精神病質(サイコパス)
かつて、世の中にまだ依存症とかアディクションという言葉がなかった時代、アルコール依存症は慢性酒精中毒と呼ばれ、入院患者には肝機能障害と「精神病質」という診断名がセットでつけられていましたね。
薬物依存症は覚醒剤中毒や有機溶剤中毒と呼ばれ「薬因性精神病」や「精神病質」がセットでつけられていました。
「精神病質」??? なんだそりゃ? と思われる方々が多いかと思いますが、ある意味古典的疾患の名称でちゃんとした診断名として使われており、Psychopathy(サイコパチーとかサイコパシー)と呼ばれていました。
ん? あれ? 「サイコパス」のこと? と思われる方もいるかと思いますが、サイコパスはサイコパシーを持つ人のことを言います。つまり精神病質患者のことをサイコパスと呼んだわけです。
ところが、いつからかサイコパスという言葉がひとり歩きし拡散し、イメージが先行し誤解もされていますので、ちょっとだけサイコパスについて再考して紹介してみようと思います
当時の精神病質概念は精神科疾患が今より大雑把なとらえられ方がされていたという背景もあり、かなり大雑把で曖昧なものでした。
どちらかと言えば病気というよりも「どうしようもない救いようのないけしからんヤツ」という、人としてどうよ!?というニュアンスが大きかったと思います。
昔の古典的精神科疾患の診断名は少しずつ使われなくなり消滅していったものもありますね。
今は精神病質という診断名は使われなくなっており、パーソナリティ障害に含まれ、とりわけ反社会性パーソナリティ障害と非社会性パーソナリティ障害を足したようなもの……というのが、かつての精神病質に近い診断となっております。
つまりサイコパスはすでに精神科医療からは消えているのです。
……でね、なぜ依存症者に精神病質という診断がセットでつけられていたかというと、当時は依存症者は「ジコチューで、他者配慮できないし、ひとの話は聞かないし、共感性ないし、人の気持ちわからないし、自分の都合でしか動かないし、想像力ないし、嘘しかつかないし、絶対に自分の非を認めないし、融通聞かないし、超頑固だし、こだわり強いし、偏屈だし、やたら口ばかりだし、言い訳ばかりだし、都合が悪いと黙るし、すぐ怒るし、共感性はないし、道徳観も倫理観も欠如した、人として大切なものが欠落した、どうしようもない救いようのない奴」と認識されていたからです。
それらが精神病質という診断に集約されていたのです。
わかる方にはわかるかと思いますが、上述の「なぜ依存症者に精神病質という診断がセットでつけられていたか」をご覧になって、ん? あれ? と思った方々もいらっしゃると思います。
そうです、精神病質の特徴を丁寧に検証していくとある疾患や障害の特性と重なるところが大きいのです。
精神病質がまだ生きていた頃、逆にある疾患や障害は全く注目されず、むしろなかったと言えます。
ある疾患や障害は何かと言うと………
はい、ここからは有料記事になります(^_^;)
ダメ?(^_^;)
まぁ、そういうことです(^_^;)