするじゃないですか。これでいくら貯まるのか。

5万円✕12か月✕40年=(たったの)2,400万円です。

これを銀行貯金ではなく年率3%くらいの投資信託に回せば…みたいな話は別の機会にしますが、いずれにせよ、いまからスゲー質素な生活に切り替え、頑張って貯金して静かに暮らしても、人生まったく楽しくないし、老後資金もぜんぜん足りないんです。

老後難民の本の中で「早く死にたいって思いたいですか?」という衝撃的なコピーがあります。収入がなく、毎月、銀行の預金残高がゼロに近づいていくのを見ながら、体も精神も老いていくときの絶望感。あと1年半で現預金残高がゼロになる、でもまだ死ななそうだ、やばい――。と。

このままだと、多くの人が結構な確率でそうなるわけで、いまからどんな準備をするかで、人生分かれます。

大半の人は、コツコツ貯金を始め、そして老後も働く覚悟を決めるでしょう。でもですね、よく考えてみましょう。

2060年の高齢者就業って、どんな仕事があるんだよ。と。

いまはいいですよ。コンビニのレジ、モスジーバ、警備員やビル清掃などの仕事があります。

でも、いまから60年後の2060年は、ほとんどのレジは無人化しているでしょうし、物流センターもコンピュータ制御の無人ロジセンターになってるでしょうし、警備員はロボットに代替されているかもしれません。

2019年における高齢労働者の仕事は、2060年にはほとんどがなくなっている仕事である可能性が高いわけです。

じゃあ、現役時代に身につけた経験やノウハウをもとに、フリーとして開業し、複数社と顧問契約を結ぶプランはどうだ。

なくはないですが、この環境変化のスピードが早い時代に、70歳や80歳の人の過去の成功体験を買ってくれる会社がたくさんあるとは考えづらい――。

僕らは、ここらで「死ぬまで現役!」という言葉の重みと、自分にあてはめたときの具体的イメージをもっと強く持つべきです。

自分って、70歳以降、毎日何やってんの? どうやってお金稼ぐの? そのプランって本当にいまから60年や70年後も実現可能なの?と。

コツコツでも貯金はした方がいい。投資信託も始めた方がいい。

でも、将来不安から貯金や投資を始める人の多くは「それだけやっていればなんとかなる」と、肝心の「死ぬまで働く準備(死ぬ直前までインカムがある状態をつくっておくこと)」が手薄になりがちです。

2060年や2070年という時代に、死ぬ直前まで、高齢の体で、毎月35万円を稼ぐ自分なりのプラン。

いまからよく考え、準備しておきましょうね。

※「いや、さすがに国家なんだから、年金制度が完全に崩壊することはないだろ。いくばくかは入ってくるはず」「ベーシックインカムに期待」など、将来予測や解釈は人それぞれです。でも、この自己責任の時代に大事なのは、自分でコントロールできないことに過大な期待をしないことだと思います。年金はあったらラッキー。なくても大丈夫だったけどね。100歳まで生きちゃった、まあ110歳くらいまで生きる収入は確保していたけどね、くらいにしとかないと、危ないと思いますよ、ほんとに。

※いいですか、ここに書いてあることは、ほぼ確実に起こることです。でも、いまから40年も時間があるので、対策を立て、実行する時間はまだ十分あります。だから、一番の敵は「まだ時間があるから、そのうち真剣に考えよう」という先延ばしです。貯金や副業や怪しい儲け話ではなく、死ぬ直前まで月額35万円を稼ぐ自分なりのプランを、いますぐ考え始めてください。

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