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とまりぎコラム vol.3:自分の住む土地ではない場所で、拡大家族は果たして作れるのか!?

こんにちは!

コラムシリーズ第3弾は…
2024年5月に「拡大家族は作れるのか?!」という実験をしに来た4家族のうちの1家族に、インタビューしてみました!
 
ちなみにその時のレポート記事がこちら: 

めちゃくちゃ良い記事なので、たくさんの人に読んでもらいたいたいので貼り付けておきます!
(本当にこのチーム、みんなの言語化力がすごい。)


① おふたりの自己紹介。

さて、まずはご夫婦の紹介から。

ビビビ!と来たと、臨月のお腹でやってきたフッ軽のゆりこさん。そのおかげで、素敵な夫婦・家族と出会えた!ありがとう、ゆりこさん!
職業柄もあるけれど、哲さんの分析と言語化が(パパとしての視点もプラスされて)めちゃくちゃおもしろかった!まだまだ話してられそう。続編希望です(笑)

②  そもそも、とまりぎに来ることになったきっかけは?

ゆりこ)私が所属している育休コミュニティ「ikumado」にて行った “家族以外に子育て仲間を作るコツ” というテーマのイベントのゲストが舞さんで。そこで長田の紹介をしてくれた時に、これは楽しそう!とビビビときたんです。喫茶店や銭湯に子連れで行けるなんて…絶対に行きたいと。主催の方はいつか行きますと言っていたけど、私は出産も控えていたのでその前にと、すぐに日にちまで提案しました(笑)

その時のイベントページ。ここからすべてがはじまりました!

 まい)それを聞いて、旦那さんは…?!

 テツ)妻に熱弁されたんですけど、よくわかってませんでした…!
「神戸でゲストハウスやってる人がいるから遊びに行こう」と言われたので、じゃあ行こうかみたいな。それぐらいのテンションでしたよ(笑)実際に行ってみたら全然イメージと違って、いい意味でめちゃめちゃ裏切られて、すごく楽しかったです!

ゆりこ)今住んでいる長野も移住した土地なのですが、私たちは基本的に旅行するとしたら自分たちの次の移住先を考えながら旅行してるので、下町暮らしもいいよねと伝えました。

 まい)よく情報がわからないまま来るっていうのもすごい! 

テツ)妻が行きたいと言うところは大体楽しいんで!

③  初対面の人同士、すぐに生まれた安心感はどこから来たのか。

まい)そんなテツさんが実際に来て、特に印象的だったことはありますか?
 
テツ)こどもたちを他のパパが路地で見ていてくれたのですが、その間に大人たちで2時間ぐらいじっくり対話できたことですかね。あの環境、空間がものすごい衝撃で。すごく安心感もあって、初めましてでそんなことができるのか!と感じました。

中ではコーヒーを飲みながら、大人たちは対話。
路地ではこどもたちがのびのび遊んでいました!まるで、きょうだいのよう!

 まい)初対面の人たちだったわけですが、その安心感はどのタイミングからだったんですかね? 

ゆりこ)1日目の夜くらいには、もう安心していましたね。
舞さんが町を案内してくださった時に、挨拶していましたよね。それが大きかったんじゃないかなと。私たちもそれに続いて挨拶していると、町の人との関係性ができていって、地域に対して安心感が芽生えていきました。ゆるい繋がりの中で自分がリラックスしていくといくか。こういう関係性があるだけで、安心・安全な場所になるんだなと思ったし、こういう繋がりこそが、子育て世代も、1人で住んでいるお年寄りも、誰も孤立しない仕組みなんだろうなと。 

まい)おお、すごい。それ嬉しいです。実は今の話って、特別に大変なことではないと思っていて。
誰でも意識があればどこだってできるはずなのに、なぜできないのか / どうしたらできるのかを最近は考えています。
町って本当にいろんな社会課題があるけれど、それをまとめて解決できる可能性があるのも町だなって。だからこそ、このゲストハウスに来て、地域でのゆるい繋がりを体験してほしいと思っているんです。 

ゆりこ)長田から帰ってきてからテツさんが言っていたのが、まさにその観点でした!しかも舞さんの挨拶って、「こんにちは」だけではなく、その後に言葉を添えていて
「その一言が日常の隙間を埋めているよね」とテツさんが表現していて、本当にその通りだなと。

まい)なるほど、気づいていなかった!確かにそうかも。プラス一言あるだけで、私の興味・関心があなたに向いてますっていう表示になっているかもしれないですね。私もこの町に来た時に、おばちゃんたちに声をかけてもらえて、とても嬉しかったんです。あぁ、このままの私でここにいていいんだって。それって、居場所があるということだと思うんですよね。 

*****

まい)ゆりこさんが印象的だったことは? 

ゆりこ)「路地活」です!私は部屋の中に、こどもは路地にいて、こどもと離れていると最初は心配もありました。でも、車は来ないし、引き戸が空いているからちょこちょこ我が子が見えたり、声も聞こえるから、大丈夫かって思えて。みんなとのおしゃべりも楽しかったから、少ししたら不安はなくなりました。引き戸なので路地と家の中の境界線も曖昧で、それも重要なんだろうなと思いました。
こうやって大人がその場に対して安心できることで、こどもたちだけの時間もできる。その方が、こども同士の化学反応も起きていくんだろうなと。 

大人もこどもも、それぞれが好きなことができる路地空間。

まい)“ 自分の子は自分で見るもの ”という考えが当たり前だと思い込んでいると、 今回のようなことはなかなか起きないですよね。大人がその場を信頼しているからこそ起きる、いいことがある。
こども同士のコミュニケーションが増えたり、考える時間が増えたり。この町に来た時に、お互い様という考え方だったり、こどもたちを信じて見守り合える大人たちが多いなと感じたことも移住したいと思った理由の1つでした。 

ゆりこ)私の住む地域だとコミュニケーションが少なくて、相手はどう思ってるのからわからない。わからないからこそ、知らないのになぜか相手に対して予防的に気をつけなきゃいけないという意識になってしまいます。
どうして自分の地域でもない場所で、来てすぐに大丈夫だと思えたのは、普段からの関係性なんでしょうね。まさに、挨拶効果。
「町の人に挨拶を」と、とまりぎのお願い事に書いてありましたが、一緒にきたメンバーもみんなハッとしていました。それだけなのに、すごい効果をもたらすことができる。

このお願いに対してコメントをくださる方、多数!!


 まい)しかも3泊4日もいると、何回も町で同じ人に会うから、ほぼ住民としての暮らし体験ができるようになってくる。だから、2泊以上をお勧めしてるんです!!拡大家族の体験までとなると3泊以上からかもしれない!
あとは、絶対的に子連れの方がすぐに町の人と仲良くなれるので遠慮なく連れて来てほしい。子はかすがいと言うけれど、すぐにおばちゃんたちがこどもの年齢クイズみたいになったり、どこから来たの?と話しかけてくれるの(笑)こどもは大人たちをつなぐことができる人たちなんです!

④ 非日常と日常の狭間で感じたこと、起きた変化。

テツ)僕自身の変化なんですけど、自分でも驚くほどの大きな変化がありました。それは、「こどももの行動で周りに迷惑をかけないように」という意識が薄まったこと。
長田から長野に帰った時に、周りの大人はみんなこどもの味方なんだ!と思い込んでみようと思ったんです(笑)そう思ってから近所のイオンに行った時に、案の定イヤイヤが発動して。床にビターンってなって、歩きたくない!抱っこして!と、泣きだしました。結構、周りの人にじろじろと見られていたんですが、なんか全然ストレスがなかったんです。「うちの子のかわいい姿を見てください!」みたいな感覚でした。すごい偉そうですけどね(笑)今まで、自分の中に自分で壁をつくっていたんだろうなと感じました。

こどもたちと遊ぶ、テツさん。小学生も「テツさん」と呼んでいて、親子のようでした!

 まい)そう、別に誰かに言われたわけでもないのに、そう思っていることって実はよくあって。こどもを静かにさせれない親は恥ずかしいとか、泣いているのはよくないとか。
長田だとそう思う前に、周りのおばちゃんが親やこども自身に話しかけてくれるんですよ。もう、めっちゃ早いの(笑)それって、実は助け舟にもなっていて。東京に子連れで行った時、そういう声かけがほとんどないから申し訳なさと焦りとで日々のストレスの蓄積が圧倒的に違いました。
町中でも私は一人じゃないんだという感覚になれるというのが大きいなと。実はこういうところに、子育てのしやすさや親のウェルビーイングのヒントがあるんじゃないかなと考えています。 

テツ)親が人の目を気にしてこどもに怒るって、誰も得してないですよね。親も別に怒りたい訳じゃなかったりもするし。今回の体験のおかげで自分の中にあった思い込みがいくつか手放せて、ストレスが減りました。この日々のストレスの積み重ねがなくなるのは、大きいですよね。 

ゆりこ)夫婦で話していたんですが、なんか満たされないというか、緩まってなかったんだなと気づいて。多分、ずっと何かをやってなきゃ… 早くやらなきゃ…という言葉にずっと追われていて、気が緩められない状態になっていたんだろうなと。でも、長田は初めて来たのに、そうじゃなかった!

3泊もすると、自分たちで町を開拓するのが楽しめちゃう!

まい)私もこの町に暮らしてみて、緩んでいった身なのですごくわかります!それってなんでなんだろう?と考えてみると、そもそも町の大人たちが自然体で生きているんですよね。
例えば、朝早くから喫茶店で元気に(かなり盛り上がって!)おしゃべりしているおばちゃんたち。だって、こどもよりもおばちゃんの方がうるさいんですよ(笑)一方で、すごくゆっくり動いていたり、ベンチでぼーっと知っている人も多くて。“普通”の社会と違うペースや状況がここにはある。何を持って当たり前かはわからないけども、当たり前と違うことが起きる。非日常みたいな。
でも、私たちには日常。このすごく不思議な感じが、この町がおもしろいと思うところでもあるんです。 

ゆりこ)この旅行ってすごく非日常だったはずなんですけど、日常にすぐなっていたのが私も不思議でした。来る前は発起人だし、初対面の家族がくるし、ちゃんと頑張らなきゃ!みんなをまとめなきゃ!こどもも楽しませなきゃ!と意気込んでいました。
でも、いつしかそれを手放していて、私自身もゆるりと自然体になっていきました。お風呂みたいな場所だなぁと。

 テツ)ちょっと仕事柄、脳の話をしますが(笑)
人間の脳って「原子脳」と「人間脳」っていうのがあって。動物的な本能が原始脳で、論理的で未来志向なのが人間脳。長田にいるときは、原子脳を働かせている自分がいました。(詳しくはこちらの記事で:爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳|3つの脳の構造でわかる人間の三大欲求

爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳|3つの脳の構造でわかる人間の三大欲求:記事より

長野に移住した時もそうだったんですが、人間脳から原始脳になっていきました。働くための生活から、生活=暮らし自体を重要視するようになって。家に帰って、食べて寝るだけの生活から、街を感じながら歩くことから始まり、地元のものを食べて・飲んで暮らしを味わうようになりました。そうすると、今までの生活ってなんだったんだろう?という問いも湧いてきて。

まい)違う選択肢を持つと、問いが湧いてきますよね!
私も遠距離恋愛中に神戸と埼玉とを行ったり来たりしている中で、自分の「快」「不快」を認識しました。それまでは感じてもなかったけど、ああ、自分はこっちの方が好きだなっていう感覚に気づいて。ゆりこさんも言ってたけど、ずっと急かされて、何かしてないと…という感じに勝手になっていたのかなと。 

テツ)そう、心の空虚を何かで埋めないと!と思いやすい。埋めようと思って埋められなくて、頑張って、疲れ続けて…でも止まれない。止まったらダメだと思ってしまうと、心も疲れてしまう。
仕事現場でも思いますが、そういう人が多くなっている気がします。 

まい)そうですよね。子育てに、人生に疲れる前に長田に来てみてほしい!という思いもあるんです。
この町に住んで7年目になるけれど、多様な世代の人たちが様々な変化をしていきました。この町に来て、何かをつかんで、顔がすっきりしていくというか。こどもがいても、いなくても。日常と非日常の狭間で、ゆるやかな繋がりの中で、自分にとっての大切なものを見つけたり、問いを持って帰っているんだろうなと分析しています。そういう誰かの大事なタイミングに立ち会えるのが、とてつもなく好きなんですよね。別に移住しなくてもいいけれど、「とまりぎに泊まる」というカードがいつか誰かの役に立つといいなと。例えば、ちょっと道に迷ったら / 煮詰まったら「そうだ、長田に行こう!」みたいな(笑)

⑤ 最後に、今後は、どんなことをしてみたいですか?

西田夫婦 提供写真:帰宅後の一コマより

ゆりこ)この旅は今までで一番思い出に残る旅でした。人生このままこの先どうなるかわかんないですけど、私の価値観はあの旅から変わったと言えそうな気がしていて。忘れたらまたここに戻ってきたい!
すでに友人達に「捉われているナニカから解放されるよ」と長田体験を勧めています。いつか自分の息子や娘に子どもだけで訪れてもらうのも楽しそう!どんな経験をして変化するのか。でも、親達も行きたくなって合流しちゃいそうですけどね(笑)
そして、自分の周りでもホッと気を緩められる「路地」を見つけたり作ったりしていきたいと思っています。

テツ)自分も、年に1回は長田に来て、長田に染まりたいですね。よく言われる「他人の評価よりも、自分軸を持つことが大事」ということがありますが、つい日常に忙殺されると、自分軸を見失いそうになるときがあります。そんなときに長田に来て、自分軸を軌道修正したいな、という。
 
まい)これから長野から東京に戻った時に、 お二人が何を感じるのか、また教えてほしいです!今回感じたことを是非、自分の住む地域で実験してもらいたいし、成功事例・体験になったら、きっと2人のことだから、それを周りに連覇させていってくれるんじゃないかと思っているので、期待しています!
 
ゆりこ&テツ)はい、もちろん!みんなで今後も、振り返り続けていきたいですね。

宿泊している期間中にオンラインコミュニティで実施した旅の報告会。みなさんの行動力に脱帽!今後も振り返りが楽しみです♪

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⑥ 編集後記

ゆりこさん、テツさんをはじめとした御一行が来てくれたことで、私自身も改めてどんな言葉で説明したら魅力がより伝わるのかわかった、とても大切な機会でした。
ここまで言語化してくれる&動画やnoteに残してくれる人の存在の大きさといったら…何より楽しんでくれている皆さんがなんとも印象的でした。

そして、旅を終えてからもしっかりと日常に持ち帰ってくれて、西田夫婦のように日々実験してくれている。とてつもなく嬉しくて、こういう繋がりは私にとっても大きな喜びなんだなということにも気づきました。

ゆりこさん、テツさん。まだ決まってないけれど、次回の訪問が今から待ち遠しいです✨
お忙しい中、ありがとうございました!

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