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フリーランスが半数を占める時代に備える「強み」発掘法

アメリカでは2年後にフリーランスが50%に?

 アメリカの「ナショナル・ポスト」の発表によると、アメリカでは2020年までにフリーランスの人口が労働者全体の50%にものぼると予想されているそうだ。(出所: https://www.lancers.jp/magazine/30703) 

 日本は伝統的に新卒の社員を採用した上でジョブローテーションを繰り返し、何十年もかけてゼネラリストにしていく方法を今までは取っていた(今後は徐々に変わっていく可能性があるが)のに対し、アメリカではもともと即戦力としてのスキルを求めるという違いがある。だから、アメリカの状況がそのまま日本に当てはまることはないにしても、日本でもネットで単発仕事を請け負える環境が整ってきていること、副業解禁の流れもきていることもあるし、アメリカで起きているビジネスの流れは数年後には日本にも起きるとよく言われているため、このような波が徐々に日本にも押し寄せる可能性は高いだろう。

フリーランス時代の到来に焦り「あれもこれも」でアップアップ

 そういった動きを見越してか、感度が高い人はすでに動いている。会社で今のうちに結果を出して「あの人なら任せられる」と言われるような人材になろう!とか、フリーランスとなって自由を手に入れるために今からスキルを磨こう!と、「個」を立たせて今後活躍できるようになるために意欲的に準備をはじめている人も、私の周りには多い。しかし、何のプロとしてやっていくかを明確化している人は、まだ少ない。

 今はハーバード大学などの一流の授業も、学ぼうとすればオンラインで受講できる時代。「これを学ぼう!」が明確にある人、夢中になれることがすでに見つかっている人、起業テーマが明確な人にとっては、これほど良い時代はないだろう。一方で、明確な何かを今探している途中の人にとっては、「何でも学べる」が、逆に迷いの原因にもなっているような気もしている。

 自分の夢を叶えるためには仕事には手を抜けない。家事にも育児にもしっかり向き合い、かつ自分の時間も十分にとりたい!今の会社以外にもコミュニティに入って他の人の視点も知っておきたい!あれもしたい、これもしたい…選択肢を広めようとあれこれ手を伸ばしているうちに、人と比べて焦り、結局何をしたいのか、どこに向かっていくのかが分からなくなってしまうのだ。

 いろいろ貪欲に吸収してから、やりたいことを見つけたい、だから今は情報摂取を意図的に行う、と割り切り数ヶ月集中しているのならいいが、「何かしなければならない」と思いつつ、ついつい目の前のことに右往左往してしまう。なんとなく興味があるオンラインサロンをはしごしているけど、これからどうするかは迷っている。そんな状態が数ヶ月続いているのなら、今いちど立ち止まったほうが良い時期かもしれない。

「準備が整ってから」スタートできると思うのが間違い

 どうして「やらなきゃいけないのにできない」「今のままじゃいけない気がする」という危機感や、「何をしたら良いかわからない」という気持ちでアップアップしてしまうか。「今の自分のスキルだと足りない。まずは十分な準備をし、手持ちのコマを集めてからはじめよう」としているのが間違いのもとだ。

 何ごとも「準備が整ってから」スタートできるなんてことはないのだ。

 情報を手当たり次第に集めてから決断を下すのではなく、情報が少ない時点から結論にあたりをつけて、その結論が正しいかどうかを検証することを「仮説思考」というが、これは今後、個人の名前で生きていきたいと考えている人の戦略としても正しい。

準備不十分のままでどうやって前に進むか

 では、どう仮説を立てていくか。自分のスキルを棚卸しし、見える形に整理し、値段をつけて、相手が買える形にすること。つまり「自分のことを商品化する」ことが大切だ。売れる形にしておかないと、「欲しいのか、欲しくないのか」誰にも判断できないから検証もできないからだ。

 「何でもできますからご用命ください」「まずは、どんなことができるか打合せさせてください」と言われても、誰もあなたに何も頼めない。あなたには何ができて、何を頼めて、頼むとどんなステキな未来が待っているのか。それをメニュー化(商品化)しないことには何も始まらないのだ。

 もちろん、形は不完全かもしれないし、あなたが理想とする形からはほど遠いかもしれない。でも、まずは形にしてみないと、そもそも欲しい、と思っている相手がいるのかや、どういう改善を進めれば欲しいと思ってもらえるのかが分からない。

自分の「商品」に気付くための2つの質問

 では、自分が何を売れるか、どんな魅力をもっているかが分からない中で、自分が持つ「商品」は何かに気付くために、具体的にどこから始めたら良いのか。今すぐできることとして今回提案するのは次の2つだ。

1. 「自分だったらもっとうまくできるのに!」とイライラしたり悔しく思ったことを思い出す
2. 「きっかけは何ですか?」「どうしてそれをやろうと思ったのですか?」など、過去の経験を何度も聞かれることが多いスキルに着目する

 幹事の段取りの悪さにイライラする、部下の気の利かなさにイライラする、ポスターの配色やフォントにイライラする、ある人のブログでの表現にイライラする、など、あなたがもどかしく思った経験のあることは、あなたがよりよい改善案を知っているということだ。そこにあなたが役に立つ宝が眠っていることが多い。

 また、何度も「きっかけ」を聞かれる事柄にも着目したい。誰もが知りたいけど、なかなか答えにたどり着けないから、答えを知っているあなたに質問してくるものが多いからだ。聞かれる側としては何度も聞かれるので「またか」とうんざりしてしまうことも多く、当たり前のように答えているため価値があることに自分自身が気付かないことが多いが、ここにもあなたのスキルを商品化する宝は眠っている。
 
 商品化を進めて形にしていくと、「え?こんなんでいいの?」と驚くほど、当たり前に、簡単に普段から進めているものに価値があることに気付くだろう。答えはいつも、あなたの過去にきちんとあるのだ。見えない何かを追って疲弊するよりも、今までの自分をよく見つめ直してみよう。

 写真は「フレンチトーストと言えば」思い浮かぶホテルオークラ。「○○といえば」と、思考をショートカットできる人になれると強い。

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能力のあるなしでなく、向き不向きがあるだけだ

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池田千恵
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