『ざっくり理解する気候変動2022』 日本の作戦は「電力システムをどうにかする」こと
井川夕慈のKindle電子書籍『ざっくり理解する気候変動2022』より一部を抜粋して公開します。
気候変動から逃れられない世代
遅ればせながら、気候変動について調べてみようと思う。
気候変動は英語で「CC」と略される。〝Climate Change〟の頭文字である。
同じ「CC」でも〝Climate Crisis〟と解するべきだとの見方もある。もはや「変動」にとどまらず「危機」に至っているというわけだ。この場合の「CC」は「気候危機」と訳される。
その「CC」について今さらながら調べてみようと思った理由は二つある。
理由の一。
このところ毎年毎年、気候が昔とは変わったことが実感されるから。
気象庁のウェブサイト「災害をもたらした気象事例(平成元年~)」によれば、二〇一九年以降に絞っても、次のような災害が記録されている(一部省略)。
これを見ると、梅雨から夏にかけては、昔は聞いたことのなかった「線状降水帯」なるものが発生して大雨に襲われ、秋には巨大台風が通過し、冬にはドカ雪が降るということが年中行事のようになっている。気候は明らかに変わった。
理由の二。
この先少なくとも二〇五〇年あたりまでは、気候変動が世界の主要課題になることが確実のようだから。
私事で恐縮だが筆者は一九八〇年生まれの四二歳である。現在が二〇二二年だから、仮にあと四〇年生きるとして二〇六二年までということになるが、自分の残りの人生の全て(少なくとも大半)は、気候変動の影響から逃れられないことが確定していると思われる。
ならば、気候変動の現状とこの先の見通しについて、このあたりで一度腰を据えて集中的に調べておく価値はあると考えたのだ。
◇
以下、大きく次の流れで見ていくこととしたい。
まず気候変動に関する世界の現状認識を確認した後、この事態に世界がどう対応しようとしているかを見る。そして日本における現状を確認し、これに対して日本がどう対応しようとしているかを見る。対策の中心にはエネルギー部門、中でも「電力」があるのでその現状を垣間見てから、最後に全体を総括することとしたい。
(続きはKindleでお楽しみください。)
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