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コスパ最高の感動。映画「モンスターズ・ユニバーシティ」(感想)

 初めてモンスターズ・インクを観てから何年経ったろう。前回モンスターズ・ユニバーシティを観てから何年経ったろう。

 前作モンスターズ・インクはキッズを怖がらせたエネルギーを生産・販売する業界最大手企業でブイブイ言わせている(言わせてたっけ)職種「怖がらせ屋」のコンビ、マイク(一つ目の黄緑)とサリー(大きいモフモフ)がぶーちゃんという人間の女の子となんやかやあってあったかい気持ちになる映画だ。

 続編「モンスターズ・ユニバーシティ」はねえ! 良いのよ!! もうレンタルするのだって2回目だから知ってるけど!! 

もう胸が熱い

 まだ幼いマイクが工場見学でモンスターズ・インクに来るところからこの映画は始まる。マイクはクラスメイトからあぶれて先生と見学。それでもキラッキラにかっこいい「怖がらせ屋」の姿をみて、キラッキラに花開く笑顔。(守りたい、この笑顔!) 

 ちょっとここで口を挟むけど、いい?! これ、CGなの! 守りたいこの笑顔はツルっとした黄緑のおにぎりなの! なにこの可愛さ。ピクサー凄い。そろそろ人間は本当に創造主の領域に踏み込んできてるんだなって思うよ。

 嬉しさMAXでつい先生の言いつけを無視してしまうマイクに周りは慌ててるけど、最高にクールな怖がらせ屋の仕事姿で頭はいっぱい。プロの怖がらせ屋はマイクを叱ることなく、そっと自分のキャップをかぶせてウィンク。その帽子には「M(モンスターズ) U(ユニバーシティ)」の文字。 ‥かっっっこいい――‥‥わたし、怖がらせ屋になる!!わたしも、モンスターズユニバーシティでたくさん勉強して、すごいすごい怖がらせ屋になる!!

 ここまで5分。一時停止して確認したから間違いない。工場見学へ行くというひとつのシチュエーション、その一挙手一投足でマイクの幼少期が一様に想像でき、マイクの憧れと完全にシンクロしたキラッキラの気持ちでオープニングクレジットに入っていく。タイトルが出るころにはもう1,800円のもとが取れてるといって過言ではない。いやレンタルだからむしろ1,700円儲かっているのでは?!

あの大きいモフモフは、このスケスケ紫は

 モンスターズ・インクに登場した主要な面々との出会い。目の前のモンスターたちがこれからどんな経験をして、モンスターズ・インクでよく知ったあの彼らになるのかと、その過程に思いを馳せるだけで感動がこみあげてくる。大学へ入学したての彼ら、社会人になり怖がらせ屋として活躍する彼ら。その時間の差分を推し量るだけで泣ける。あと半分以上残っているが、これ以降観る必要がないくらいに想像で泣ける。

 あとは答え合わせだ。彼らの冒険をたっぷりと観よう。既に十分泣いたから、あとは楽しむだけ。青年期という繊細な期間を、どんな葛藤を抱いて、どんな仲間と手を取り合い決裂し、乗り越えてきたのかをじっくり見守る。むくむくと押し上がる感動をこらえ、乗り切ったと思いきや「これからの彼ら」への想像かき立てるエンディングで心臓を串刺しにされ、号の泣。

まとめ

 まずはモンスターズ・インクを観て、彼らと十分友情を育んでから本作を観てほしい。冒頭の5分で感動に打ち震えるはずだ。前作を知っているからこそ、時点と時点の間を空想で埋めようとする。その空想にこそこの映画の感動が詰まっている。

 青年よりも大人になってお金の勘定が得意になったいまこそ観たい、2作借りてもなぜか儲かるモンスターたちの冒険譚。きっとまた数年後、彼らと出会い直しては同じように涙するだろう。

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