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産後のつらさ、あなたは何が一番大変ですか
何が一番大変ですか?
聞かれてとっさに思いつかず、出産を報告した育児経験者とのやりとりの中で一番言われたことを答えた。
"3時間ごとの授乳かな、授乳は1回母乳にミルクにゲップや片付けなんかでなんだかんだ30分〜1時間かかってしまうし、その間で泣いてしまうと気がついたら次の授乳時間なんてことも。でもうちはよく寝てくれるし他の人の話聞く限り楽な方かな。"
なんか違う、なんだろうこの伝わらない感じ。というより大変さはそこに感じているわけじゃないから当然伝わらない。
大変なのは間違いない。でも実際は何が大変なんだろう。ビデオ通話を切ってから改めて考えてみた。
オムツ替えと授乳、授乳後のゲップと哺乳瓶の消毒。やっていること自体は一つずつ作業と捉えればそこまで大変ではない。今は色々なものが開発され一つずつの作業は圧倒的に効率化され簡単になっている。
これらはそれぞれ事象に対してこちらから働きかけができる。何かしらアクションすることができる。
本当に大変なのは、これらのアクションに落とし込めない事象が発生するということ、また、結果がその都度違うもしくは結果としては現れないことだ。
オムツ替え、授乳、ゲップ、うんち、おしっこ、室温、寝かしつけ、全て改善すべく実行したにも関わらず泣き続けるとき
お腹が空いたモーションが出ているのにおっぱいを吸ってくれないとき
おっぱいを丸出しにして乳首を加えさせてやっても体を反るほどギャン泣きするとき
なんだろうこの情けなさ、意味のわからなさ、聞いても返ってこない焦りといら立ち、授乳の合間の時間があっという間に過ぎて寝ることも出来ず溜まっていく疲労と睡眠不足。
知らないこと、わからないことが山ほどあるのだ。泣かれる焦りと吐いたりむせたり顔が真っ赤になったり突然叫んだり、とにかく不安を煽ってくる。どんどん煮詰まって切羽詰まっていく。
知識のないなか、立ち現れた事象に必死で調べて対応をわからないなりに考え試行錯誤して実行をする。それだけでも時間がかかり確証がなく不安で消耗する。
考えてもわからないこと、なんか虫の居所が悪かったんだな、以上に理解ができないことがままある。必死にやっても結果としては現れないのだ。
大変さを他と比べる必要がないことも、泣き止まないイライラは断じて赤ちゃんのせいではないこと、母乳やミルクがうまく飲めなくて泣いているのは決して母親のせいではないことも、なんで泣いているかわからないその要因と赤ちゃんとをきちんと棲み分けて赤ちゃんにイライラを募らせてはいけないことも
全部、わかっている。
わかっていてもなお、感情はそのままに湧き出てくる。まるで自分がダメだと言われているような気持ち、なんで協力してくれないのなんで泣いてるのもう許してという気持ち、
わかっているからこそ、その感情が生まれること自体をおかしいと思ったりダメなことだと思ったりすることはさらに自分の首を絞める。現れた感情をそのまま斜め上から引いて眺めてみるのだ。
これをやらないと冷静になんてしていられない。
ただ、これをやり続けること自体がエネルギーが必要で、大変なのだ。
ときどき離れる時間や、だれか一緒に取り組んでくれる仲間が必要だ。
一緒にやってくれなくても感情や状況を言語化して話す相手がいるだけでも違う。
なによりこの大変さに、私自身、自分がその身になるまで全く知らなかったことが子育てをする人たちの大変さに拍車をかけていたのだと思う。
もっといろいろな世代いろいろな立場や状況の人間が交流し、知っていくことで
一人ひとりの”思いやることのできる範囲”が広がってほんの少しかもしれないけれど、救われる人楽になる人もいるはずだ。