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Mの奇跡

これは不思議な、インドカレーが紡ぐファンタジーなおはなし。  ある秋の日、私は都内のインド宮廷料理店マシャールでイベントに参加していた。参加者の皆さんとのおしゃべりも楽しく、帰りは並びの席に座っていた女性と駅まで歩いた。「どんなお店が好きですか?」なんて初対面のインドカレー好きによくある情報交換をしているうちに彼女が言った。 「ずっと前からインド料理を習っていまして」 「わあ、どちらで?」 聞けば、そこは20代後半~30代前半まで、私が通っていたのと同じ教室だった。インド料

    • ようこそ給食カレーの世界へ

      今年はとっても素敵な経験をさせていただきました。 7月18日の『10000人カレー』で自作のカレーを大勢の方に食べていただけました。 関係各位の皆さまに心から感謝いたします。 こちらのイベントを知った時、かなり悩みました。 コロナ禍前は、地元の公共施設でささやかな料理教室を開いてカレー作りを教えていましたが、もう3年もできていません。 そろそろ何かやりたい。出展者として参加してみたいけれど、きっと作る側の皆さんはこだわりのスパイシーなカレーの達人ばかりなんだろうなあ。食べる

      • カレーの本の思い出

        子供のころからカレーが大好きでした。私のカレー作りは母親の作るS&Bゴールデンカレーの玉ネギ炒めを手伝うところから始まりました。 高校生の時、初めてカレーのレシピ本を買いました。グラフ社の『カレーライス』(河野貞子著)です。銀座の「アショカ」をこの本で知り、油脂や生クリームをふんだんに使うレシピに驚き、作ってみようとしたら油脂の量を見た家族からストップをかけられました。ならば食べに行きたいと思いましたが、アショカは高級店でとても手が出ませんでした。著者オリジナル?だったひき肉

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