子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#01 加速化プランを支える安定財源の確保策として、社会経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く拠出いただく仕組み
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金制度は何のために創設するのか。
また、どのようなものか。
加藤 ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
少子化は、我が国が直面する最大の危機であり、二〇三〇年代に入るまでがこの少子化傾向を反転させるラストチャンスです。
こうした問題認識の下、昨年末に閣議決定したこども未来戦略では、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援し、共働き、共育ての推進と併せて、社会全体の構造、意識を変え、子供を持つことを希望する方が安心して子供を産み、育てることができる社会の実現を目指しています。
このこども未来戦略の加速化プランに盛り込まれた施策を着実に実施するため、給付面と財政面の改革を一体的に行うものとして、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、加速化プランに盛り込まれた子育て支援の施策や給付の拡充を行うため、児童手当における支給期間の延長や所得制限の撤廃、第三子以降の児童に係る支給額の増額を行うとともに、妊娠期の負担軽減のための妊婦のための支援給付を創設します。
また、子育て世帯を対象とする支援を拡充するため、妊娠期から伴走型で支援を行う妊婦等包括相談支援事業や、保育所等に通っていない満三歳未満の子供の通園のための給付の創設、産後ケア事業の計画的な提供体制の整備、児童扶養手当の第三子以降の児童に係る加算額の引上げ等を行います。
さらに、共働き、共育てを推進するため、両親共に育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付、育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付や、自営業、フリーランス等の国民年金第一号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置を創設します。
第二に、こうした子供、子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定と労働保険特別会計の雇用勘定の育児休業給付関係部分を統合し、子ども・子育て支援特別会計、いわゆるこども金庫を創設します。
第三に、加速化プランを支える安定財源の確保策として、既定予算の最大限の活用等や徹底した歳出改革を行った上で、児童手当等の費用に充てるため、企業を含め社会経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く拠出いただく仕組みとして、子ども・子育て支援金制度を創設します。
具体的には、この支援金を充当する対象事業を定めるとともに、各医療保険者は、子ども・子育て支援納付金を国に納付することとし、その納付に要する費用について、被保険者等から子ども・子育て支援金を、医療給付に充てる保険料と併せて徴収することとします。
また、子ども・子育て支援金制度を段階的に構築していく間、支援金を充てるべき給付に必要な費用に充てるため、子ども・子育て支援特例公債の発行を可能とします。
このほか、施行期日並びにこの法律の施行に関し必要な経過措置及び留意事項等について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行います。
以上が、この法律案の趣旨でございます。
参考資料等
こども未来戦略(加速化プラン)
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)の概要