TATERUの決算に見る、信用喪失からの対応の早さ
どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
今日見ていくのは株式会社TATERUです。
IOTを利用した不動産のサービスを提供している会社です。
シェアハウスのかぼちゃの馬車問題からの流れで、融資に関する資料を改ざんが発覚したことで問題となりました。
こんなニュースがありました。
TATERU、最終赤字145億円
アパート開発のTATERUが13日に発表した2019年12月期の連結最終損益は145億円の赤字(前の期は8億円の黒字)だった。18年に社員による顧客資料の改ざんが発覚し、発注の取り消しが増えた。保有資産の一部で減損損失も計上した。
売上高は76%減の188億円、営業損益は96億円の赤字(前の期は7億円の黒字)だった。早期退職者の募集などの費用も響いた。同日、監査法人をあずさ監査法人から監査法人ハイビスカスに交代すると発表した
どうやらTATERUは売上高が76%も減少し営業利益は100億円以上もマイナスの96億円の赤字となってしまったようです。
融資資料改ざんの悪影響がもろに出てしまっていますね。
そんなTATERUの今後がどうなっていくのか考えていきましょう。
こちらの資料をご覧ください。
会社の規模がこの1年間でかなり縮小している事が分かりますね。
資産は320億円から120億円へと200億円も減少しています、これは子会社の連結除外が理由というわけでなくTATERU本体の変化によるものですから驚きです、もはや別の会社じゃないかというほどの変わり方です。
もう少し詳しく見てみましょう。
ほとんどの科目が大きく減少していますが、特に注目なのは商品や、販売用不動産、仕掛用不動産の合計が130億円ほどから40億円弱へと減少している点です。
TATERUは賃貸不動産などの建設・販売からIOTを活かした物件運営のプラットフォームの提供などをメインとしてきました。
しかしこの1年で不動産の建設・販売を一気にやめているという事です。
それはどうしてでしょうか?
融資資料の改ざんによってTATERUは完全に信用を失ってしまったわけです。
今から不動産投資を始めようという人は、不動産の購入先に信用度の無いTATERUをわざわざ選ぶ人は少ないですよね。
TATERUの物件ですといったら借りてくれる人減ってしまうかもしれませんからね。
なのでオーナー向けの不動産販売をやめるほうに舵を切った考えられます。
このスピード間での方向転換はすごいですね。
TATERUの未来!!
こちらの資料をご覧ください。
TATERUは今後の展開として、強みであるIOT商品の販売とそのシステム料による収入を得ることや、技術力を生かしたコンサルティングなどを行っていくと発表しています。
不動産そのものの売買から裏方の、よりto B的な事業に向かっていくようです。
不動産がTATERUだと、その信用度の低さから買い控えされてもおかしくないですが、住宅内にTATERUのIOTをおいたりコンサルティングをしてもらうというのはそこまで影響力は大きくなそうですからそちらで行くという決断ですね。
続いては、こちらの資料をごらんください。
TATERUは2019年12月で従業員数が203名とのことですから、136名という非常に大規模な早期退職を行っているようで、339人から4割も減った計算になります。
さらに有価証券の譲渡損失15億円や、販売用不動産を早期売却するために57億円もの評価損を計上しているようです。
続いてこちらの資料をご覧ください。
今回大赤字となったのは先ほどの要因に加え、のれんや固定資産の減損がそれぞれ18億・15億円ほどあったことが分かります。
2019年12月期の赤字には、抱えていたリスク要因を一気に全部出し切ったことが大きく影響しているようですね。
不正を行ったのは大問題ですが、その発覚から1年で、大きな方針転換を行いリスク要因を一気に出し切ったそのスピード感は、凄いですね。
このスピード間で動けるのであれば、旧態依然とした不動産業界においてはまだまだ勝ち筋があると考えます。
TATERUの業績回復を予測します!!