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指導のときのミニ技⑤短い褒め言葉

元小学校教師、現オンライン日本語教師の私の備忘録です。
何かのお役に立てば幸いです。

⑤短い褒め言葉

④言葉を削るで、ときにはどんなに短い褒め言葉であっても学習者の思考や理解の妨げになることがあることを書きましたが、やはり褒め言葉は積極的に使っていきたいです。

小学校教員時代、大勢を前に授業するので、一人ひとりに満足に声をかけることが難しい場面がたくさんありました。そのときは目線だけでも、肩にふれるだけでも、という思いで行っていました。
あなたのことを見ている、あなたが頑張っていることを知っている、というアピールは学習者に安心感、ときには勇気を与えると思っています。以下、私が意識して行う褒めアピールです。

・笑顔
・頷き
・グッドサイン、オーケーサイン など
・うん。はい。そう。
・いいです。
・せいかい!
・すごい!
・すばらしい!
・かんぺき!
・褒め言葉の前に名前を呼ぶ   etc...

大人であっても子どもであっても変わりません。ときにこのような分かりやすいアピールは、大人にとって照れ臭かったり逆に恥ずかしいのでは、と思うこともあるかもしれませんが、私はたとえ大人であっても認められる瞬間、自分のしていることが肯定される瞬間は嬉しいものだと思います。むしろ子どもの頃と違い、大っぴらに褒められることは、少ないかもしれません。今自分の向き合っていることに対する、前向きな評価はいつになっても嬉しいものです。

褒め言葉の意味は、初めてこれらの言葉をかけたときに伝えます。拙い媒介語で褒めることもありますが、そんな褒め言葉たちも、どんどん日本語に移行していければな、と思います。

全5回の学習者に対するミニリアクションでした。
読んでいただいてありがとうございました。

学習者にどんな理由や背景があろうと、外国語を学ぶ時間は自分の行動を肯定して欲しいという願いから、このように考えています。これは、様々な問題を抱え、(ときには通えないこともありながら)学校に通おうとする子どもたちのその気持ちをまずは認めることにルーツがあるようです。

何かを伝える立場にいるものとして、まずは相手の存在肯定を様々な場面で積極的に行いたいです。

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