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Vol203 山梨県のある町にみる、人口減少と移住施策の現実と期待

地方の多くの自治体が急激な人口減少に直面をしており、さまざまな施策がとられているところです。そのなかで、多くの自治体が移住促進事業を精力的に実施しています。今回、山梨県のある町におけるアンケート結果が公表されましたので、その現実と期待について書いてみました。

こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2500組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ 町民に対する「町の住みやすさ」アンケート
 

山梨県見延町では、2004年の合併以来初めて人口が1万人を下回るなど、人口減少が深刻化しています。
そこで、見延町議会の教育厚生委員会が、歯止めがかからない人口減少の原因を探ろうと「町の住みやすさ」についてアンケートを実施しました。
アンケートは2004年8月~9月にインターネットで実施し、回答542件によるものです。

その結果、「町に住み続けたいか」との問いに対して、

「町外に移りたい」6.2%
「どちらかといえば町外に移りたい」17.2%

と、全体の約4分の1が「町外に移住をしたい」といった衝撃の結果が得られたとしています。

その理由としては、「交通網が不便」「介護・医療が不安」「遊び場がない」「老後が不安」といった回答が得られています。

なお、この回答に対して、町では「若い世代だけでなく60代より上の世代も同じ傾向を示している」としています。

また「住みやすさ」に対するアンケートでは、

住みにくい 10.4%
どちらかといえば住みにくい 27.2%
住みやすい 12.3%
どちらかといえば住みやすい 37.8%

と、「住みやすい」が約5割、「住みにくい」が約4割の結果になっています。
これに対して、見延町では「中部横断道の開通が町に住む理由になっている」とする一方、マイナス面では「買い物する場所がない」、「働きたい場所がない」「通学距離が長い」など、人の活動範囲が限られる中山間地特有の課題が大きいとしています。

2⃣ 町の移住施策について


山梨県南部に位置する身延町は、都心から車で2時間半にあり、本栖湖はキャンプや水上アクティビティ等は家族で賑わっています。
その身延町は移住施策にも精力的に取り組んでおり、「子育て支援全国No1の町」を掲げて出産から高校生までの充実した子育て支援が有名です。

例えば、小学校の入学時に4万円、中学校入学時は7万円の支度金が支給されます。
さらに、小中学校の給食費・校外学習費、修学旅行費は全額補助が受けられます。
ちなみに、保育園は入園児においても、支度金2万円、副食費無料等の手厚いサポートがあります。
また、医療においても、0歳から高校生まで医療費無料、不妊治療費の助成、予防接種費助成、入院時食事療養費助成があります。
その他にも町営バス無料等もあります。

このように、身延町は子育てファミリーならば安心して移住が出来そうな町でもあります。

3⃣ 地方における移住施策の現実と期待について



今回、山梨県見延町のアンケート結果とその施策との乖離について、恐らく、全国の多くの地方自治体でも同様のことが起きていると想像されます。

特に、子育てファミリー等、若い世代の誘致を優先する自治体は多く、子育てに対する施策に積極的に取り組んでいます。
しかし、地方自治体では義務教育を終えると町を出ていく子供も多く、そのまま都会に就職をしてしまいます。
こうした流れは、決っして最近に始まったことではありません。
それでも、子育てに対する施策に積極的に取り組む自治体は少なくありません。
一方では「将来、出ていく子供よりも、地元に住み続けるお年寄りを大切に」といった声が上がっている自治体もあります。
移住者と町とのトラブルも少なからず発生していることから、町の移住推進に難色を示す自治区もあります。
残念ながら、日本では移住者だけで自由に自治区を築くことはできません。

大切なことは、町の活性化であり、町の存続にあると思います。
そこに住んでいる人が「幸せ」に感じる町づくりにあると思います。
実際に、山梨県見延町においても、半数の町民は「住みやすい」と回答をしています。
そのためには、小手先だけの施策では、難しい所ではあるかと思います。
また、町の活性化に向けた事業を、外部委託にたよるだけでは、自治体は良くはならないでしょう。

町の活性化に寄与してもらえる定住者の誘致が大切であり、そのような人を受け入れるフィールドと環境を準備しなくてはいけません。
また、地域との調和にも行政が率先して取り組むと良いかもしれません。
1人でも多くの人が「幸せ」を感じる町であることですね。

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最後に私のおススメの移住地をご紹介します。
移住地選びの参考にしてくださいね。

高知県室戸市

高知県の東部に位置する室戸市は、雄大な太平洋にⅤ字形に突出した日本八景の室戸岬が有名です。
その室戸岬は、2011年9月には世界ジオパークに認定されました。
さらに、室戸岬は「恋人の聖地」としても有名です。岬の周辺3カ所に、ハートマークのプレートがありますので、恋人と巡ってみたいですよね。
高知県では、「高知家で暮らし隊」という、移住希望者をサポートする企画を行っていますが、もちろん室戸市でも利用が可能です。
移住検討時カードは飲食店サービスなどに移住達成まで利用が出来ます。
一方、移住達成カードは移住達成から5年間有効です。
世界ジオパークの中で暮らせたら最高ですよね。

最後まで読んでいただき有難うございました。
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移住プランナー| 田舎暮らし|プロ|
移住専門FP「移住プランナー」として活動をしています。これまで18年間2500組以上の移住相談に対応をしてきました。ここでは、私の経験からお役に立てる情報を日常的に綴っていきます。「移住」という夢の実現にお役に立てればうれしいです。大阪出身、北海道と鹿児島の3拠点生活中。