![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82124612/rectangle_large_type_2_e81b8753b10efd4a9acb96a16a3556b8.png?width=1200)
動画制作時にヒアリングすべき5つのこと
こんにちは!動画ディレクターのいけだです。
今回は、
「動画制作の仕事取れた!!まずはヒアリング、緊張するなぁ…」
「キックオフミーティングで何を聞いたらいいの?」
という方に向けて、最初のヒアリングで確認しておくべきポイントをまとめてみました。「これは絶対聞いておけ」「これは必ず伝えとけ」という内容ばかりになってます。5000字オーバーの長文になってますが、たとえ話も多いのでさらっと読めますよ!
動画制作をはじめとする、クライアントワークに携わる全ての人に言えることですが…
案件を事故なく制作進行するには、こちらから進行をきっちりコントロールすることが大切です。そのためには、ヒアリングでしっかり要望を引き出し、言うべきことをお伝えして、土台を固めておくことが重要!
そしてクライアントと制作サイド、互いの印象が決まる場でもあります。「頼りになりそうだな」「困ったら相談できそうだな」と感じてもらえるようなヒアリングを心掛けましょう。第一印象、大事ですよ!
これからディレクター目指す方や、仕事取っていこうと考えてるクリエイターさんは、ぜひ参考にしてみてくださいね!
■クライアントの基本情報
![](https://assets.st-note.com/img/1657080096287-rtSYhmVeIH.jpg?width=1200)
基本中の基本ですが、信頼関係を築く上でも大切なポイントです。ビジネスをはじめるには、まずお互いを知ることから!
・担当者名
![](https://assets.st-note.com/img/1657080806460-sbkG31Q9CJ.jpg?width=1200)
メイン担当者はもちろんなのですが、他にメールでCC入れて欲しい人がいるケースは多いため、確認が必要です。
また、「ロゴやアイコンなどの素材はAさん、台本の確認はBさんに聞いてほしい」と、社内で担当分けされている場合があります。適切な担当者に確認を取っていくほうがお互いスムーズなので、ぜひ最初にはっきりしておきましょう。
・連絡方法、ツール
![](https://assets.st-note.com/img/1657080849895-r1yrSub5tM.jpg?width=1200)
メールや電話が基本になる場合が多いですが、最近ではチャットワークやSlackなど、さまざまなチャットツールを使ってやり取りするケースが増えてきました。
最初にきちんと確認し、もしアカウントが未作成だったり、インストールしていなかったりといった場合は、早めに準備しておきましょう。
ZOOMなどを使ったオンラインミーティングがメインの場合は、マイクやカメラテストも忘れずに!
・連絡可能時間帯
![](https://assets.st-note.com/img/1657081182690-loz0St4l9n.jpg?width=1200)
土日祝も出社されているのか、ご担当者はシフト制で休まれているのか、など…クライアントや業界によってお休みの形態は全然違います。
また、「出勤はしてるけど水曜日の午前中は定例会議で忙しいから連絡は避けて欲しい…」という場合もあります。
クライアントの連絡が取りやすい曜日や時間帯を把握しておけば、「電話してるけど繋がらない!」「今忙しいから電話してこないで欲しい!」という双方のストレスが軽減できます。クライアントからみても丁寧な印象になるし、メリットが多いのでオススメです。
同時に、こちらのお休みや稼働日、連絡が取りやすい時間帯を最初にお伝えしておけば、より親切です。
例:「土日はお休みをいただいております。メールの確認は不定期でしておりますが、具体的なお返事は週明けになるのでご了承ください。」
クライアントによっては、「フリーランス?クリエイター?じゃあ土日も関係なく仕事するよね?」と当然のように考える方もいらっしゃいます…。もちろん対応できるならベターですが、自分の体壊してまでやるのはNGですよ。最初にきちんと握っておくことが大切です。
■制作目的
![](https://assets.st-note.com/img/1657080153465-2aTQYkdEtL.jpg?width=1200)
分かりやすく言うと、なんで動画を作るのか?ということです。この目的に合わせて、クリエイティブの方向性を落とし込んでいきます。
ときには先方のご相談とは全然違うことをご提案する必要があるかもしれません。目的をしっかり引き出しましょう。
・制作背景
![](https://assets.st-note.com/img/1657080599516-is4zb1xwgI.jpg?width=1200)
なんの理由もなく「よっしゃ動画作ろう!」という企業さんは、ほぼいません。なにかしらのきっかけがあるはずです。
例
・LPに載せる動画が欲しい
・来月の展示会で使用したい
・営業ツールとして使いたい
・SNSで広告出したい
などなど。「なんで動画作ろうと思ったのか?」「どんな動画欲しいのか?」ってところを聞きましょう。そして制作背景の裏には、必ず「目的」があります。
・使用目的、シーン
![](https://assets.st-note.com/img/1657080556143-k8WcRMvzCc.jpg?width=1200)
頭に叩き込んでいただきたいのですが、クライアントは動画を作りたくて発注するわけではありません。集客・マーケティング・営業・採用などの企業活動の中で何か問題があり、その解決のために動画を頼んでいるのです。
つまり、動画を使って成し遂げたい目的があるはず。認知度アップ、理解促進、購入者フォロー、社内教育など・・・・目的によって作るべきコンテンツが変わります。
例
・LPに載せる動画が欲しい=集客を成功させたい
・来月の展示会で使用したい=目に留まる動画が欲しい
・営業ツールとして使いたい=説明は動画に任せて商談に集中したい
・SNSの広告として出す=認知度を高めたい
など
クライアントが作りたいものと目的と一致していないケースも結構あります。制作背景と合わせてしっかりヒアリングして、クライアントが作りたいものと使用目的が合っているか、しっかりすり合わせて考えましょう。
【いけだの過去事例】
過去お引き合いをいただいた際、「社員間でのアイディアを出しあうきっかけとして、新商品のプロモーション動画を作ってYouTubeに上げたい」とご要望いただいたことがあります。
気持ちは分かるのですが、「YouTubeに上げて社員間でのアイディア交換って捗りますかね…?」「社員に向けてプロモーションしてもあんまり意味ないですよね?」と切り込みました。
いろいろありましたが、そのときは動画メインではなく、社員間で行うアイディアソンのイベントを企画提案しました。このあたりのお話は、機会があれば改めて。
・配信する媒体、使う場所
![](https://assets.st-note.com/img/1657080666392-TCaM4TDoaJ.jpg?width=1200)
配信する媒体とは、動画を置く場所と考えてもいいでしょう。各SNSやプラットフォーム、HPやLPで使うケースもありますね。
注意すべきは、使う場所によって動画の仕様も変わってくるのです。
たとえば画面比率。
通常、動画の画面比率は16:9ですね。
でもSNSでの使用をメインに考えているなら、何も考えず16:9でいくのはちょっとまずいです。Twitter、Instagram、TikTokなど、媒体によって動画の画面比率は異なるからです。もしイメージ沸かない人は、いますぐアカウント作ってみにいきましょう。
また最近は、スマホファーストで縦型の動画を制作する場合も増えてきました。ペルソナがスマホメインのユーザー想定なら、9:16を優先して作るべきかもしれません。
そのほか、音量や字幕の出し方、はたまた台本の構成にも影響してきます。しっかり固めておきましょう。
■動画のクリエイティブの方向性
![](https://assets.st-note.com/img/1657080231621-YWayVNZ6dg.jpg?width=1200)
制作目的と合わせて、動画の要件に関わる重要なポイント。クライアントのイメージと実際に制作するものの方向性を固めていきます。クリエイティブの引き出しやセンスを、存分に発揮しましょう!
・他の動画やツールとの整合性
![](https://assets.st-note.com/img/1657080718718-MAvikudevL.jpg?width=1200)
意外と多いのが、「他に制作しているクリエイティブと統一してほしい」という要望です。
例
・会社のオリジナルキャラクターがいるのでそれを使ってほしい
・すでにYouTubeで動画をアップしているので、フォントや色使いはこれに合わせてほしい
・展示会で使うので、他の印刷物やパネルと統一感のある印象にしてほしい
など
よほどのことがなければ、かなえてあげたい部分ですね。
ただし、先方から素材を支給してもらう必要がある場合は「編集にふさわしい形式できちんとご支給いただけるか」聞いておきましょう。
ロゴやイラストならai形式、写真なら高解像度なJPEGやPNGなどが理想ですよね。
編集終盤で発覚して大変な目に合うのもイヤなので、早い段階から支給いただけるようジャブ打っておきましょう。会社によっては、ご担当者は持っておらず、「広報や総務に聞きにいかなきゃいけないから時間がかかる!」ってこともよくあります。
【いけだの過去事例】
「キャラクターの画像はこれ使ってください!」と送られてきたのが、
・300pixしかないJPEGだった!
・パワポに貼り付けられて自動圧縮された後の画像だった!
・aiでもらったけどファイル壊れてた!
など…いまだにめっちゃある…
・参考イメージの資料
![](https://assets.st-note.com/img/1657081230146-bWZ0xFWwCl.jpg?width=1200)
作ってからの「こんなはずじゃなかった!」をグっと減らす方法として有効なのが、クライアントの好みの作品を教えていただくことです。カタカナでいう「リファレンス」といったところでしょうか。
「ダサカワな感じ!」
「流行を感じる雰囲気!」
「フォントは丸っこいのがいい!」
「キレイ目でシンプルに仕上げて!」
「ポップで可愛いけど大人っぽいのがいい!」
など、文字や言葉ではイメージしづらいことってありますよね。
でも、参考資料として実際に「いいなと思った作品」を示してもらえれば、一目瞭然です。
YouTubeやVimeoなどのアドレスを共有しあうのが早いでしょう。動画に限らず、リーフレットやWEBのデザインでもいいですね。
早い段階で、クライアントとの共通イメージを持っておくことが非常に大切です。
ただ、クライアントの中にはクリエイティブに慣れてないクライアントさんもいらっしゃいます。
「そうは言っても、よくイメージ沸かないよ…」
「探すのも大変だし…」
「発注してるんだから、そっちから提案してよ!」
というケースもよくあります。これはクライアントからすれば当然ですよね。そんなときは、こちらからいろいろ動画を見せてあげましょう。
「アニメならこんな感じがいいのでは?」
「実写のこんな構成おすすめですよ」
など、参考イメージを見せながらクライアントの「これこれ!」「そうじゃない!」をたくさん聞いて、目指す方向性をチューニングしていきます。
そのためにも、自分の制作物をまとめておくのはもちろん、日頃からアンテナを張っていろんな企業のプロモーションやクリエイティブを観て、引き出しをストックしておくことが大切です。
・コーポレートカラー
![](https://assets.st-note.com/img/1657081267939-Tj3u8w3nXQ.jpg?width=1200)
企業の中には、コーポレートカラーを明確に設定している場合があります。
コーポレートカラーとは、会社や組織のイメージカラーと考えてください。
例えばコンビニ。「ブルー系のアレ」「グリーン系のアレ」「ミックスされてるアレ」で、なんとなくどこの会社を示すのか分かりますよね。
コーポレートカラーは、社内外で自社を印象付けるためにとても重要なものなのです。だからヒアリング時に
・コーポレートカラーの有無
・有る場合は、コーポレートカラーは使用すべきか?
という2点は、しっかりと確認しておきましょう。
※コーポレートカラーとまではいかなくても、ロゴや企業HPでよく使われている色を使ってほしい、というケースもあります。ヒアリング前までに必ずロゴとHPは確認しておきましょう。
・ナレーション、字幕の有無
![](https://assets.st-note.com/img/1657081313284-yBbTN8svo3.jpg?width=1200)
ナレーションや字幕の有無は、動画の印象はもちろん、演出面や編集において大きく影響します。
ナレーションがあったほうが、視聴者の印象に残りやすく、伝えられる情報量が多くなるというメリットがあります。
ただ、SNSなどの媒体によっては、視聴者が耳で聴くことを想定していない場合があります。じゃあ、せめて字幕は入れてあげたほうがいいかな…など。
また動画の演出によっては、期待感を煽るためにナレーション無しのほうが効果的な場合もあるでしょう。
これは聞き出すというより、こちらからご提案してあげたほうがいいケースが多いです。ヒアリング時には確定できなくても、台本を作り始める前の段階までには決めておきたいですね。
■予算
![](https://assets.st-note.com/img/1657080344698-ITXZKs23g6.jpg?width=1200)
お金のことは本当によく揉めます…最初に必ず握っておきましょう。
予算の範囲でできる制作のご提案とお見積書を出すのがベストです。
また、追加費用が発生するケースも伝えておくといいですね。
たとえば、「絵コンテ作成に入った段階で、台本になかった要素を追加する場合は費用かかります!」など。
以前こちらのnoteでもお話しましたが、台本は動画の設計図。大本となる設計図がひっくり返されては制作も進みません。
予算が決まっている分、追加費用には敏感なクライアントが多いです。最初からきちんとお伝えし、各工程でしっかり確認していただくようお願いしましょう。
ただ、中には「これやるためには○○万円必要だけど、予算内では無理だよ…」ということも出てきますよね。。このあたりは交渉が必要なケースですが、具体的な方法はまた別の記事でご紹介していきます。
■納期
![](https://assets.st-note.com/img/1657080429682-UZIFZgQYD0.jpg?width=1200)
動画制作の上で、「いつまでに必要か」というゴールを決めるのは重要です。
スタートとゴールを明確にしないとスケジュールは引けません。
スケジュールが引けないと、各工程にどれくらい時間を割けるのか、クライアントのフィードバックをもらうまでどれくらい待てるのか、判断ができません。
納期を聞いた上で逆算し、制作サイドから積極的に進行スケジュールをコントロールしましょう。
どれくらいで次のアクションがあるのか、完成までにどんな作業が必要なのかをクライアントがイメージできれば、信頼感を築くことにもつながります。
納期があまりにシビアな場合は、品質を天秤にかける判断も必要です。そのあたりのお話は、また別の機会に。
まとめ
動画制作のヒアリング時に絶対聞くべき5つのポイントをご紹介しました。
5つとかいっときながら、めっちゃあるやんけ…!ごめんなさい!
でも1つずつ確認していくというよりは、クライアントと話の中で分かってくることも多いです。まずはきちんと話しをし、信頼を得ること。これがヒアリングでは一番大切なことだと思います。
そしてヒアリングの中で、どうしても受けられない要件も出てくると思います。そういった際には、こちらから「交渉」が必要になりますが、これがまた難しい…でもある程度のセオリーはあるので、また追って更新していきますね!
ほかにも「こんなときはどうしてるの?」という質問や、「こんなケースがあった!」という報告(という名の愚痴)があればぜひ教えてくれたら嬉しいです!
Twitterもやってますので、ぜひ遊びに来てください◎