大切なルールの話と何で投資の基本は「長期・積立・分散」なのか(ゼロサム・プラスサム・マイナスサムゲーム)
久しぶりにマッサージに行ったらあまりの体の凝りに驚かれましたが、凝りを全く感じていなかった自分に驚いています。
今回はいつもと違ってとても大切のルールの話について書いていこうかと思います。
重要なルールとは「ゼロサムゲーム」「プラスサムゲーム」「マイナスサムゲーム」というやつです。
お金の話としても重要ですし、それ以外の場面でも重要なルールですから知らない方はぜひ知っておいてください。
ご存じの方も多いでしょうから今日はそれを少し深掘りしていきます、基本的な話をした後に「本当にそのプラスサムゲーム勝ちやすいですか?」って話になります。
何で投資の基本は長期、積立、分散なのかって話にもなりそうです。
それでは早速「~サムゲーム」って何なの?って所から説明していきましょう。
「ゼロサム」とかのサムとはsumであって足し算という事です。
では何が足し引きされるのかというと、参加者の利益の合計です。
ゼロサムとは参加者全体では利益がプラマイゼロになるゲーム、プラスサムゲームは参加者の利益の合計がプラスになるゲーム、マイナスサムゲームとはその逆で利益の合計がマイナスになるゲームです。
例えば投資の世界でいうとFXや先物取引はゼロサムゲームです。
厳密に言うと取引手数料が取られるのでマイナスサムゲームですがそれは忘れて下さい!!
ゼロサムとは参加者がパイを取り合うゲームで、参加者が2人で50万円づつ合計100万円のお金を出したら、この100万円をとりあう事になるので1人が70万円になればもう1人は30万円になります。
1人が20万円儲けたらもう1人は20万円損をするので市場全体での利益はゼロになります。
一方株式投資はプラスサムゲームになり得るゲームです、あくまでなり得るだけで必ずプラスサムゲームだという事ではありません。
ですが基本的には経済は成長していますし、資本主義自体が富の獲得と再投資を原則としているので株式市場全体ではプラスサムゲームになりやすいです。
もちろん個別企業でもプラスサムになる事もマイナスサムになる事もあります。
企業が事業を行って成長し続ければ、それだけ企業価値は増え続けていくわけですから参加や全員の利益は増え続けます。
例えば企業価値が100万円→200万円になったっとすると全体の利益は100万円増えていますよね。
2人の参加者がいるとすると、2人とも50万円ずつ儲かる事もあるわけで全員儲かる事もあるゲームです。
もちろん1人の利益が150万円になって1人は50万円損をすることもあるわけで、必ず全員が得するゲームではありませんよ。
そして逆もしかりで事業が上手くいかなければ企業の価値は減っていきます。100万円→50万円になれば全体の利益はマイナス50万円です。
なので株式投資もマイナスサムゲームになる可能性があるわけです。
その他にもマイナスサムゲームとして代表的なのはギャンブルがあります。
例えばパチンコや、競馬は80%前後の還元率ですし、ボートレースや競輪などは75%です。
そして宝くじに至っては46%と還元率はめちゃくちゃ低いです。
還元率80%という事は、参加者が100万円出したとしたら、まず胴元が20万円を抜くので参加者は80万円を取り合う事になります。
なので参加者全体では必ず20万円損をしちゃいます。
ちなみになぜマイナスサムゲームに参加する人が多いのかというと、いわゆる射幸心煽るってやつで参加者を募っているからです。
例えば宝くじなんて還元率から考えると半分以下になってしましますが、その分け方を1人にめちゃくちゃ偏らせていますよね。
46%ぐらいしか残らないですが、そのうちの30%ぐらいを1人に分配するような感じで、すごい偏りを作る事で射幸心をあおっていくスタイルです。
という事それぞれのゲームの単純な難易度を考えてみると、プラスサムゲーム→ゼロサムゲーム→マイナスサムゲームという感じになります。
これはもちろん他の事にも置き換えて考える事が可能です。
仕事に置き換えて考えると成長市場の仕事であればプラスサム的だし、縮小市場の仕事であればマイナスサム的です。
例えば以前会計業界を取り上げましたが、クラウド化によって自動記帳の世界に進んでいますから記帳業務をしているのであればそれはマイナスサム的ですよね。
参加者の給与総額を利益と見立てるとそれは減っていきますから、頑張っても給料が増えない的な事が起こります。
一方で成長市場にいれば市場の成長だけ取り分も増えていきますからプラスサムゲーム的です。
市場の成長に乗っかっていれば成長に合わせて取り分も増えていく可能性が高いです。
なので基本的には何をするにせよ、プラスサムゲーム的なものに参加するのが大切だよねっていうのが原理原則です。
でもマイナスサムゲームでは勝てないかというとそんなことはもちろんないです。
私の知り合いにもパチンコやスロットでご飯を食べている人はいますし、競馬の勝ち組の人もいます。
マイナスサムだってやって行けないことはない訳です。
ただし取るべき戦略は変わってきます。
プラスサムゲームであればみんなと同じことをしていても市場の成長分だけ一緒に成長できますが、マイナスサムであればみんなと同じでは市場の縮小と同じだけ縮小していきます。
なのでマイナスサムで戦うのであれば人と違う事をする必要があるという事です。
戦略は考えようねって話です。
ゼロサムやマイナスサムではパイが増えない以上、奪い合いのゲームですからどうやって勝つかを考えなきゃいけません。
ここまでで基本的なルールの説明が終わったところでもう少し詳しく考えてみます。
そのゲームの本質や文化にも目を向けようって話です。
例えばプラスサムゲームの株式投資で負けている人はたくさんいますよね。
プラスサムのはずの株式投資はなぜ損をする人がたくさんいるんでしょうか?
それは株式市場のメインは奪い合いのゲームだからです。
100の市場があったとして、これが200に成長したら200まで全部取ろうとするゲームです。
「50づつ分け合おうね!!」ってゲームじゃなくて「お前の分もよこせ!!」ってゲームです。
ジャイアンのゲームです。
そしてそれを本職として戦っている強力なプレーヤーが多数いて運用額を考えると、そうした強力なプレーヤーの規模は非常に大きいです。
パイの総量は増えていてもそういったプレーヤーに、自分の持ち分まで奪われてしまう事が起きる訳です。
だからこそプラスサムのはずの株式投資でも負けてしまう人がたくさんいます。
なのでそこで戦うには奪い合いに勝つ方法を勉強するか、奪い合いのゲームから降りる必要があります。
「長期・積立・分散」なんていうのが資産運用の基本戦略として語られますが、それが奪い合いのゲームから降りるという事です。
奪い合いから降りて、プラスサムゲームの強みである「市場成長に乗っかるだけで一緒に伸びようぜ作戦」をとるわけです。
なので大勝ちは出来ないけど、プラスのメリットを活かせるので、基本戦略になんですね。
それ以外にもいわゆる「中小型株投資」なんかは大きな額を運用する強力なプレーヤーを避けて奪い合いのゲームをするという方法だったりします。
10兆円運用しているプレーヤーが時価総額50億円の企業には投資しませんよね。
続いてすこし仕事、企業と労働者という関係に目を向けてみましょう。
成長市場だとするとプラスサム的です。
そして基本的に企業の場合は奪い合いのゲームというよりは、分け合いのゲームとでも呼べるものでしょう。
そうすると奪い合いのプラスサムゲームよりは勝てる可能性の高いゲームになりそうです。
もちろん利益をたくさん分配する企業もあれば、経営者がため込んで全然分配しない企業もあります。
分配のルールがあったり、属人的でも分配を大きくしたりしてくれるような組織は勝ちやすいプラスサムゲームだといえますし、プラスサムでも分配してくれなければ勝ちにくいゲームとなりますから、誰がどのように分配しているのかも知る必要がありますね。
続いてマイナスサムゲームであるパチンコやスロットを考えてみます。
実はこういったギャンブルでは勉強なんてせずに消費として楽しんでいる層がいっぱいいてそれが多数派です。
暇つぶしや射幸心をあおられ依存的に行っているのであって、本気で取り分を増やそう努力している人はそこまで多くないですよね。
そう考えると、マイナスサムのゲームでパイのサイズは小さくなるわけですが、実は強力なプレーヤーが少なく奪い合いのゲームに参加するのであれば割と有利になるという事が起きます。
奪い合いに参加するのであれば、意外と株式市場より楽になったりする訳です。
なのでちゃんと勉強している人だと意外とパチンコやスロットの勝ち組というのは多かったりします。
一応言っておきますけどギャンブルをお勧めしてるわけじゃないですよ!!
という事で何が言いたかったのかというと、プラスサムゲームやマイナスサムゲームでも、そこに参加しているプレーヤーは誰なのか、奪い合いをしているのか分け合いをしているのか、そもそも何をしているのかという事で全然変わってくるよねって話です。
なので自分が行っているのがどんなゲームなのかを知る事も重要ですし、さらにそのゲームの中で誰と何をしているのかも考えておいた方がいいよねって話でした!!