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ラグビーW杯フランス大会#1 わたしの四分割観戦メモ ウェールズ対フィジー(プールC)

 以前に出した電子書籍で、ラグビーの試合の「時間帯別観戦法」を紹介したことがある。

 80分間の試合を20分間ずつに区切って観戦する方法だ。
 私は今でも、この方法でゲームを〝鑑賞〟している。
 ところで、先日行われたウェールズ対フィジーの試合は、好ゲームながらも日本ではテレビ中継されなかったらしい。
 そこで私の観戦メモを残しておこう(観戦はインターネット配信による)。


9月10日 ウェールズ対フィジー プールC
現地時間:21時00分
会場:スタッド・ドゥ・ボルドー
レフリー: Matthew Carley

展望

プールCの状況は以下のとおりである。

オーストラリア 5 残3
フィジー 0 残4
ウェールズ 0 残4
ポルトガル 0 残4
ジョージア 0 残3

プールCは上位3チームによる三つ巴の争いになると思われる。ウェールズとフィジーは実力が拮抗している。この試合はどちらが勝ってもおかしくない。2019年ワールドカップの再戦になる。前回は前半はフィジーが押したが、後半にウェールズがねじ伏せた。

結果

観戦メモ

試合前 英国の皇太子ウィリアムが観戦に来ている(プリンス・オブ・ウェールズ)。フィジーはスタンドオフのベン・ヴォラヴォラが欠場している。

前半00-20分 波に乗るフィジー
ウェールズは敵陣に入った地点でペナルティを得る。PKは10番ダン・ビガーがゴールを狙う。成功。1分、今度はフィジーがペナルティを得る。ハーフウェイライン付近のPKはタッチに蹴り出す。対照的な選択となった。フィジーはラインアウトからトライラインに迫るが倒れ込みの反則。好機を逃す。逆にウェールズは中央付近のラインアウトから大きくラインブレイク。そのままトライに至る。ウェールズの8対0。フィジーは体を当てて前進できている。敵陣からのPKは10番テティ・テラがゴールポスト右に外す。フィジーは強引に体をぶつけていく。乱れたが、自チームのこぼれ球を拾ってブレイクしてトライ。コンバージョンはキッカーが替わって9番フランク・ロマニが蹴って成功。さらにフィジーはラインブレイクからパスをつないでトライを獲り切る。ロマニのコンバージョンも安定している。フィジーの14対8。フィジーが波に乗った。

前半20-40分 押さえ込むウェールズ
ウェールズは敵陣に少し入った位置でペナルティを得る。6点差を追う状況でショットを選択。ダン・ビガーがゴールポストの真ん中を打ち抜く。3点差。ウェールズはラインアウトの好機から短いパスでブレイクしてトライを得る。ウェールズが逆転して18対14。フィジーは敵陣でのスクラムからアドバンテージを得てPKをタッチに蹴り出す。ラインアウトからフォワードでごりごりと押す。反則を誘っているようにも見え、冷静さが感じられる。インゴールに到達するがノックオンの判定。フィジーはぶつかって良し、展開して良しで優位に立っている。38分。フィジーは敵陣でペナルティを得る。ラインアウトから単純にぶつかって行く。これをウェールズがターンオーバー。なおもプレーを継続しようとする味方プレーヤーに対するダン・ビガーの「Get the f*cking ball off!」の叫び声をマイクが拾ってしまう。前半はウェールズが何とかリードを維持して押さえ込んだ。

後半40-60分 突き放すウェールズ、点に届かないフィジー
キックオフからウェールズはペナルティを得る。ゴールを狙うも外れる。ウェールズはスクラムでアドバンテージを得る。その流れからキックパスが成功してトライを獲得する。リードを11点に拡げる。しかし残り時間はまだ30分間もある。ウェールズのダン・ビガーは右腰を手で押さえている。フィジーはラインアウトに失敗する。一方ウェールズは自分たちの形でトライが獲れたことにより冷静さを取り戻したようだ。フィジーは相手のミスキックからラインアウトの好機を得る。アドバンテージを得てスクラムを選択。

後半60-80分 安全圏に入ったウェールズ、猛然と突き上げるフィジー
トライラインを目前にしてフィジーの攻撃が続く。他方ウェールズは反則を繰り返す。レフリーが注意を与える。フィジーはトライラインに到達するもノックオン。得点に届きそうで届かない時間帯が続く。ウェールズはダン・ビガーの50:22のキックで難局を脱出する。フィジーにイエローカードが出ると、ウェールズはラインアウトからのモールでトライを獲得する。コンバージョンキックも成功してリードは18点。67分。安全圏に入った。ここでウェールズはダン・ビガーを下げる。しかしウェールズは時間稼ぎを企てたのか不要なイエローカードをもらう。残り10分。フィジーはなぜか時間のかかるスクラムを選択するが、トライを獲って11点差に迫る。さらにフィジーはボールを横に振ってインゴールに飛び込む。TMOはダブルモーション(反則)の判定でトライは認められない。残り3分。フィジーはペナルティを得るが、ここでもなぜかスクラムを選択。またしてもトライを獲るが、コンバージョンキックは外れる。6点差。残り時間は1分10秒。勝利するには1トライ・1コンバージョンを得るしかなくなった。フィジーは相手にボールを渡せない状況でなぜかキックする。捕球したウェールズも、なぜかキックを返してしまう。これがダイレクトタッチとなる。ウェールズに暗雲が漂う。すでに80分を過ぎている。フィジーがトライラインに迫る。ボールを横に展開する。左タッチ際で待つ14番ランドランドラに飛ばしパスを放つ。前方にスペースはある。しかしワンバウンドして跳ねた球を胸ではじいてノックオン。終了の笛。

今後の展望

暴れる猛獣のようなフィジーを、試合巧者のウェールズが何とか押さえ込んだ。
フィジーは仮に最後のパスが通ってトライに至ったとしても、コンバージョンには成功せず1点差で負けていただろう(ポイントに影響なし)。「もしも」を想像したくなるかもしれないが、私は最後のパスの前にすでに決着はついていたと思う。試合運びの点においてフィジーにはまだ向上の余地がある。
ウェールズは4トライをあげ5ポイントを獲得した。
フィジーは4トライと7点差以内の敗戦で2ポイントを獲得した。
フィジーの次のオーストラリア戦はこの試合に負けず劣らず面白い内容になるだろう。

ウェールズ 5 残3
オーストラリア 5 残3
フィジー 2 残3
ポルトガル 0 残4
ジョージア 0 残3


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井川夕慈
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