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作業療法士のための事例報告のまとめ方を学ぶ&事例検討会に参加して

作業療法士のための事例報告のまとめ方を学ぶ&事例検討会に参加しました。リアルタイムで参加し、もう一度聞きたいところをアーカイブで視聴しました。本当にアーカイブ便利です。ありがとうございます。

自分が印象に残っていること、思っていることを言語化しておきたいと思ったので、noteに残します。


身体障害領域:急性期の事例

私自身ずっと急性期にいるので、これはとても楽しみにしていましたし、とても良い刺激を受ける内容でした。

非構成的に対象者の作業歴や人となりについて評価を継続する

病態が不安定で、対象者自身がまだ身体状況を認識できていなく、具体的に希望や見通しを表出するのが困難な時期にはとても大切なことだと感じています。そしてこれが本当に難しいと思っています。今回の事例はここも丁寧で刺激を受けました。

この時に「クライエントが作業を語ってくれない面接は失敗なのか」という題で、面接の目的や考え方について書かれている書籍を思い出しました。私のOT人生のバイブルです。この題で書かれているのは第1版であり、第1版の個人的に大好きなページです。
(後日追記:第2版でもコラムとして掲載されておりました!失礼しました。)


初回面接では、今回の急性期事例のように「分からない」「ただ退院したいだけ」という言葉を、私もこれまでにたくさん CLから聞きました。

そんな中で色々悩んで、文献を読んでは、CLの心身の状態に対する認識が進んでから、心身機能や先の見通しに対する発言が得られ始めてから、ADOCを用いた面接をしようと、自分の中で軸ができていたところでした。

そんな軸で動いているここ1年くらいを思い返すとCLから「そんなこと分からない」と言われる経験がなくなってきました。

それはなぜかと今考えると、「この方は病態も不安定だし、まだCLが自身の心身状況を把握できていないし、今聞いたところで『先のこと言われても』『そんなことできない』とCLを傷つけてしまいそう…」と、どこかで私が決め付けてしまっていたのではと思いました。CL自身を作業的存在として理解しようとする姿勢が足りていなかったんじゃないかと気づきました。軸に縛られて、保守的になっていたような気がしています。

例えADOCを用いた面接や共同的な意思決定ができなかったとしても、CLが作業に気持ちを向けられない状態であること自体が評価結果となる。

もう少し対象者を作業的存在として捉えようと積極的になってもいいんじゃないかなと反省しました。

作業的存在としてのCLの理解に関心を持つためにも、非構成的な評価というところが自分の課題であり、学ぶべきことだと感じました。

対象者の思いを退院後の支援者に丁寧に伝える

ADOCの評価シートを丁寧に記載して、それをチームや退院後の支援者に共有する。共有した内容が、退院後の支援に活かされていて、対象者にとって大切な作業に結びつくことができた、素晴らしい介入だなと思いました。

これまで紹介状を書く時に、ADOCの評価結果を記載し、急性期では何に焦点を当てて介入し、どこまで本人ができていると感じているのか、本人は何を大切にしているのか等を記載するように心がけていました。時間等の都合上、自分の中ではできてもここまでだと思っていました。

白木先生の発表後の齋藤先生のコメントで「SDM とか、情報を共有するとか言われているけど、本当に共有するってできていない」という言葉に大きく頷き、その後の「その前提の中でこの事例は表面的な言葉だけをすくって共有しているだけじゃない」という内容の言葉が刺さりすぎました。

すごく自分の申し送りって表面的じゃない!?と驚くくらいでした。急性期病院でできる限界もあるけど、まだまだこの環境でできることってあるなと感じさせられた事例検討会でした。

ということで一旦自分の介入を振り返ろうと、最近の自分の経験した事例についてまとめてみます。どれだけ表面的になっているのか衝撃を受けそうですが、良い機会になりそうです。

職場の人と一緒に

今年から一緒に働くようになった同僚も、急性期における作業を大切にした関わりに興味を持っていたので、この事例検討会を勧めたところリアルタイムで視聴していました。研修会終了後、同僚からすぐに「自分にはなかったOTの視点を学ぶことができて大満足でした!焦点の当て方がOTとして自分が目指したいところだなと聞き入っていました」と連絡が来て、とても嬉しかったです。そんな同僚からADOCの使い方を聞かれたので、つい先日意思決定やADOCについて私が伝えられる範囲で伝えました。
一緒に頑張っていけたらな嬉しいな、と思っています。

(写真は対象者さんがしている大切な作業、編み物を私もやってみています。意外と集中力いるしずっと同じ姿勢で疲れるけど作品ができた時の達成感はすごいです。)


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