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Vol48 雪国に移住!住宅選びのテクニック③,④

雪国に移住をする時、大切なことは冬対策です。
とくに、住宅を選ぶときには、冬の暮らしを想定しなくてはいけません。
そこで、雪国での住宅選びに失敗しないように、雪国特有のチェックポイントをお教えします。

こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2000組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ はじめに

雪国に移住をする時、大切なことは冬対策です。
そして「住まい」選びも、冬の暮らしを想定しなくてはいけません。

例えば、「冬でも暖かい家」や「雪がたくさん降っても安心な家」が理想になります。
また、田舎移住を希望する人の6割以上は、中古住宅(空き家)の購入を考えます。
新築と比較してリスクの高い中古住宅(空き家)を購入するのであれば、とくに注意をしなければいけません。

そこで、「移住プランナー」として200組以上の移住者をサポートし、また「空き家相談士」として空き家選びに熟知し、そして自ら雪国(北海道)に移住し、20年近く居住した経験から、雪国における住居選びのポイントをお教えします。皆さんの知らない「雪国ならではの事情」について、細かくお伝えします。

2⃣ 雪国に移住!住宅選びテクニック

No③ 除雪エリアの小さい住宅

 
就寝中に降り積もった雪は、朝から除雪をしなければなりません。
毎日、雪が降り続けば、毎朝の日課となります。
前節では、除雪した雪を堆積できるスペース(堆積空間)を確保できることを伝えました。
しかし、そもそも除雪するエリアが小さければ、堆雪の量は少なくて済みます。

降雪により最低限の除雪が必要となるのが、玄関前及びガレージから前面道路までのエリアです。
当然、このエリアが小さいほど、除雪は楽になります。

しかし、田舎の古民家や農家になるほど、この玄関から前面道路までの距離が遠くなります。
昔は、家の裏ではなく、表に広い庭を造るのがステータスだったと聞きます。
また、農家では大型の農機などを納屋に入れる必要があります。
そのために、家の前に大きな庭を設けています。

こうした、家の前に広い庭のある古民家や農家では、当然、除雪は大変になります。
そこで、多くの農家では除雪用として、重機のホイールローダー等を保有し、対処をしています。

一方、こうした農家を購入したが、ホイールローダー等を保有していないと、除雪が追い付かないで大変なことになります。

一般に、前面道路と玄関は4M以上の距離が必要となります。
そこで、この距離が身近い建物を選ぶことがおススメです。
但し、あまり近すぎると、前面道路を大型除雪車が通り過ぎた後の雪山が、玄関の近くに及ぶかもしれません。

No④ 屋根形状が地域にあった住宅


住宅には大きく、3種類の屋根形状があります。

① 切妻屋根…最も一般的な屋根で、2方向に勾配を付け三角形をした屋根

② 片流れ屋根…1方向に勾配をつけた屋根

③ 陸屋根…勾配のない平らな屋根(雪国では無落雪屋根とも呼ぶ) 

この3種類の屋根にはそれぞれ特徴があります。
一定の積雪で雪を自然に下に落とす、①切妻屋根や②片流れ屋根は、家の負担も少なく、家にやさしい屋根です。
一方で、①切妻屋根、②片流れ屋根は、雪を落とすスペースが敷地内に必要となります。
豪雪地帯では、積雪が5Mを超えるところも少なくないため、隣近所に迷惑をかけないためにも、大きなスペース(庭地)が求められます。

それに対して、③陸屋根は屋根に雪を乗せたままとなりますので、家の負担は大きくなりますが、除雪などの負担は軽減されます。
③陸屋根に積もった雪は、通常、風で飛んでいくか、雪解けを待つことになります。
湿った雪が降る地域では、「雪下ろし」が必要になることもありますが、北海道のような粉雪(パウダースノー)では、「雪下ろし」の必要はほとんどありません。
また、隣接する建物に迷惑をかけることがありませんので、隣近所にスペースがない都市圏の住宅街に向いています。

どちらの屋根の住宅を選択するかは、購入者の自由にありますが、地域の特性を考慮しないとトラブルの要因となります。

一般に、家の負担の少ない①切妻屋根等が人気ですが、隣地とのトラブルも多く聞かれます。
屋根から滑り落ちた雪は、家の壁に寄り添うように積み上がりますが、降雪が続くことで積み上がる量も増加していきます。
砂場等で砂山を作ると、山の高さに合わせて裾野も広がっていくのと同じ原理ですね。

隣地とは十分なスペースがあると思っていても、雪の多いシーズンでは、屋根から滑り落ちた落雪が隣地にまで及ぶこともあります。
一般に、大雪による落雪で隣地の賠償責任は、自然災害の為に責任は発生しませんが、豪雪地域のように、毎年の様に落雪が隣地に迷惑をかけるような場合は、落雪被害の修理費用を支払う義務が発生する場合もあります。

こうした、隣地とのスペースがあまりとれない場合は、屋根に積もった雪が落ちて来ない様に、雪止め金具を取り付けて落雪の危険を防止したり、融雪ネットを取り付たり、軒先部分に電気式ヒーターのネットを設置して、雪を解かして落雪を防止する対策が求められます。
また、隣地との間に何らかの工作物(防壁等)を設置する義務も生じます。

一方で、下の写真のように、家がある程度密集した地域では、陸屋根が多くなります。

大切なことは、屋根形状が地域に合った家を選び、落雪による隣地への迷惑が生じない家がおススメです。

3⃣ 最後に・・・


「衣食住」と言われるように、私たちの生活で「住むところ」はとても大切です。
1日の中で、最も長い時間を過ごすのが自宅です。
そこは、快適な時間を過ごすことが出来て、心の安らぐ場所でなければいけません。
特に雪国ならば、その空間はとても大切になります。
そのためにも、住まい選びは慎重に進める必要があります。

このコラムが、雪国への移住を検討される皆さまに、少しでもお役に立てれば幸いです。

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最後に、私の好きな雪景色をプレゼント

北海道深川市マーガレット教会

深川市の山の中腹にひっそりと建つ「マーガレット教会」
フレンチレストランも隣接しており、多くの人が結婚式を挙げる人気の教会です。
都市圏の旅行代理店で「北海道で結婚式」プランを問い合わせると、良く紹介されるのが「マーガレット教会」になります。
芸能人もお忍びで式を挙げたこともあるそうです。

ここには羊が2匹飼われていて、訪れた人を癒してくれています。

最後まで読んでいただき有難うございました。
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移住プランナー| 田舎暮らし|プロ|
移住専門FP「移住プランナー」として活動をしています。これまで18年間2500組以上の移住相談に対応をしてきました。ここでは、私の経験からお役に立てる情報を日常的に綴っていきます。「移住」という夢の実現にお役に立てればうれしいです。大阪出身、北海道と鹿児島の3拠点生活中。