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「塔短歌会十代二十代以外歌人特集」を読む。
ネプリ出しました。#以外歌人 pic.twitter.com/21R2MHXebF
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
感情に値札を貼れば売れるって知ってしまった赤黒い月/中型犬
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
感情に値札を貼れば、が面白い。#以外歌人
くちばしに何か銜へて鵯が屋根の上にゆく何かを見せず/中野功一
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
銜えた何かが知りたくなる#以外歌人
ふっつりと緑の途切れる音がして銀杏並木が色づけばまた/佐復桂
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
緑の途切れる音がして、という発想の妙。#以外歌人
どこにでも浅い水たまりはできて鼻をすすればせせらいでいる/長井めも
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
鼻をすすればせせらぐ、という不思議な世界観がいい。#以外歌人
長男で二郎という名のひとがゐて空に浮かべた〈一郎〉おもふ/宮下一志
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
幼くして亡くなったのだろうか、一郎は。悲しい歌。#以外歌人
ん?みたく振り向かれてはまだ知らない君の名前を呼んだ気がする/丸山恵子
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
付き合い始めのういういしさ。苗字で呼んでいたのが、下の名前で呼ぶようになったのか。#以外歌人
やさしさが煙たい、月をひとつしか許さぬ空に救はれてゐる/森山緋紗
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
優しすぎて、もっと厳しくしてほしい。主体の満たされていることへの罪悪感が感じられる。#以外歌人
リアムよりノエルが歌う曲が合う金曜夜の電車の窓辺/吉岡昌俊
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オアシスの歌だ。主体はノエル派か。わたしはリアム派です。#以外歌人
シャングリラ コンビニへ引かれた腕でいる世の中があたたかくなる/君村類
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冬の夜のコンビニにいくカップルが想像される。コンビニの暖房と恋人の存在で、心も体も温かくなる。#以外歌人
わが歌にならぬものらが傘さして通り過ぎるを窓に見てゐつ/近藤由宇
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
雨と窓とカップルたちが主体が世界の外にいることを自覚させている。#以外歌人
日傘ごと歌びと君へ雪崩れゆくああ破滅なら「はめつ」のままに/小林純子
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激しくかつ甘い破滅。はめつと開いたことで深みがでた。#以外歌人
予報などはなから信じてないきみがずぶ濡れで来るのがたのしみで/榎本ユミ
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ずぶ濡れで来ることにより、ドラマチックな恋の風景になる。#以外歌人
玄関に置かれたきみの夏帽子 潮風に飛ぶ明日を待ってる/丘光生
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夏帽子、潮風、明日という3つの連なりがよい。#以外歌人
帰りたい街があるのに信号は待てども待てども赤のままで/大橋春人
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強い望郷の念があるのに帰れない。主体の苦しみが浮かびあがる。#以外歌人
暗闇を抱いてる君が好きでした見えない部分をいくつも残して/北山順子
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
君のすべてを見ることは、不幸か幸福か。恋愛における哲学的問い。#以外歌人
ネルドリップのコーヒー落ちてそこだけが湖底のやうにしづまりかへる/千原優作
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
湖底のやうに、がいいですね。#以外歌人
きょうは塔の十代二十代以外歌人特集を朝にプリントして、昼に初見で17人の方の歌を一首ずつ引用して、感想を書かせてもらったが、いい修行になった。皆さん歌が凄くて一首にしぼるのが難しかった。
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
読み返すといい加減な感想ばかりだが、修行の身ということで許していただきたい。❤️
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
ネットプリントの「塔短歌会十代二十代以外歌人特集」から一人一首選んで一言コメントを書きました。17人の方が参加されているのですが、どの歌もレベルが高くて、「結社のひとはすごい」と思わされました!一首評をたくさんこなすのが、こんなに大変だとは思いませんでした。工藤吉生さんとか鈴木麦太朗さんとか、よくやっておられるのですが、彼らのように的確なコメントを書くのがいかに難しいことかを体感しました。いやー、疲れた疲れた。
たっぷりとアイス カフェ オレ手に重く此岸に蝉の声を聞きをり/佐藤涼子
— 鹿ヶ谷街庵(ししがたにがいあん) (@ikasamabakuchi) October 14, 2022
此岸にいきることの喜びと重みと二つの思いがある。#以外歌人