筏九命

いかだ・きゅうめい。小説など書いています。Twitterもどうぞよろしく。

筏九命

いかだ・きゅうめい。小説など書いています。Twitterもどうぞよろしく。

マガジン

  • 小説・プロット

    公開中の小説・プロットなどの創作です。

  • 本の紹介

    本の紹介記事です。

  • 映画紹介

    映画紹介記事です。

最近の記事

SF創作講座2023非公式梗概「僕の彼女がケネディ殺した」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023 裏SF創作講座 第7回テーマ: 「ワンシチュエーションで書いてください」 梗概「僕の彼女がケネディ殺した」  高校生になった「僕」に初めてできた彼女。一つ下の後輩の鈴村愛良は不思議な印象を抱かせる女性で、可愛げの中に謎めいた魅力があった。  付き合い始めて三ヶ月後、僕は愛良の家(マン

    • SF創作講座2023非公式梗概「火力発電のケミー」

      裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023 裏SF創作講座 第5回テーマ: 「変なペットが出てくるお話を作ってみてください」 梗概「火力発電のケミー」  ある雨の日、中学生の「私」は野良の火力発電生体を拾う。名前はケミー。煙突から吐き出した煙が煙たかったのでそう名付けた。犬ぐらいのサイズで、他の発電生体と同じく四本の脚がある。

      • SF創作講座2023非公式梗概「家電:祖母搭載」

        裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023 裏SF創作講座 投稿が間に合わなかったのですが、一応ここに置いておきます。 第4回テーマ: 「最新技術をテーマにSFを書いてみる」 梗概「家電:祖母搭載」  学校から帰ると、リビングから死んだ祖母の声がする 「だいちゃん、おかえりぃ」  円盤型の自動掃除機が僕の足元までやってくる。高

        • 熱狂、混沌、大阪。『頭の中がカユいんだ』【本の紹介】

          読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 夏ですね。それ以外にいうことがないくらい夏です。梅雨が大きな夏の下をくぐって抜けていく、中途半端で嫌な季節です。 今日取り上げるのは十月の小説ですが。 今回紹介するのは中島らも『頭の中がカユいんだ』です。 中島らも。 小説家、劇作家、コピーライターと幾多のジャンルにまたがって活動した、いわば流浪の作家。 20世紀後半の日本を表すような文化人だと自分は思います。 たしか早川書房のSFアンソロにも作品が収録されていたはず。 そのと

        マガジン

        • 小説・プロット
          6本
        • 本の紹介
          6本
        • 映画紹介
          4本

        記事

          死んだら自分は「何者」なのか。『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』【本の紹介】

          読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 本はめちゃくちゃ買うんですが、どうしても読むのは遅い。しかし漫画だけは別で、スイスイと読めてしまいます。5巻分くらいならその日のうちに読んじゃいます。 今回紹介するのはナターシャ『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』です。 作者は浅井企画所属のコント師「ニュークレープ」のメンバー。 漫画の主人公は漫才師ですが、自身に起きた出来事を基に構成しています。 芸人。 サブカル好きの典型に漏れず、自分もお笑いが大好きです。 特に地道に

          死んだら自分は「何者」なのか。『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』【本の紹介】

          飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より【小説】

           飴の降るわが屋根つたい星が散る  二つにわれて湧くは寂寥  京子の代表作として知られるこの短歌が読まれたのは、一九一八年のことでした。十八歳にして『アララギ』に短歌を発表した背景には、父である大学教授、二見禄郎の存在がありました。幼少期より父を通じて歌壇と接点を持っていた京子は、その瑞々しい感性で世の情景を三十一字の世界に起こしていきます。  飴雨(ジウ)を題材としたこの短歌も、二見家の縁側で生まれました。  十一月、毎年のように寒空から降ってきた飴玉を、京子は眺めていま

          飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より【小説】

          『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』補足

          同時投稿しました『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』は、裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式的な作品です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023 裏SF創作講座 形式に合わせるため、アピール文も以下に掲載します。 アピール文 『ありえない』。いい言葉です。問題はその突拍子もない出来事にどうやって人間に接近させるか。  ファフロツキーズというSF界隈ではポピュラー

          『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』補足

          「社会悪」が示す情報社会。『サンキュー・スモーキング』【映画紹介】

          「シーシャ」というものについて、若干の興味がある今日この頃。 独特の体験ながらも、結局は喫煙行為。中毒になってしまわないか、というところで一歩引いているのが現状です。 「健康被害」のリスクを背負ってまでやるべきか。 最近でいえばサウナもそうですね。快感を唱える人がいる一方で、科学的に行為そのものを批判する人もいます。 これをどう判断すればいいか。 そんな話も関係するかもしれない社会派映画。 「社会悪」とされた煙草ロビイストが主人公の問題作。 『サンキュー・スモーキング』の

          「社会悪」が示す情報社会。『サンキュー・スモーキング』【映画紹介】

          サーカスから世界を紐解く。『〈サーカス学〉誕生』【本の紹介】

          読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 自分は基本的に文芸書しか読みませんが、興味を持ったら学術書も買うようにしています。ニッチな知識を吸収できて面白いんですよね。 今回紹介するのは大島幹雄『〈サーカス学〉誕生 曲芸・クラウン・動物芸の文化誌』です。 サーカス。 魅力的な舞台としてしばしば小説や映画でも取り上げられる催しですね。 日本では木下大サーカスやシルク・ドゥ・ソレイユの興行が有名ですが、実際観に行ったことのある人はあまり少ないでしょう。 思ったより凄いので、一

          サーカスから世界を紐解く。『〈サーカス学〉誕生』【本の紹介】

          宇宙って虚無だ。『ダーク・スター』【映画紹介】

          宇宙映画。昔から宇宙が舞台の映画は星の数ほど作られてきました。 『スター・ウォーズ』に『スタートレック』、芸術志向の『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』、ホラーテイストの『エイリアン』、『オデッセイ』『インターステラー』『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』……。 宇宙はロマン。異星の旅に侵略者の出現。何が起きたって不思議ではありません。映画の世界では派手に音だって鳴りますし。 だからこそ、宇宙が持つある特性に触れた映画がひときわ目立ちます。 何も起きない宇宙空間と船内の

          宇宙って虚無だ。『ダーク・スター』【映画紹介】

          探偵で犯人で被害者で証人。『シンデレラの罠』【本の紹介】

          読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 読んでいる本のジャンルがバラバラなので、紹介する本のジャンルも必然的にバラバラになってしまいます。 エッセイ、社会派と続き、今回はミステリです。 今回紹介するのはセバスチアン・ジャプリゾ『シンデレラの罠』です。 オリジナルは1962年、フランスで出版。 自分が手に取ったきっかけは、この小説が授業の中で「実験小説」として紹介されたからでした。 20歳の娘であるミシェル・イゾラ(ミ)。彼女は火事が原因で大火傷を負い、顔を焼かれてし

          探偵で犯人で被害者で証人。『シンデレラの罠』【本の紹介】

          君に会うため、60年を超える。『ある日どこかで』【映画紹介】

          SFと恋愛の掛け合わせはある種の定番になりつつあります。 とりわけ恋愛がテーマになっているSFで多いのは時間モノ。 ループに閉じ込められる『恋はデ・ジャヴ』、1920年代のパリに飛ぶ『ミッドナイト・イン・パリ』など、映画でもこの掛け合わせは多し。 日本SFでいえば『時をかける少女』なんかも恋愛と時間の組み合わせですね。 定番の時間恋愛モノにも、カルト映画と呼ばれているものがあります。 知っている人は知っている、そんな時間跳躍ラブロマンス。 『ある日どこかで』の紹介です。 ※

          君に会うため、60年を超える。『ある日どこかで』【映画紹介】

          僕らは新興宗教の何を恐れるのか。『逆さに吊るされた男』【本の紹介】

          読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 前回『父・萩原朔太郎』を紹介したらスキが10ほど来まして、勝手に盛り上がっていました。朔太郎の知名度に対して知られてないので是非一読を。 今回紹介するのは田口ランディ『逆さに吊るされた男』です。 タイトルから推測すると、中世や占い、それに関連したミステリーだと思うんじゃないでしょうか。自分もそう思って本を取りました。 実際は全然違います。 主題はオウム真理教。地下鉄サリン事件の実行犯である死刑囚と主人公の交流を綴ったフィクショ

          僕らは新興宗教の何を恐れるのか。『逆さに吊るされた男』【本の紹介】

          気の毒でおかしくて切ない。『迷子の警察音楽隊』【映画紹介】

          電車やバスで移動していると不安になりませんか? 特に旅先では土地勘もないうえに地名すらよくわからない。 もし間違えてしまったら大損することになります。 そんな間違いからドラマが生まれる映画、『迷子の警察音楽隊』をご紹介。 ※内容を紹介していますが、本編全体の大きなネタバレはありません。 イスラエルが製作に関わっている映画だけあって、冒頭の制作会社ロゴから未知のオンパレード。 しかし、内容は実に普遍的。 派手なシーンはないものの、情緒的な雰囲気を最後まで崩さない映画です。

          気の毒でおかしくて切ない。『迷子の警察音楽隊』【映画紹介】

          愛しき父は、偉い詩人らしい。『父・萩原朔太郎』【本の紹介】

          noteのアカウントを作ったので、読んだ本を紹介していこうと思います。 前から「やりたいな~」とは思っていたものの、定石がわからず放置していました。が、自分なりにやってみることにします。 今回紹介するのは萩原葉子『父・萩原朔太郎』です。 萩原朔太郎について、みなさまはどの程度知っていらっしゃるでしょうか。 大正時代から戦前(戦争開始直後?)にかけて活動した、「日本近代詩の父」とも呼ばれる詩人です。 「詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。」 こちら

          愛しき父は、偉い詩人らしい。『父・萩原朔太郎』【本の紹介】

          SF創作講座2023非公式梗概「宇宙には味がない」

          裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023 裏SF創作講座 第1回テーマ: 「宇宙、または時間を扱うSFを書いてください」 梗概「宇宙には味がない」  宇宙には味がない。カムラとナヒトにとって、それは深刻な問題だった。カムラとナヒトは他の人々と同様、飼育している家畜から宇宙を摂取して暮らしている。彼らの肉体は宇宙によって構成され

          SF創作講座2023非公式梗概「宇宙には味がない」