指す将A1A3団体戦 対ポラリスさん戦 自戦記
春から夏にかけての寒暖の激しい日々をお過ごしの皆様、いかがお過ごしでしょうか。
本日は指す将A1A3団体戦 ポラリスさん VS イカロス の自戦記をお届けいたします(某トーナメント風)
本局にあたり企画していただいたずーさんゆーてんさん含め、参加していただいた皆様に感謝の意を表し自戦記を綴る勢いであります。
また、対局相手のポラリスさんの自戦記もぜひ一読の上、この自戦記を見ていただけると幸いです。
http://polaris7star.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
(指す将界の文豪であるため、先にそちらをご覧頂くことを推奨いたします。というか読んで。)
とまあ、堅苦しい文章はここまでにして本文に移ろうと思います。
当日までの準備
対局は寒さもまだ厳しい 2/13に行われたわけだが、その周辺では個人的な事情も含めて将棋に関して全く触らずに当日を迎えた。
ウォーズは指していたと思うが、毎日無料分の3局指していた訳ではなく、息を吸って吐くような感覚でウォーズを付けて何も考えずに指していた気がする。
上はウォーズ10秒将棋の月別勝敗数なのだが、如何せん成績も奮わず、負け越しもしている。
当然勝てるかどうか不安な部分もあったのだが、当日まで準備することは無かった。
別に対戦相手がA3クラスだから舐めていたという訳では無い。
前局において ひややっこ さんの棒銀が炸裂し、A1側が敗戦を喫していたこともあるし、それまでの対局において圧倒的な力の差があるわけでもなく。
加えてA1クラスの中では24レーティングが一番低い私と来たもので、狙い撃ちにされてる可能性もあると思っていた。だからといって準備するわけでもない理由は簡単だ。
今まで指す将順位戦の中で対戦相手の予習をしてこなかったからである。
だから負け越してきたんだろうけど、そこまで気合い入れてやる元気もなければ、相手が分かったところでぶつける武器が多くないので調べようが調べまいがやることは変わらなかった。
とはいえ、前局のA1の敗北もあり流れはもちろん断ち切らなければならないのは分かっていたし、この後の仲間にバトンを渡すためにも決めていたことがあった。
圧倒的な差を付けて勝つ
ということである。
もう一度言うが、相手を舐めてる訳では無い。
そういう心持ちでいかなければ、なんとか善戦出来るという印象を与えかねないからである。
いっぽう、ポラリスさんはというとしっかりと事前準備を行っており
戦型は力戦振り飛車党とご自身でもおっしゃっている通り、美濃囲いにこだわらない低い陣形を嗜好されていることが多く思います。
将棋の質に関しては、縦への推進力が非常に高く、寄せはじめ~終盤の明るさが最大の特長です。
というコメントを残している。
全くもってその通りである。
ボクシングで例えるとアッパーカットでのカウンターのような感じだろうか。
どうしてボクシングかというと飛車先の突いた形がジャブを撃っている形に見えることがあるからである。
…どうでもいい話は置いておき、次に進むこととする。
対局本番
対局するにあたり、A3側が手番を選択出来るということもあり、A1側である私は後手番となった。
先手番であれば、ビックリ箱のような戦法からめちゃくちゃな戦法まで力戦系の将棋が色とりどり揃っている訳だが、後手番としてはやることは決まっていた。
というよりもそれしか出来ないのである。ああ、不器用。
対局が始まり、初手。
▲38金
ここで一瞬フリーズした。とはいえ一瞬。俗に言うと刹那とでも言うべきだろうか。
一応自己紹介文に力戦振り飛車党と書いているのに力戦系に持ち込もうとしている。
これは誘われているのか、それとも舐められているのか。
そんなことが頭によぎりながらも、考えられる戦型をまとめる。
形として考えられるのは2つに絞った。
右玉と棒金である。
というよりはそれ以外の形であれば、右金が玉から離れる形になり玉の薄さの攻め合いならば利があると思っていた。
そして進んで下図
相手の形が決まるまで様子見をしていたこともあり△53銀を決めてしまっていた為に、いつも使っているずれ美濃囲いの形にするには手損するしかなくなってしまった。
悠長に駒組をしている余裕はないと考え、仕方なく△62金と脇を引きしめた。
しかしこれが形としては悪く、左角の使い方に難が出るようになってしまったので手損してでも良い形を目指す方が良かったと今では思う。
そして、再び手を進めこの局面。
盤面は後手不利。どうみても2筋3筋の圧迫や金銀の連結、玉形の差から悪いという判断をしていた。
次の手は△23金
普段ならば2筋は△22歩で謝り、別の筋から攻めるのがいつもの感覚なのだが、50手指した感じでお相手のポラリスさんがゆったりした将棋を望んでいるように思え、別筋からゆったりした将棋にすると相手にも利すると考え、指した一手であった。
この△23金は▲24歩と突かれると△同金と取らざるを得なく、33桂のヒモが外れる形となってしまう。
しかし、ゆったり指したいのであれば△23金を見て攻めかかってくることはないだろうと判断し、△23金を指すことに決めた。
これが功を奏したのか、次の手は▲66銀
この▲66銀は守りの銀を攻めの銀へとシフトチェンジさせ、なおかつ危惧していた角筋を気にしなくて良い形になった。
この手を見て、ここしかチャンスがないと思い端から攻勢を開始した。
そして形が進み、中央での金銀の厚み勝負に。
ここで△45銀を選択。
銀交換後に角金両取りの▲54銀が生じる訳であるが、それを誘っていたのである。
本譜は▲32桂成であったのだが、▲54銀以下の読み筋は△56金▲53銀成△同金である。
最後の△同金は上部の厚みを生かしながら駒を前進させる手である。
△同銀と比べて玉は薄くなってしまうが、玉の守りは飛車一枚で十分な将棋であるため、ここは△同金を選択した。
以下はブンブン丸で丸太をぶつけ、端に玉を追い込み勝利。
やはりカウンターは正義である。
対局前に考えていた差を付けての勝利もできて安堵していた。
無事に後ろにバトンを渡せたのである。
知っての通り、指す将団体戦はA1側の10勝2敗で終わったわけであるが、ここでもし負けていたらどうなっていたか分からない勝負であった。
団体戦であることも含め、事前準備はしっかりと行うべきであったというのが今の反省点であり本音である。
また、しっかりと準備して下さったポラリスさんに敬意の念を表し、締めの言葉とさせていただくこととする。