【先生備忘録①】泣きたくなるほどうまくいかない経験のない先生はちょっと心配。
教員時代に体験し学んだことをつらつらと書こうと思います。思い出すまま、気ままに書きます。どなたかの何かになれば、嬉しいです。
①泣きたくなるほどうまくいかない経験のない先生はちょっと心配。
素直でかわいい子どもたち、この仕事は天職です。毎日薔薇色です。
そんな先生のこと、少し心配です。
誰かをばかにするつもりも、脅すつもりも、偉ぶるつもりもありません。
少し強い言葉になるかも知れませんが、私の経験からの考えを書こうと思います。
さほどの経験値もなく、知識もないような人間の手のうちに入ってしまうくらい行動が単純で、そんな人間の雑な指導によって強制されて正しい道を歩むくらい簡単な人生を生きている子どもはいません。そして、そのように軽んじられていい子どもはいません。
それでも、さほどの経験値も知識も指導技術ももっていないような人間が子どもの集団を掌握する場合があります。多くの場合、大人という立場(大きさ、力の強さ、社会的な地位など)を利用してねじ伏せているだけです。
これは、自分に痛いほど経験があります。
日々の教科指導はもちろん、生活指導も全く上手くできていなかった思い出したくもないような、子どもたちに本当に申し訳ない初任時代を過ごしました。しかし、今となってはそう振り返ることができる黒歴史も、当時は失敗しているという感覚すら持ち合わせていませんでした。特段の反省もなく過ごしていたのです、おそろしいことに。残念ながら、私は大人という立場を利用して学級を掌握している(気になっている)だけにも関わらず、そのことにすら気づいていなかったのです。
初任時代の過ちに気づいたのは、2年ほどあとでした。
再び担任した高学年。暴力について指導した(つもりだった)児童が再び目の前で暴力を振るい、それを止めるために彼の服を強く握ったとき、その手を振り払われた瞬間、絶望的に実感しました。
私の”あれ”らは指導ではなかったのか。
私の”あれ”らは、彼らに気づきを与え、行動の改善を促すものではなかったのだ。
私の指導は大人をかさにきた、ただ強制であったのだと。
その証拠に、彼は私の言葉を聞きもしないじゃないか。
その学級、学年はいろいろな配慮を要する事柄に加え、私のお粗末な指導もどきによってなかなか落ち着くことはありませんでした。本当に苦い思い出です。子どもたちのことをかわいいと思っていた。成長を心から祈っていた。しかし、私には指導技術がなく、またその願いは非常に浅はかだったのです。きっと、子どもを子どもとみなし、どこかで子どもたちのことを掌握できる相手だと軽んじていたのでしょう。
それでもそれ以後は、その雷に打たれた経験により、私の指導はそれまでの「子どもに対しての大人の強制」ではなく、少しずつ「人間と人間の対話」に近いものになっていったと思っています。
きっと、私のように愚かに子どものことを軽んじて大人をかさにきた強制を繰り返し、子どもからの報復を受ける、なんていう経験をせずとも、人間を人間として尊重していればいい話なのでしょうが。経験していないことを知ることは難しいのだと、自分への慰めも含めて思っています。
間違いなく、雷に打たれる前、私は残念な先生でした。周りから指導を受けたり、問題のある教員として扱われることはないけれど、(一人で一つの学級を担任する場合、意外と一人ひとりの先生の指導は周りにはわかりにくいものです。よほど目立つ場合を除いて。ましてや、その先生の思想まではなかなかわかりません。)間違った考え方。
自分の失敗から僻んでいるわけではないのですが、子どもを素直だ、かわいいと盲信している人にこそ起こりうることだと思うのです。そして、その子どもにてのひらを返されたときに戸惑う。てのひらを返すなんて当然のことです。いえ、むしろてのひらを返すという言葉すらおこがましいですね。彼らは彼らとして集団の中の唯一の大人を評価しているだけです。
子どもはかわいくて素直なんかじゃない。ただ体の小さな人間です。それを冷静に理解してないと、子どもの様々な行動に対応できない。その子のためになる行動は何かを考えることができない。
確かに子どもに対応する、特化した指導技術はありますし、それを知ることで教員としての能力は上がります。しかし、結局は人間と人間ということをわかっていない人の指導は、日々の言動の端々に何気ない態度に、その人の思考が現れます。
へらへら笑って、子どものこと舐めてるお前、痛い目見てから出直せや。
このnoteを書くに際して、過去の自分の頬をひっぱたきたい気持ちでいっぱいです。
苦かった経験も、謝りたい過去も全てこれから私の関わる全ての人たちへ返していきます。本当にごめんなさい、ありがとう。
お読みいただきありがとうございました。
こんな風に恥を晒しながら考えをまとめていきたいと思います。
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