『敵』、モノクロームの危うさ
川崎で映画『敵』鑑賞。筒井康隆の原作も面白かったし、監督の吉田大八が解釈した映画版も非常に良かった。「敵とは何なのか」とか小説からの改変部分とかいろいろ面白い部分はあるけども、瀧内公美をこれまでで一番美しく撮った映画なんじゃないだろうか。『火口のふたり』よりこっちのほうがよっぽどエロティックだと思う。
丸善で前から気になっていたハン・ガンの『菜食主義者』を購入。
2,420円はなかなか痛い出費だけど、1ページ目でピンと来たのでもう買うしかない。半藤一利の『昭和史 戦後篇』を読み終わったら読もう。というか欲しい本がいっぱいだが「積ん読」するほど懐に余裕はない。
『敵』の影響かモノクロで撮影。と言いたいところだけど、まずはカラーで撮ってあとでモノクロ可した。脳がモノクロになっていたのは確かだけど。
『敵』を読んだり観たりする前から感じていた「老い」とか「死」ってものをよく考える。「まだ46歳でしょ?」と言われるけど、老眼はひどいし(写真撮る人間からすると非常にめんどくさい)四十肩にでもなったのか右肩がなんか変だし。
荒木経惟だったかな、「あんまりモノクロばっかりで撮ってると危険なんだよ」みたいなことを言ってたのをぼんやり覚えてる。ライカのモノクロ専用Mのモノクロもいいんだよね。それは違う意味で危険か。