転職22回職歴44男の#転職体験記_02夜のお仕事編①
今回は僕の転職22回職歴44人生の中から、最短記録のお話。
当時僕は20代半ば。
その日はいつもより緊張していました。
なぜならいまから面接に向かう場所は水戸にある歓楽街。
夜になったらきれいなお姉さんとか怖いお兄さんとか酔っ払ってゲ◯履いてる人とか、ふだんの僕とは縁のない人々がはびこる場所です。
生まれたてのひよこのように無垢でふわふわな僕がのこのこ行ったら悪い人に捕まって焼き鳥にされるかもしれない恐怖の場所。
でも行かなきゃいけない。
だって面接に申し込んじゃったんだから。
そして着いたのはとある古びたビル。
薄暗い階段を上って、据えた匂いがする短い廊下の先のドアをノックすると、中から背広を来たおじさんが現れました。
促されて中に入るとこれまた薄暗くて、染み付いたお酒とタバコの匂いが鼻を突きます。
ベロア生地の丸い椅子に座って、緊張しながらよろしくお願いしますと頭を下げました。
『はい、じゃあ履歴書もらうね。
えーっと、やす、さんかな。
ホストの経験はないんだね』
そうなんです。
僕が面接に来たのはホストクラブでした。
昼間は他のバイトで忙しく、でも訳あってもう1つの仕事を探していたところに、夜の時間帯で高時給が見込めるホストクラブは魅力的だったんです。
が、来てみれば予想通りの居心地のわるさ(合わなさ)で、面接の時点で帰りたい気持ちはMAX。
でも、背に腹は代えられない。
もしここで働いていくらかでも収入の足しになれば、もっと楽になる。
『じゃあ、とりあえず採用するから、◯日から来てくれる?』
「わかりました」
『そしたら源氏名をつけなきゃいけないけど、なんか考えてきたのある?』
「え、あ、はい、そしたら、、、ヒロシでお願いします」
『わかった、ヒロシね。じゃあまた◯日によろしく」
かくしてヒロシになった僕は、大きな不安を抱えたまま、薄暗い階段を降りていったのでした。
ということで、続きはまた後ほど。
面白かったら(面白くなくても)コメントください。のたうち回るほど喜びます。
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