見出し画像

きょうはなんのひ? 〜手紙探し遊び〜

「きょうはなんのひ?」という絵本を知っていますか?
1979年に出版されて、いまだたくさんの親子に楽しまれているロングセラーの絵本です。

画像1


ある朝、主人公のまみこは玄関で歌を歌って学校へ行きます。
「おかあさん、きょうはなんのひだかしってるの?
しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」
おかあさんは階段の三段目に手紙を見つけます。
「ケーキのはこをごらんなさい」
箱の中にはまた手紙。
まみこがおかあさんに仕掛けた手紙探し遊びです。
実は今日は、お父さんとお母さんの結婚記念日。
この手紙遊びには、心温まる素敵な結末が待っています。

**********************

小2の甥っ子と保育園児の姪っ子のベビーシッターを頼まれて、弟の家に行くことになった。

子どもたちと何をして遊ぼうか。
ちょうど親が不在だし、昔、私が我が子と楽しんだこの手紙探し遊びを、甥っ子たちと一緒にやりたいと思った。

まずは、「きょうはなんのひ?」の読み聞かせ。
最後の素敵なしかけに、子どもたちは「おぉ〜」と驚きの声を上げた。
よし、つかみはOK!


「でね、これと同じような手紙探し遊びをしたいんだけど。サプライズの相手は、お母さん。最後の場所にはお母さんへのプレゼントを置くの。どう?」

「やるやる!!」

と二つ返事の子どもたち。

「じゃあ、なんていう言葉で手紙を作ろうか」

お母さんへの言葉は「いつもありがとう」に決まった。
一つ目のメッセージは、「いつもありがとう」の"い"。

甥っ子が、ウーンと悩んだので、コツをつかむまでは私がリードすることに。和室に手紙を隠したいと言うので、畳の数をヒントにする。

「畳の数が9枚だから、”正方形が9こ”というのはどう?」

「せいほうけいって何?」

「ああ、そうか。2年生はまだ正方形って習ってないよね」

ということで、正方形の定義を簡単に説明する。
甥っ子は、「いいかい、もういいかい。正方形が9こ」と書いた。
書き方が分かったみたいだ。

二つ目のメッセージは、「いつもありがとう」の”つ”。

「つぎは、こうきが好きな本。ヒント:学校にもってってる」と書いた。

三つ目のメッセージは、「いつもありがとう」の”も”。

「もんくをいいたいとこ。ヒント:ふくをしまうとこ」

服をしまう場所が、なぜ文句を言いたいところなんだ?!
はてなに包まれる。
子どもって謎に面白い。

手紙の下書きができたところで、折り紙にきれいに清書する。
何色の折り紙を選ぶのかなと思って見ていたら、

「ママはオレンジが好きなんだよね。あとは・・・」

と呟きながら、お母さんが好きな色を選んでいった。相手のことを思う気持ちっていいね。

折り紙にメッセージを書いて、メッセージの頭の文字に色を付けていく。
あとで色のついた文字をつなげて読むと「いつもありがとう」という言葉が出てくるしかけだ。

画像2

字がまだ書けない姪っ子は、お兄ちゃんが書いた字を色鉛筆できれいになぞった。仲良く共同作業だ。

折り紙をクルクルと丸めて紐で結んで、巻物が完成。

次は、巻物を指定の場所にセットする。
さて、どこに隠そうか。
すぐに見つからない場所がいいけれど、難しすぎると見つけられない。塩梅が難しい。隠す方も、すごく真剣だ。

庭の池に巻物を隠したまみこを真似して、飼っているカエルの入った箱にも巻物を置く。巻物が濡れないように、ビニール袋に入れる入念さがいい。

画像3

セット完了!

あとはお母さんに渡すプレゼント。
甥っ子が、本に載っているプロペラのおもちゃを作りたいと言ったが、材料が足りなかった。
そこで、ダンボール紙とタコひもで手軽に作れるビュンビュンゴマを作ることにした。
これも、我が子が小さい頃に「びゅんびゅんごまがまわったら」という絵本を読んで、何度も作った思い出のおもちゃ。
回すのにちょっとしたコツが必要だ。
なかなか回せない子どもたちに見本を見せながらコツを伝える。
びゅんびゅん風が鳴るのが面白いようで、子どもたちは夢中になって回していた。

画像4

そして、次は折り紙を折る。
「鶴の折り方を教えて」という甥っ子のリクエストに応えて、三人で鶴を折った。
二人とも呑み込みが早い。綺麗な鶴ができた。

そういえば、この前、小学校で、鬼滅の刃のキャラクターの折り紙を持っている子がいたと思い出し、YouTubeを検索してみた。
鬼滅の刃シリーズのキャラクターの折り方がアップされていて、それを観ながら炭治郎と禰豆子を作る。
よく考えられていて、思わず感心してしまった。動画を上げてくれている人に感謝。

画像5

お母さんへのプレゼントをお風呂場にセットして、準備完了。
あとはお母さんの帰りを待つばかり。
早く帰って来ないかな。

夕方、お母さんが帰ってきた。
姪っ子が嬉しそうにお母さんに飛びつく。
どの子もやっぱりお母さんが大好きだ。

甥っ子は、早速、一つ目の巻物をお母さんに渡す。
駅から20分ほどの道のりを歩いて帰ってきた義妹は、息が上がっていて少ししんどそうだった。
そこで、手紙探しの前に、甥っ子が、「きょうはなんのひ?」をお母さんに読んであげることになった。最後の手紙のしかけのページは伏せたままにして。

読み終わって、義妹の息が整ったところで、手紙探し遊びスタート。
順調に手紙探しは進んでいった。
途中、見つけてほしい手紙ではなく、別の手紙が見つかってしまうというハプニングがあり、子どもたちは「ああー」と叫んで慌てていたが、それもまたご愛敬。
カエルの飼育箱で巻物を見つけた義妹は、「こんなところに隠したの?!」と大笑いした。

さあ、いよいよラストのお風呂場だ。
綺麗に並べられたプレゼントの数々を見て、義妹は「すごーい!」と感嘆の声を上げた。

画像6

画像7


子どもたちは、作戦が大成功して、満足そうな笑みを浮かべた。
口々に、これは私が作ったんだ、これはぼくが作ったんだとお母さんにアピール。

そして、居間に戻って、手紙のしかけを伝える。

「丸がついた字を順番につなげて読んでみて」

「い・つ・も・あ・り・が・と・う」

義妹は、「ありがとう」と言って、子どもたちを抱きしめた。



いいなと思ったら応援しよう!