子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#12 保険という言葉を使うと、子供を持つことが、よくないことだととらわれないか
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金は保険料、と政府は言う。
それは、何保険の保険料なのだろうか。
なぜ「こども保険」を創設すると言わないのだろうか。
一谷 社会で本当に支えていくのであれば、私は、介護保険という、保険という名前がついたのがよかったなと思っているんですよ。だから、子供保険という、保険という名前をつけてしまって、アイデンティティーを変えたらいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、これは朝の連合審査の意見を聞いて私、今ここで話していますので、回答できなかったらできなかったでいいので、もし回答できましたらお願いいたします。朝の連合審査の答弁も受けてですね。
小宮 お答えいたします。
社会全体で子供、若者をどうやって支えていくかということについては、皆で支えていくということを第一義に、大事に考えつつ、そのやり方、方策については今後議論がされるべきであろうと思っております。
なお、私の理解では、過去の御議論の中で、保険という言葉、特に子供保険という言葉を言葉として使うと、いわゆる保険事故若しくは保険リスク、つまり、子供を持つということが、ともするとよくないことだととらわれないかという御議論があったようなことも承知しております。
いずれにしても、具体的なことについては、今後、まさに我々も含めて御議論いただければと思っております。
一谷 これは質問しませんけれども、今のを聞いていると、じゃ、介護保険は、介護を受けるということはよくないことなんじゃないかという理論になってしまうというふうに思いますし、今回、社会保障費でこれからの保険を、国民皆保険を継続させる、未曽有の少子化を乗り越えて日本を安定させていくということであれば、別に保険という名前の意味合いも変えてしまったらいいんじゃないかなというふうに私は思いますので、これは意見として述べさせていただきたいというふうに思います。
参考資料等
椋野美智子、田中耕太郎『はじめての社会保障 福祉を学ぶ人へ 第13版』有斐閣アルマ 2016年