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どうしよう。書籍化の連絡がきてしまった

今日は平日ですが、仕事は休みだったので、家でパソコンを立ち上げて新しい小説を書いていました。

私は学生時代に小説を書いていました。高校時代はノートに書いて授業中にそのノートをまわしていました。みんな物理の授業がつまらない時とかに、私のノートを読んで暇つぶしをしていたんです。本や漫画を読んでいたら先生にばれてしまう。でも授業中にノートを開いているのは当たり前です。だから私の小説ノートは先生に見つかることもなく、友達の間をぐるぐる回っていました。

他にすることのない授業中の暇つぶしですから、私の小説が面白いかどうかはあんまり関係がありません。だから私も安心してノートを友達に見せました。何か面白いものを書いて。そう言われたら読ませることはできなかったと思います。今も昔も、私は気が強いわりに自信がないのです。

高校卒業後も小説を書いていましたが、どこに発表するわけでもなく、誰に読ませるわけでもなく、ただパソコンで書いて、プリントアウトして、時折自分で読み返すだけの、自分だけの物語でした。


仕事が忙しくなって小説を書くどころか読むこともできないような日々が続き、私は自分が小説を書いていたことも忘れてしまいました。私の書いた物語は、どこかに行ってしまいました。

仕事が落ち着いて生活に余裕が出てきたとき、私は「小説家になろう」に出会いました。仕事ばかりしていたので、そんな素敵なサイトができていることに、まったく気が付かずに生きてきたのです。
そこには読んでも読んでも終わらないくらいたくさんの物語がありました。コミカライズ作品の続きが知りたくて読み始めた小説や、ランキングが高い小説、タイトルが面白そうな小説。いろんな小説であふれかえっていて、それが無料で、好きなだけ読めるのでした。

私は視力が下がるほど読みました。

面白い話も、変な話もありました。面白くてどんどん読み進めていたら、途中で終わっていて愕然とした話もありました。完結済と書いてある作品を選んで読まないとそういうことが起こると知った私は、気を付けるようになりましたが、それでもうっかり中断している作品を読んでしまい、最後の投稿が数年前だったりすると、夜中に叫びそうになったりしました。


この面白くて楽しい小説は、プロの人もいるみたいだけども、基本的には趣味で書かれたもののようで、それにも驚きました。

そして、自分がかつて小説を書いていたことを思い出して、自分も書いてみたいと思ったのでした。


再開して最初に書き始めた物語は、まだ完結せずに下書きのまま眠っています。私が初めて最後まで書いた小説は『騎士団長と分隊長はセフレになった
(その後いろいろあって結婚しました)』というお話しです。変な話ですが、私は自分が作品を完成したことにとても満足しました。

それから何作か書きました。文章から離れていた期間が長かったせいか、書きたい単語が思い出せなかったり、頭に思い浮かんだ情景が文章にならなくてもどかしかったりすることがありました。途中でなぜか続きが書けなくなってしまう話もあり、中断していた話の続きが突然書けるようになって一気に完結できることもありました。

そして、私は自分の書いた小説を誰かに読んでみてほしいと思うようになり、恐る恐る小説を投稿してみることにしたのです。
私は自分に自信の無い人間です。
誰かにつまらないと言われてしまったら、ショックを受けて小説を書き続けられなくなるかもしれません。
でも私は気が強い人間です。
ただで読んでいるのだから、つまらなくなったら読むのをやめればいいじゃない。とも思いました。

だから私は感想欄とレビュー欄を閉鎖して、恐る恐る小説を投稿しました。


それが第一作の『恋人を造る魔法使い』です。
下書きの状態で完結させてあったので、びくびくしながらすべてのエピソードを投稿しました。

すぐにアクセスがあり、一晩たったら評価ポイントやいいねが付いていて、私は驚きました。誰かに読んでもらえて、反応があるのがとても嬉しかったです。

私は新しい小説を書いたり、書きかけの小説を完結させたり、完結している小説を手直ししたりして、作品を投稿しはじめました。

日間ランキングや週間ランキングに入ったりして、嬉しくてたまりませんでした。私が面白いと思ったものを面白いと思ってくれる人がいることが、とても嬉しかったです。

そして、投稿した小説が10作品を超えた時、私は感想欄とレビュー欄を開きました。
感想が欲しかったのです。でも批判はいらないです。でも面白いって言ってもらえたらとても嬉しい。でも批判はいらないです。私は欲張りな自分と臆病な自分で相談して、批判は書かないでくださいと頼んで感想欄を開けるという、なかなかしょうもない折衷案を採用しました。

そうしたら、本当に批判はなしで感想をもらえたんです。
世の中はいい人たちで溢れていると思いました。

私は嬉しくなって、新しい小説を書いては投稿しました。

いろんな人が読んでくれて感想をくれてとても嬉しかったです。
番外編を希望してもらえたり、この後どうなったの?と聞いてもらえることもあり、私は自分が書いた小説について語りたくなってきました。
ここはこういう目的で書いたんです。とか、ここはうまく書けなかったんです。とか、このあと二人はこうなります。とか。

でもそういった裏話的なことは、好きな人と嫌いな人がいるから、どこか別の場所で書きたいと思うようになってきました。

その気持ちを行動に移そうと決めたのは、『貴方を愛することはない。と言われた妻の物語』を書きあげてからでした。
このお話は、初夜で花婿から拒まれるという、よく見かける設定から、どういう話にすると妻が幸せになれるのかを考えて書いた小説です。

主人公も相手役の男性も複雑な性格をしているので、とても書きにくいお話しでした。
同時期に書いていた『浮気者の恋人と別れてやろうと思ったけど。ちょっと記憶喪失になったから別れる前に仕返ししてやる』の主人公がとても単純な性格で書きやすかったため、余計に書きにくさを感じました。

二人が難しいことばかり考えるので、表現しきれているのか全く自信がないまま話を書き上げて、恐る恐る投稿しました。

そうしたらたくさんの人に読んでもらえて、感想もいただけて、私はすごーく自分に自信が付いたのです。

よし!noteに登録して、小説を載せたり、小説の裏話とか、好きな小説の話とかを書いてみよう。「小説家になろう」(私が小説を書くと絶対R18シーンが入ってしまうので、正しくは「ムーンライトノベルズ」)のほうでも小説をどんどん投稿してみよう。

そしていつか、自分の小説を書籍化できたらいいな。

そんな夢を見たのです。


noteはみんなのフォトギャラリーから好きな写真や絵を見つけて自分の文章につけることができるので、とてもワクワクしました。まず『恋人を造る魔法使い』を載せよう。そう決めて、マガジン設定を作って、記事を作り始めたんですが、画像選びが楽しすぎて、なかなか進みません。
本当はnoteでもすぐに完結させたいのに、素敵な画像が多すぎてなかなか選べないのです。

小説の方は少し停滞していました。
『貴方を愛することはない。と言われた妻の物語』を書き終えて、難しかった分だけ疲れていたのと、そのあとに書き始めたクズ男が主人公のコメディタッチの小説が、貴方を愛することはない~と内容が違いすぎて、話が進められなかったのです。
それで貴方を愛することはない~の番外編を書いて、noteをうろうろして、たくさん寝て、今日は平日ですが仕事が休みだったので、急に頭の中に出てきた新しい物語を書いていたのです。

たまにお話しが丸ごと全部どこかからやってきて頭に入って、自分はそれを書くだけ。みたいになることがあります。
今日はまさにその状態で、私は食事もとらずに、頭の中の物語を活字にする作業に夢中になっていたのです。

そしたら、「小説家になろう」の自分のページのメッセージのところに、赤い丸とその中に1という数字があることに気が付いたのです。そこに数字がでるのは初めてでした。

正直ものすごくびっくりしました。
なんかやらかしたのかと思いました。

びくびくしながら見てみると、「企業様からのご連絡」というメッセージで送信者は小説家になろう運営とありました。

へ?
と思って、見てみたらまさかの書籍化についての打診でした。


あまりにも動揺して、頭の中の物語がいったんどこかに行ってしまいました。せっかく6章まで書いていたので、書き上げてから見ればよかったと思いました。

そしてあまりに動揺して、でも私が小説を書いていることは私以外誰も知らないので、誰に相談することもできず、気持ちと考えをまとめようと、noteに書き始めたのでした。

そして書き終わって、今から出版社の人に返信しようと思っています。
ものすごくびっくりしていますし、なんだかびくびくしていますけど、電子書籍化用の20000字を書いて、あとがきや特典の8000字を書いて、書籍化してもらう方向で行こうと思っています。

どうなるかわからないですが、とてもドキドキしています。

そして、書籍化の話をnoteで書いていったらいいかもしれない!
と思っています。ああ、何か変な詐欺ではありませんように。



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