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Photo by
glue_ar
小悪魔な私と大悪魔な猫
だいぶ前の話。
当時好きだった人と猫カフェに行った。初デートだったので私は緊張していてめちゃくちゃ猫を被っていた。
店内に入るとたくさんのネコチャン。でも正直な話、ネコチャン達をかわいいと思う気持ちよりも爆裂に、"彼にネコチャンをかわいいねえと愛でている私をかわいいと思ってほしい"という下心で頭がいっぱいいっぱいだった。そんな低俗な私がさっそくネコチャンに触れようとすると、ネコチャンは私からちょっと顔を引いて大口を開け、歯を剥き出しにした。悪い予感を覚える間もなく、ネコチャンは私の親指に噛みつき、意図してか偶然か、鋭利な犬歯がグサリと綺麗に刺さった。
まじで痛かった。
驚いて声も出ず、また、彼とはまだあまり親しくなっていないからなんか言い出しづらく、引かれても嫌だしなあとか思ったりして、しばらく黙って親指から血を流していた。
ネコチャンはわたしの下劣な心を見抜いていたのだろうか。猫に猫を被っていたことを知られたとしたら少し恥ずかしいし、ネコチャンに比べ私はまだまだだなあと思う。