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『旅のついでに韓国経済』 似ているようで似ていない…隣りの国の経済を学ぶ

井川夕慈のKindle電子書籍『旅のついでに韓国経済』より「はじめに」の一部を抜粋して紹介します。


はじめに

 韓国を初めて訪れたのは、2011年のことだった。釜山へ行った。
 なぜ旅先に釜山を選んだかと言うと、それは《外国であるとはどのようなことか》を体感したかったからである。

 それまでに海外旅行に出たことが無いでは無かった(例えば米国だ)。しかしそれらは、成田から飛行機に乗って、ポンと降り立ったらもうそこは別世界、とでも言うべきものだった。
 話す言葉も違えば、見える景色も違う。気候も同じではないし、通用する通貨も当然に異なる――。
 いわば、《飛行機に乗る》という行為が間に挟まることによって、自分を取り囲むモードが「国内」から「海外」へとデジタルに切り変わるようなものだ。
 しかし、ガガーリンではないけれど、国境とは本来、人為的なのものである。
 だから、国内か海外か、日本か外国か、の二分法ではなく、同じ外国であっても、おそらくは地理的な隔たりに応じて、そこが外国であることの<程度>――<外国度>とでも言おうか――は、アナログ時計の針の進みのように、徐々に変わるはずなのだ。
《一番近い外国》を訪れることによって、《外国になると何が決定的に変わってしまうのか》、また、《何がアナログにじわじわと変わって行くのか》が分かるのではないかと考えた。そして、アナログに変わって行くものがあるとした場合に、そのグラデーションを体感できるのではないかと考えた。

 そこで《釜山に行く》というアイデアが自分の中に生まれたのだ。

(中略)

 本書は、以上のようにして韓国に接した筆者が、韓国経済及び韓国企業について興味を持って調べて分かったことを書き下ろしたものである。
 どうせ外国を旅するのなら、その国の経済のことを知っておいて損は無い。
 当時自分が韓国を旅行したときのことを思い起こして、《もしあの時これだけのことを知っていれば旅をもっと楽しむことができただろう》とか、《これから初めて韓国を旅行する人に向けて、旅をより豊かなものとするために予備知識として伝えることがあるとしたらそれはこういう内容だろう》といったことを意識しながら書いた。
 また、(詳しくは本書で触れるが)地理的にも資源的にも条件が似ている隣国――我が国よりも一回り小さな国――の経済を知ることによって、《日本はどのような国でありえたのか》、《この先どのような国となることを目指して進みうるのか》ということについて、示唆を得られることもあるかと思われた。


(続きはKindleでお楽しみください。)

筆者がおススメしたい韓国ドラマ『ミセン―未生―』(2014年)
これを観たとき、日本のTVドラマは韓国に負けたと思った。
『半沢直樹』などより、よっぽど深みがあると感じるのは私だけだろうか……。


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井川夕慈
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