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協奏的構成(二空間の対比)広瀬典丈

 「いけばな春秋空間分割の3回目。花材二つをどちらも主材のように扱い、二空間の対比を見せる協奏的構成複合的構成との違いは、前に向かって作中心を作る客材的な見せ方をしない点です。片方が複数花材でも良いのですが、複合的構成と紛らわしく、作例は全て花材二種にしています。
 上作例は、色・形・質感の異なる、緑葉のアカメカシワとベージュ系タケカワを、前後に少し違う三点構成的に使って、対比を作り出しています。

          上左 ハウチワカエデ・ベニウツギ 赤絵投入花器(大津寄花堂 京都)
 上右 タニワタリ・ドラセナ ガラス花器二つ 

 上左作例は、ベニウツギを上から手前左に回し出す動き、緑葉のカエデはそれを横切るようにして前横左右に固めています。
 上右作例は、タニワタリとドラセナの葉を透明ガラス花器二つを利用して、双方絡めるように展開しました。

           上左 モッコウバラツル・スターチス 青磁投入花器(冨本泰治 常滑) 
             上右 コバノズイナ・ブラックリーフ 紺条痕釉花器 (大津寄花堂) 

 上左作例 モッコウバラツルを花器に丸く重ねて絡ませます。スターチスの花を向き合わせの直線にまとめた5~6本、それをツルに引っ掛けました。
 上右作例は、背景に左上~右下ブラックリーフ。手前弓状にコバノズイナを配しています。


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