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九月の自選短歌と岡野大嗣さん、枡野浩一さんに選んでもらった短歌
九月の自選です。岡野大嗣さんの「レッツ短歌」と枡野浩一さんの #手紙短歌 に選ばれたのがうれしかったです。 https://t.co/TWYPuwmwUH pic.twitter.com/KkQ1uhHHFG
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 30, 2022
お茶碗にパピコをぜんぶ絞り出し分けあっていた3人兄弟
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 30, 2022
『レッツ短歌!』選:岡野大嗣
ラブレターだとは気づかれないように書いたら長い暑中見舞いに#手紙短歌 選:枡野浩一
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 30, 2022
お茶碗にパピコをぜんぶ絞り出し分けあっていた3人兄弟
性愛にいたる過程と思いつつ両手で受けるきみの吐瀉物
「うざいね」と話しかければ「お前もな」とつっこんでくる関西らしさ
ピストルで頭を撃ってくれますか? ぼくがゾンビになったとしたら
知らんがな・オブ・ザ・イヤーに選ばれた俺のほくろは108個です
生ハムをメロンにのせて美味しいという人みんな無理してないか?
から揚げにレモンをかけて食べてよい 宅飲みという解放区では
蓮根の穴をのぞくと100億のドラえもん型ロボットの群れ
となりから金木犀の香がこぼれきみが眠っているのに気づく
めちゃくちゃに怒られた日は九月でも冷やし中華を食べたいのです
あんぱんはいつでもぼくにやさしくて「おまえはだれだ」と問うてはこない
命から命をつなぐみつばちのように愛したあとの身震い
ラブレターだとは気づかれないように書いたら長い暑中見舞いに
彼岸から此岸にむけて降る雨にしずかに濡れていく曼珠沙華
さびしさをコオロギの音がつれてきて、ひとりで目指すローソンの青
眩しげに海をみているあのひとと輪廻のなかで会った気がする
今月買った本は、フラワーしげる『世界学校』、枡野浩一、内田かずひろ『みんなふつうで、みんなへん。』、枡野浩一『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである枡野浩一全短歌集』、しんくわ『しんくわ』でした。
ドブネズミのように美しくなりたい 金網から飛び降りたブル中野のような美しさがあるから
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 24, 2022
どことなくうさぎの眼をしたハンセンが阿修羅・原を追いかけ回す
狂犬ディック・マードックのタイツが脱げて尻が出ちゃうあの真夏日のやるせなさよ
しんくわ『しんくわ』書肆侃侃房より
初めて好きになった短歌は学生の頃読んだ、
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 30, 2022
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや/寺山修司
だったけど、自分で短歌を作るきっかけになったのは、30代になってから、枡野浩一『ショートソング』と『かんたん短歌の作り方』を読んでからだった。#枡野浩一全短歌集
『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』が出ることによって、多くの人が枡野浩一さんについて語りだした。なーんだ、みんな仲間だったのか!という感じがしてうれしかった。#枡野浩一全短歌集
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) September 30, 2022
『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』より好きな一首をあげておきます。
ハッピーじゃない だからこそハッピーな歌をつくって口ずさむのだ
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