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気の合わない人にこそ

ご訪問ありがとうございます。
はじめです。

昨日よりちょっとだけ良い人になるための日本思想。
今日のテーマは「気の合わない人にこそ」です。

鎌倉時代に北条重時という人がこんなことを言っています。

我がためのよき人には能々あたり、わろき人にはわろくあたるは、返々くちおしきことにて候。畜生いぬなどこそ、よくあたる人には尾をふりよろこび、又わろくあたる人にはにげほえなどし候へ。人となりぬかひには、よき人には申におよばず、あしき人にもよくあたり候へば、わろき人もおもひなをるにて候。

北条重時 『極楽寺殿御消息』 一部抜粋

自分に良くしてくれる人には優しくして、そうでない人をぞんざいに扱うのは大変残念なことだ。犬ですら優しくしてくれる人には尻尾を振って喜び、ひどいことをする人には逃げたり、吠えたりする。人間として生まれたからには良くしてくれる人には言うまでもなく、そうでない人にも優しく丁寧に対応すればきっと良くしてくれるものだ。

筆者による意訳

どんな組織に入っても必ず出会う人がいます。
それは、気の合わない人です。

組織である以上は気の合わない人とも一緒にやっていかねばなりません。
でも、気の合わない人とはやっぱり合わないので苦労します。

気の合う人と合わない人が同じ行動を取ったら、後者だけムカついたりします。人間の心は理屈では無いのです。

しかし、北条重時さんは気の合う人、合わない人両者に優しくしなさいと言っています。
理由は単純。人は自分に優しくしてくれる人を好きになるからです。

気の合わない相手であっても、自分を好きになってもらえれば相手の方から合わせにきてくれるってわけですね。

どんな相手にも思いやりを持って丁寧に対応することは最強の処世術なのかもしれません。

参考文献
小澤富夫編集・校訂 『増補改訂 武家家訓・遺訓集成』 2003年 ぺりかん社

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