【小説】田舎暮らし案内人奮闘記 第3話
こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2500組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
今回は、これまで受けた移住相談を小説風に書いてみました。
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第3話 地方就職!面接で落ちた理由に唖然
私の朝の日課。
5㎞のジョギングとシャワー、梅干しと卵かけご飯、そしてスマホで為替相場をチェック。
やがて、遠くから小学校のベルが聞こえてくると、私も子供たちと同じ様に、書斎に向かいデスクに向き合う。
そして、教科書の代わりに、PCを開けて電源を入れる。
まずは、メールチェックが仕事のスタート。
本日も受信トレイには50件の未読メッセージ。
移住に夢見る人からの熱いメッセージが届いている。
相談メールをフォルダー移動し、着信の古いものから内容を確認。
子供のようにワクワクした気分でメールを開く。
本日の相談。
「地域おこし協力隊」への応募であった。
全国自治体で「地域おこし協力隊」の募集は急増をしているが、「地域おこし協力隊」が集まる自治体は限られている。
募集をしても中々応募のない自治体も多い。
ちなみに、「地域おこし協力隊」も移住者のため、私は自治体から初期面談の委託を受けている。
とにかく、この時点では違和感を持つこともなく、久しぶりの応募に「どのような人物か?」ワクワクした気分になっていた。
オンライン当日を迎えた。
ざっくばらんに話が進む。
感想としては、少し横柄な態度が気になった。
コミュニケーションが若干、苦手なのかとも思った。
私は顔合わせを締めくくった。
後日、申し込みの書類一式が送付されてきた。
書類による1次審査は通過し、最終面接の運びになった。
最終面接の日時は教えていただいていたが、面接自体は私の管轄外である。
ただし、「地域おこし協力隊」採用後は、種々のサポートを求められている。
最終面接日の翌日、市の担当者から連絡が入った。
残念ながら不合格とのことであった。
「地域おこし協力隊」は応募が少ないことから、合格のハードルは低いはずである。
私は不思議に思い、担当者に不合格の理由を聞いた。
私は思わぬ話に言葉が詰まった。
最初、オンラインで顔合わせの時の会話を、私は思い出してみた。
結婚の話があれば、報告書に明記するはずである。
何よりも、履歴書にも書かれていなかった。
「面接に関係ない」と判断する理由が分からない。
確かに、これでは常識を疑われてしまうだろう。
電話は切れた。
数日後、梅野さんの手元には、担当者から不合格通知が届いたことだろう。
田舎ではコミュニケーションがとても大切となる。
特に、「地域おこし協力隊」は、地域の人たちと上手くコミュニケーションを取りながら、地域に溶け込んでいくことが求められる。
「地域おこし協力隊」は、いくら優秀な人であっても、自己主張の強い人は、難しい仕事ともいえる。
一期一会
梅野さんからは、あれから一度も連絡はないが、どこかの町で活躍してることを祈ります。
(終わり)