祝20周年、魔法少女リリカルなのはの魅力を語る
今回は大好きなアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズがこの度20周年を迎えたということで、20周年企画が発動したのを機に、私がこのアニメの魅力について語らせていただきます。
1.進化した魔法少女アニメ
『魔法少女リリカルなのは』は、スピンオフのさらにスピンオフとして誕生した作品です。
元はパソコンソフト『とらいあんぐるハート3』のスピンオフ作品である『リリカルおもちゃ箱』が起源で、それをアニメ用に再構成し、2004年秋に放送されてヒットしました。
当時の深夜アニメは、2期目が制作されること自体が難しかった時代です。しかし、2005年に放送された2期が人気を決定づけ、その後も3期、スピンオフ1期・2期、さらには映画4作が続くという結果を生み出しました。
なぜここまで人気を博したのかというと、それは従来の魔法少女アニメとは異なる方向性を持っていたからです。
物語の始まりは、主人公の高町なのはが、魔物に襲われていたフェレットのユーノ君を助ける場面から始まります。ユーノ君から変身アイテムを渡され、突如魔法少女へと変身し、魔物化した古代アイテムを封印し回収する役目を担います。
この展開は、いわゆる『カードキャプターさくら』的な魔法少女アニメの王道パターンです。
しかし、他の作品と違うのは、この作品が深夜アニメであり、物語が進むにつれてシナリオがどんどん重くなっていくことです。1期のテーマは魔法少女アニメ従来の勧善懲悪ではなく、「一人の魔法少女を救う物語」という点が、従来の魔法少女作品とは一線を画しています。
2.魔法と科学の融合、ド迫力のあるバトル
従来の魔法少女アニメと異なるもう一つの要素は、魔法と科学の融合です。主人公の高町なのはが持つ変身アイテムであり、相棒でもある「レイジングハート」は、デバイスとしての役割を持ち、魔法を唱える際にも機械的な会話が行われます。
なのはが持つ杖も、砲撃を放った後に排熱処理ができる機能を備えており、変身後の姿は「バリアジャケット」と呼ばれる防御服を着用して、相手の攻撃を物理的に受け止めます。
シリーズが進むにつれ、杖もより機械的になり、バリアジャケットもまるで鎧のように進化していきます。
また、人気を決定づけた要素の一つに、迫力満点のバトルシーンがあります。
魔法を発動する際には魔法陣が描かれますが、攻撃シーンではガ〇ダムのようなファンネルを使用したり、杖が長距離砲に変形してビームライフルを撃ち放つなど、まるでロボットアニメのような演出が特徴です。
杖を使って物理的に殴るシーンもあり、魔法少女でありながら物理で攻撃するという点も斬新でした。
この物理的な戦闘スタイルは、同時期に放送されていた『ふたりはプリキュア』くらいしか見られないものでした。さらに、次元を飛び回る航空戦艦の登場など、科学的な要素も随所に散りばめられています。
可愛らしい女の子たちが物理とド派手な魔法で戦うという、このギャップこそが、当時の人気の一因だったのではないでしょうか。
なお、1期のリメイク版『魔法少女リリカルなのはthe movie 1st』では、さらに攻撃の演出が過激になっており、その迫力は一見の価値があります。
3.濃厚なストーリー展開
深夜アニメだからこそ実現できた濃厚なストーリーも、この作品の人気の要因の一つです。
第1期で描かれる「一人の魔法少女を救う物語」は、物語が進むにつれて、同じく古代アイテムを回収している魔法少女フェイト・テスタロッサとの出会いと戦いへと発展します。
最初は圧倒的な力の差を見せつけられ敗れるなのはですが、実はフェイト自身は戦いたくなく、母プレシアの命令で古代アイテムを集めているだけだということが明らかになります。
そして、物語の終盤で、フェイトの名前やプレシアが古代アイテムを集める理由が明かされ、視聴者を大いに葛藤させます。
母親の行動の理由は決して正当化できるものではありませんが、もし自分が同じ立場に立ったとき、それをどう受け止めるかと考えると胸が痛みます。すべては歪んだ愛情からくる行動だったのです。
最終的にはトゥルーエンドで物語は締めくくられますが、私は第11話と最終回で涙を流すほど感動しました。
4.主題歌、主演担当2人の出世作
主人公の高町なのは(CV:田村ゆかりさん)とフェイト・テスタロッサ(CV:水樹奈々さん)を演じるのは、現在では大御所の声優であるお二人ですが、当時はまだ新人扱いでした。この作品では、お二人の初々しい演技を楽しむことができます。
また、主題歌もこの二人が担当しています。オープニングは水樹奈々さん、エンディングは田村ゆかりさんが歌っており、この構図は続編にも引き継がれています。
私が初めて「歌手・水樹奈々様」を知ったのはこの作品の主題歌からでした。
当時、声優としての仕事はちらほらと見かけていましたが、歌を聴くのはこれが初めてで、その透き通るような声ながらも力強い歌声に魅了されました。
2004年当時の音楽番組では、アニメソングが紹介されることはほんのわずかで、5秒程度しか映らないことも多く扱いが雑でしたが、主題歌がオリコンチャートのシングルランキングで10位以内に入るという快挙を成し遂げました。
アニメをきっかけに、私は水樹奈々様にどっぷりとハマっていったと言っても過言ではありません。
作品の内容をイメージさせる歌詞で、
こちらは田村ゆかりさんが歌うEDの『Little Wish~first step~』
田村ゆかりさん全開の魔法少女らしいかわいい歌声で癒されます。
今も昔も声が変わっていないのがすごいです。
この頃から2010年くらいまで、萌え深夜アニメといえばゆかりんがほぼ必ず出演して無双していた記憶があります。
さいごに
20周年記念ということで、YouTubeにて毎週1話を放映されています。
ぜひこの機会に見て頂ければと思います。
無印1話に関しては別チャンネルで放映されていますのでこちらからチェック。
余談ですが私はこの作品を見ると、放映当時の自分がフラッシュバックされます。
兄はアニメオタクが嫌いだったため、同じ部屋の中でTVの取り合いをする。
やっと寝た兄を起こさぬよう暗い部屋でTVの灯りが漏れないよう布団をかけて、イヤホンをTVにつないで見ていた時代を思い出します。
部活で疲れていたのもあり途中で寝落ちしてしまったこと、当時はビデオレコーダーが親が寝ている部屋にしか置いておらず、しかも古い機種のためローカルTVのテレ玉で放映していたが録画できないなど苦労したこと、バイト代を貯めて初めてDVDレコーダーを購入して録画した記憶が鮮明に思い出されます。
思い出補正が強いかもしれませんが、作品は本当に素晴らしいのでぜひ見て頂きたいです。
次はシリーズ最高傑作と名高い2期の『魔法少女リリカルなのはA's』について書きます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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ではまた。