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ネガティブ・ケイパビリティを考えるヒント⑤ ~ティール組織における「存在目的」~

『ティール組織』の著者、フレデリック・ラルーは、動画シリーズの中で、存在目的(Evolutionary Purpose)について、その声を聞くことの大切さを話している。それは、Willといった内発的動機付けとは全く違うものだ。

一方、ティールの新しいパラダイムでは、組織は機械ではなく、生きた有機体、エネルギーや方向性を持ったエコシステムとして捉えられます。これによって、経営原理そのものが根本的に変化します。リーダーの役割は、未来を予測し制御することではなく、組織の「存在目的」がどこに向かおうとしているのか、常に耳を澄まし、その流れに従っていくことになります。組織と共にダンスをするようにして、その場所に向かうのです

これは組織に対する見方や組織と共に歩む方法において、全く異なった視点です。馴染みがなく、奇妙に聞こえるかもしれませんが、すべての創造的な人たち、つまり、すべてのアーティストは同様の視点を持っています。彼らは、曲や小説のアイデアは突然降って現れたもので、自分で考え出したものではないと言います。彼ら自身はその曲や本をこの世界に出すために選ばれたのだと言います。これこそが、組織について「存在目的」が語っていることです。組織とは、世の中に対して、何かを現すために選ばれた存在なのです。選ばれたがゆえに存在している、といった感覚に近いと思います。私たちは、ただ、その組織の歌を作り、小説を書くといった、組織のクリエイターになるだけなのです。そうであるがゆえに、私たちは、組織が何になりたがっているのか、常に耳を傾け続けることができるというものです

Frederic Laloux 「INSIGHTS FOR THE JOURNEY」


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小林範之
最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。