歩けない僕らは
映画「歩けない僕らは」を配信にて視聴しました。感想を好きなように語ります。※映画の内容も含まれます。
「元の人生に戻れますかね?」
実際にこのような言葉に出会う場面があるけど、一気に自分の中で緊張感が走る。返事に迷いがあったら不安を煽るだけだし、専門職として堂々と返答すべきなんだろうけど、適切な返答は個々の背景とか、どのように現状の自分を捉えているかにもよるから、明らかな答えなんかないんだろうなとも思う。
主人公の新人理学療法士は患者さんのことを第一に真っ直ぐに考えられるタイプなんだろうなと思う。私自身就職するまで人に興味を持てるかが1番不安に思っていたので、辞めてしまった同僚の気持ちも分からなくはない。同僚のことを「逃げ」という言葉で表すのは違うよ、主人公よ!って言いたくなったくらい。自分ではなくて患者さんのことを第一に思い、人生を背負うなんて烏滸がまししいけど、それくらいの熱量を注ぐのって簡単なことじゃないと思うし、療法士側の好みも得意不得意も必ずあると思う。でもこの職業である以上、患者さんの人生と向き合う覚悟が求められるのもまた事実である。自分の人生を考えた時に、より自分らしくいられるのが理学療法士以外の人生にある可能性を感じるのなら、辞める道もあって良いと思うし、その勇気も尊重されるべきだと思う。(急に辞めるのは組織としては痛いと思うが。)
映画は〝愛〟〝好きな気持ち〟〝言葉を伝えに行く〟ことが歩くことに意味を持たせ、主人公がストレートに患者とぶつかっていくことで、患者が意味のある作業に繋がるという点でリハビリに参加できるようになった例だと考える。歩いたら何をしたいのか。これを考えている理学療法士さんは作業に焦点を当てた介入にも耳を傾けてくださるし、PTとOTの連携が上手くいく印象だ。
以上で感想は終わり。37分という短編のため、深く語られてない部分もあり、それぞれの思いや背景等色々考えさせられました。