抱く (イチコジンカン #8)
美容室に行くとたまに
「クッションどうぞ」って
ゴールデンレトリーバーの子犬ぐらいの
大きさのクッションを渡される。
「要りません。」と断れるほど
日本人の根っこは枯れておらず。
「抱けへんわ!」と言えるほど
芸人の花は咲かせてない。
「あ、はい。」という返事と共に
僕の両手は自由を奪われる。
でもまあ、自分がそういう人間だからこそ
「クッション」でよかったなって思う
「クッション」だからこそ何とか
受け入れようとできるのかもしれない。
「タイヤどうぞ」って
渡されたら