4日目| 『あつい!うまい!ほっかいどう旅』
移動、移動で楽しむ
白老・洞爺湖
◯場所も天気も変わる、4日目
北海道旅行も半ばを過ぎた。
台風が徐々に近づいてきているため今晩から天気が崩れるらしいが、今朝はそんな気配を全く感じさせない眩しい夏空が広がっていた。
今日も手首に、保冷剤を手拭いで巻きつけておく。
旅行とはスケジュールが緻密になりがちだが、この日は特に時間に気をつけないといけなかった。
なぜなら、札幌から白老にあるアイヌの博物館を鑑賞した後、さらに宿泊地である洞爺湖へ向かうからだ。
たった2か所の移動。
しかし一本でも電車を逃せば、知らない土地で大荷物を抱えたまま、待ちぼうけを喰らう恐れがある。当然、暑さでへばる余裕もない。
朝も早く特急に乗り込み、札幌を出発した。
さらば札幌、また会う日まで。
ガタン、ゴトン、と揺られながら昨日買ったフルーツサンドを食べる烏賊家族&仲間たち。ラズベリー色の食パンに、カスタードとイチゴが挟まれたかわいいフルーツサンドだ。これをゆめかわいい、と言うのではないかな。
…違ったらスルーして欲しい。
…車に乗りならが食べるご飯は、旅感が増すため好きな時間だ。
急遽駅で買い求めたティーラテも啜りつつ、つかの間を楽しんだ。
◯この日の気温
約29度
検索先:tenki.jp
◯アイヌ博物館と偶然のソフトクリーム
まず到着したのは白老(しらおい)。
開館前からたくさんのCMが流れていたアイヌの博物館に足を運ぶ。
野菜のキャラクターが出迎えてくれる。
大きなガラスが張られた近代的な建物が、メイン展示館。その前には湖があり、取り囲む様にホール会場、復元されたアイヌの家や檻などが建てられている。
具体的な展示内容の紹介はネタバレになるため避けるが、アニメーションやゲームを加えた展示スペースもあり、わかりやすく、かつ面白くアイヌ文化を学ぶことができる。
もちろん、お土産も充実している。
烏賊がこの博物館で何より感動したのは2階から望める景色だ。
展示品じゃないのかよ、なんてツッコミは素直に受け入れよう。
しかしこの美しさは格別である!
エスカレーターに乗って2階に到着すると、すぐに飛び込んでくる景色。
波が輝く広い湖。辺りにアイヌ集落があり、それを囲むように、樹々が青々と茂っている。
それらを、爽快な空が包み、厚い、厚い入道雲が立ち込めているのだ…。
これこそ誰もが思う夏の景観。断言できる。
冬の景色も、それはまたいいものだろう。
ぜひこの景色を見に訪れて欲しいし、時間の制限がなければ終日2階に居座り、1日中眺めていたかった。
しかし我々には次の目的地がある…。
ヒレ…いや髪を引かれる思いで、次の目的地である洞爺湖へ向かった。
ちなみに博物館周辺には、雑貨店やキッチンカー、白老の駅舎の近くにはケーキ屋もあるので是非時間がある方は足を運ぶことをオススメする。
ちなみにケーキ屋のソフトクリームは美味しかったが、駅に戻るまでに溶けてしまうので注意して欲しい。
ソフトクリームも即溶けの暑さだと、実感できる瞬間だ。ある意味ジェットコースターよりもハラハラできる。
◯洞爺湖迷子とポーク煮込み
さらに電車に乗って、洞爺湖駅には3時過ぎに到着した。
タクシーで洞爺湖メイン街の対岸にある、宿泊地のログハウスへ。
ここでは1つの大きなログハウスに泊まるのではなく、敷地内に約8人ほどが泊まれる小さなログハウスがいくつも建っており、他の旅行客を気にせずに過ごせるようになっている。
チェックインロビー兼食堂のメインログハウスの玄関には、花火大会が今夜行われるポスターが貼られていた。まだ夏に花火を見ていなかったため、今夜必ず見ようと固く決意した。
案内された2階建てのログハウスは、想像通りの、ザ・ログハウスという趣であった。
大きな丸太を重ねて作られた内装は、キッチンに大きな窓があるユニットバス、トイレが2つ備えられている。1階に4つ、2階にもう2つベットが置かれているので、広さは最強。
だが1点注意して欲しいことがある。
このログハウスには、なんとエアコンがない。おそらく夏でも涼しかった頃の名残であろうが…今は…少し厳しい。
北海道旅行の際は念のため、
宿泊先のエアコンの有無を確認することを、
切実におすすめする。窓を開けて風を入れ込んだり、早い風呂に入り汗を流したりして、各自涼を取る。
小休憩。
18時に夕食を予約している。まだ時間があったため、全員で散歩に出かけた。
夕暮れの、雰囲気漂う湖の辺りー正確には道路横ーを歩くのは風情があった。ゆっくりと日が沈み、周囲はほんのりオレンジ色に染まる。相変わらず蒸し暑さは残るが、台風の影響か時折吹く風は時折強い。
ログハウス周辺の、湖のほとり歩く大体30分程度の散歩。かの銀髪侍を思い浮かべながら、写真を撮ったり、風景を眺める。
しかし歩くも歩くも、なかなかログハウスまでつかず…。結論から言えば、プチ迷子になった。
「いい歳こいたメンツが集まって、迷い込むとは!」
右往左往してる間に、夕食の時間は刻々と迫ってくる。知らない土地では地図アプリをうまく活用できず、ペンションの管理人に電話をして、道を教えてもらった。近くのキャンプ場を横切る荒技を使って、なんとか宿泊地まで戻って来れた。
軽い散歩のはずか大袈裟なことになってしまった。気恥ずかしさを感じつつ、食堂の席に着く。ようやく夕食だ。
多数あるメニューの中から悩み抜いて決めたのは、ここで名物という黄金豚を煮込んだレッドポークセット。主役の豚肉は「やわとろ」を謳っている通り、頬張った瞬間、肉がとろっととけていく。かかっていたソースはご飯と相性抜群で、もりもり食べれてしまう一品であった。
サイドにはサラダとコーンポタージューが付いており、食後には紅茶も用意されている。
文句なしのディナータイムであった。
◯4日目のおわり
午後8時。花火大会の時間だ。
外に出ると、パッと夜空に火の華が咲いていく。
いくつもの花火が上がり、夜を照らす。
午後から厚い雲が立ち込めてしまったため、星は見られなかったが、代わりに夏の風物詩が見れたのは非常に嬉しかった。
文化を学び、美しい景色・花火を見て、とてつもない充実感で見たされた烏賊。
ほくほくした気持ちを抱きしめながら、明日に備えてベットに潜る。
こうして4日目は静かにおわりを告げた。
それではまた。
◯おすすめ暑さ対策
・早風呂。陽が高いうちに一度汗を流せば、スッキリできる。
・宿泊する冷暖房の有無を確認。特に暑いのが嫌いな方は絶対に確認してほしい。
2024年11月18日 公開