その執念たるや、恐るべし
金曜日は休息日にしているのでエアロビは全くやらない。ただ、筋トレは始めたばかりなので、昼飯前にジムに行った。
テコンドーの彼女が筋トレをやっていた。本気の人間からはオーラが出ている。
自分の筋トレを軽くこなし、ロッカー室前で彼女が腹筋を鍛えていたので声を掛けた。
「結局、何キロ減量したの? 」
「選手権優勝の時は、16キロ減。その後も続けたので更に6キロ減って、合計22キロです。」
唖然とした。確かにそれくらい痩せている。彼女は、イーズカが異常に痩せた時と同体重だったので元は66キロあったはずだ。
選手権優勝時が50キロ、現在は44キロの計算になる。
「もう、それ以上痩せない方がイイんじゃないの」
「でも割れた腹筋が作りたくて」
「分かりました、気を付けてやってください。」
彼女は明確に目標を立てたので、凄まじい集中力で取り組んでいた。それが表情にも表れ、「凛とした、いいオンナ」になった。
イーズカが思うに、「明確な目標をもっている人間は、どんな事でも実現できる」。現在の彼女には、アドレナリンやドーパミンが出まくっている。止められない、のである。
逆に言えば「目標が無い人間は、無為に時間を食い潰している」だけである。惰性で生きる人生など、何の意味もない。
今日の彼女を見ていて、つくづくそう思った。イーズカは「学校」を作る。