【無料回】ザッパラスの決算から考える占いが今後も需要がある理由と今後の業績
どーもコージです!!
きなこの美味さと食べたときの汚れを天秤にかけて、美味しさが敗北した事を大人になったと呼ぶことにしています。
ちなみにぼくは今日大人になりました。
さて、今週はゲーム業界について取り上げていましたが今回は違った企業を取り上げることにしました。
今回取り上げるのは株式会社ザッパラスです、占いのサービスを提供している企業です。
ちなみに占いなどのスピリチュアルの市場は1兆円市場とされており、出版業界と同程度の規模を持っているようです。
インターネットの普及によってオンラインで占いを届けられるようになったというのも大きいのでしょう。
人の不安や悩みというのは大きなビジネスになるんですね。
ちなみにいろんな産業の市場規模が分かる市場規模マップは、見てみると面白いのでお勧めです。
占いはある種のカウンセリングのような側面もあるのでしょうが、少しググればバーナム効果とかコールドリーディングとか出てくる時代に、占いが人気だというのは個人的には意外です。
ですが確かに考えてみればインターネットが普及し情報が増え過ぎた結果、普段からインプットを続けていないと処理しきれるような情報量でもなくなり、短絡的な陰謀論なども流行しています。
フィルターバブルやエコーチェンバーなどの仕組的な影響も大きいですが、情報量が膨大になる中で必ずしも科学的な情報を信じる方が増えるわけではないという事ですね。
それに技術の進歩が早まり、よくわからないけど使えるというものも増えています。
スマホを使える方は何十億人といますが、その仕組みを理解できている人はほぼいないでしょう。ちなみに私も分かってません!!
それどころかディープラーニングなどでは、どうしてその答えが出たのか分かる人類がいないという状況すら起きています。
技術側の進歩についていけなくなる人が増える一方で、直感で使えるようなデザインのものが増えていき利便性は増していますから、仕組みは知らなくても使えるという物は増えています。
「理屈はいいからとりあえず答えを教えて」とか「それで結論は?」的な人が増えていますが、それは自然な流れなのかもしれませんね。
プロセスや仕組みはブラックボックス化する中で、例えばディープラーニングと占いは同じものとして受け取る人も多いのかもしれません。
情報をインプットしたら理由は知らないけれどアウトプットが返ってくるという同じものです。
もちろんプロセスの根拠が全く違うものですが、そこがブラックボックス化してしまえば外からの見え方は同じです。
逆にスマホのチャット形式の占いなどは、占い師がAIになっていても気づくことは無いでしょう。
という事でプロセスや根拠、仕組みといった所への注目が減る中で占いは今後も活況が続くと考えています。
それではそろそろ業績を見ていきましょう。
売上高は26.5%増の47.9億円、営業利益は698%増の3.5億円、純利益は2.2億円の赤字→2.8億円の黒字となっており増収増益で非常に好調だったことが分かります。
好調だった要因としては、メディア露出の多い占い師のコンテンツが人気だったことのようです。
占い師としての明確な判断基準は無いでしょうから、占い師を決める理由となるのはやはり知名度や評判になりますよね。
なのでプラットフォーム側からすると知名度の高い占い師を抱えるというのは重要です。
今は個人で発信できる時代で、影響力の獲得や集客は自身の発信で持つことが出来ますから、プラットフォーム間の占い師の獲得競争というのは激しいはずです。
占い師側としても決め手は手数料となる可能性が高く、プラットフォーム側の収益性は上がりずらいと考えられます。
来期に関しては増収を見込んでいる物の、広告費の投下によって減益の見通しを立てていますから、競争の激化による収益性の低下というのは起きてきそうです。
また、そういったメディア露出や、影響力の獲得が重要になる中で占い専門のプロダクションを吉本興業と発足したようです。
番組の制作会社としても吉本は強いですし、今は多くの芸人さんがyoutubeチャンネルなど個人メディアも持っていますから、占い企画など露出機会は増えそうです。
そういったメディアとの結びつきを提供することで、単純な価格競争以外の価値提供を行い収益性の向上を狙っているという事でしょう。
続いてもう少し詳しく業績を見ていきましょう
ザッパラスの事業セグメントは①モバイルサービス(占い事業)②海外③その他と3つあります。
それぞれの事業の業績の推移は
①モバイルサービス:売上37.8億円(41.6%増) 利益6.8億円(51.5%増)
②海外:売上4.6億円(6.2%増) 利益0.8億円(93.0%増)
③その他:売上5.5億円(19.5%減) 利益500万円の赤字→5100万円の黒字
となっており全事業で利益面では好調だったことが分かります。
また売上では79%、利益では84%をモバイルサービスが占めており、国内の占い事業が大半の企業だという事も分かりますね。
そして主要サービスのモバイルサービスの四半期ごとの業績の推移を見てみると3Q(2020.11-2021.1)、4Q(2021.2-4)で大きく伸びている事が分かります。
コロナの影響が長期化する中で、不安の高まりを見せる方が増えている事が考えられます。
個人的な感想ですが確かにSNS上でもコロナの初期よりはこの辺の時期の方が、殺伐としていたような気はします。
また、チャット占いアプリのChapllというのは鑑定が40万件を突破したようです。
最近はこういったチャット型の占いだったり、電話占いなどが人気を博しているようです。
星座占いのような、多数向けの占いではなく個人向けにパーソナライズされた占いが人気となっており、さらにチャットや電話だと占いの敷居が下がるので人気を高めているようです。
リアルで占いを受けに行くハードルは結構高いですよね。
占いに頼っているというのは恥ずかしいからばれたくないという方や、不倫の相談なので身バレしたくないなどの需要も大きいようです。
また、占いといえば女性がメインですがチャットや、電話などの形式になると男性顧客を捕まえる事が出来るようになりそうですから、オンライン化によって男性という市場拡大の余地はありそうです。
また、占いアカデミーというスクール事業も始めているようで、2020年12月にスタートして登録者は1万2000人、受講者数は5000人と好調な立ち上がりを見せたようです。
特に副業としての占いに関心がある方が多いようで、確かにこの需要はあるのではないかと考えています。
それこそコーチングを副業としている方も多いですし、人とのつながりが希薄化する中で、人とコミュニケーション取りながら副業をしたいといった需要は大きいのではないかと思います。
スキルシェアのココナラでは占いが売り上げ全体の3割以上を占めるような主力サービスだったりしますから、学んだことをすぐにアウトプットできるような場も整っていますので、需要はあるのではないでしょうか。
続いて財務状況を見ていきましょう。
現預金や売掛金、未収還付法人税といった手元資金や早期に資金化される資産は59.5億円、有価証券は4.2億円で計63.7億円ほどあります。
一方で負債は5.1億円ほどしかありませんから60億弱の余裕資金を持っており、非常に財務状況は良好だと分かります。
プラットフォームの運営がメインという事で事業的にも、大きな資金を使う事業ではありませんから、この手元資金をどのように活用していくのかは注目です。
という事で、占いは今後も市場が活況であると考えられますが、プラットフォームとしては差別化は難しく価格競争や広告費の投下によって収益性の悪化が起きると考えます。
とはいえ財務状況は非常に良好ですし、新しい取り組みも可能性がありそうだと考え成長が続くと予測します!!
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