宇宙業界ニュースまとめ 【2023/8/27〜9/2】
みなさん、こんにちは。
以下、2023/8/27〜9/2の宇宙業界でのニュースを振り返りたいと思います。
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それでは本題に入りましょう!
🇯🇵 日本の宇宙開発に関するニュース
GITAIが1,500万ドルを追加調達
日本のスタートアップGITAIが1,500万ドルを追加調達。
月面ロボティクス開発とアメリカ市場での拡大を目指す。
2026年に月でデモンストレーションを予定。
H-IIA F47 天候により打上げ延期へ
予定されていた「H-IIA」ロケット47号機の打ち上げは天候不良により再度延期された。
搭載されている「XRISM」は星や銀河の研究、そして「SLIM」は月面への高精度着陸技術を目的としています。
次の打上げ日は未定。
🚀 ロケットに関するニュース
Benchmark Space Systems アメリカ空軍研究所から281万ドルの契約を獲得
Benchmark Space Systemsがアメリカ空軍研究所から、新型燃料ASCENTを使用したスラスターの開発に向けて281万ドルの契約を獲得。
2025年には100ニュートンのスラスター設計も予定。
ASCENTは運用段階において、より軽量で長寿命に優れる特性がある。
ESA Ariane 6の主エンジン試験を再度延期
欧州宇宙機関(ESA)は、Ariane 6の主エンジンのテスト点火が再度延期されたと発表。
原因は地上設備の技術的問題。
新たな日程は9月5日、別の長時間テストは9月26日に予定。
Ariane 6の初打上げは2024年にずれ込むことが確認されている。
👩🚀 有人宇宙開発に関するニュース
Crew Dragon「Endurance」が4宇宙機関の飛行士を乗せてISSに
SpaceXのCrew Dragon「Endurance」が4つの宇宙機関の飛行士を乗せてISSにドッキング。
27日の打上げから約30時間後のこと。
リーダーのJasmin Moghbeliは、ドッキング後に「まるで夢のよう」と評価。
クルーは6ヶ月間ISSで過ごす予定。
SpiderOak ISSでOrbitSecureのデモに成功
SpiderOakが国際宇宙ステーションでゼロトラスト型サイバーセキュリティソフトウェア、OrbitSecureのデモに成功。
Axiom SpaceとAmazon Web Servicesと連携し、地上と軌道間で安全なデータ通信を実現。
これは商業宇宙ステーションにも有用。
ゼロトラスト型(Zero Trust): ネットワーク内外に関わらず、全てのリソースへのアクセスに対して厳格な認証と権限付与が必要なセキュリティモデル。 このアプローチでは「信用しない、確認する」が基本原則であり、内部ネットワークであっても安全であるとは見なさない。 このようなゼロトラスト型のセキュリティソリューションは、多様かつ高度に接続された現代のビジネス環境、特に宇宙産業などの高リスクな領域で非常に有用。
中国の天宮宇宙ステーション 民間宇宙飛行士と非国有企業の参加が可能に
中国の天宮宇宙ステーションにおいて、民間宇宙飛行士と非国有企業の参加が許可され、これにより欧州宇宙機関(ESA)も再評価を検討する可能性が。
また、商業参加も進展しており、国際的な協力と競争の新局面を迎えている。
🛰️ 人工衛星に関するニュース
中国の研究者 静止軌道でアメリカ衛星が中国の宇宙機に接近していると指摘
中国の研究者は、地球静止軌道でアメリカのGSSAP衛星が中国の宇宙機に接近していると指摘、これを脅威と評している。
両国やロシアも相互の衛星を監視する活動が増えており、国際的な議論が必要とされている。
米3社 NOAA(全米海洋大気庁)の気象衛星設計の契約を獲得
Ball Aerospace、Northrop Grumman、Orbital Micro Systems、Spire Globalが、NOAA(全米海洋大気庁)の新世代極軌道気象衛星NEONのマイクロ波サウンダー設計の契約を獲得。
契約額は最大で約500万ドル。
マイクロ波サウンダー(microwave sounder):地球の大気に存在するマイクロ波放射を測定する装置で、これにより大気の温度、湿度、その他の特性を精密に把握することができる。これらのデータは、気象予報モデルにおいて極めて重要な情報とされている。
Globalstar Apple支援の人工衛星をSpaceXで打上げる契約を締結
Globalstarは、2025年に低軌道(LEO)通信ネットワークを更新するためにApple支援の人工衛星をSpaceXで打上げる契約を締結。
Appleは製造と打ち上げ費用の95%を負担し、新ネットワークの85%の容量を最新のiPhoneのサービス向上に使用する予定。
🌕 惑星探査に関するニュース
NASA 次の惑星科学ミッションの提案募集を延期
NASAは、予算問題のために次のNew Frontiers惑星科学ミッションの提案募集を2026年まで延期すると発表。
多くの科学者がすでにミッション提案の計画を開始していたため、この遅延は全体計画に影響を与える。
NASAのOSIRIS-RExミッション 9月にサンプルを持ち帰る最終準備段階
NASAのOSIRIS-RExミッションが、9月に小惑星ベンヌから地球にサンプルを持ち帰る最終準備段階。
8月30日には、ユタ州で回収訓練が実施された。
本物のカプセルは9月24日初めに到着し、太陽系の成り立ちに新しい洞察をもたらすことが期待されている。
🪖 防衛に関するニュース
SDA 2026年に72機のデータ転送衛星を打上げ
SDAは2026年に72機のデータ転送衛星を打上げ予定。
低軌道で初めて展開される高度な通信能力を持つ。
約1,500億円がロッキード・マーチンとノースロップ・グラマンに分配。
SDAは商業的なアプローチを取り、小型の衛星とレーザ通信端末を調達する方針。
アメリカ宇宙軍がScience Applications International Corp.(SAIC)と5億7450万ドルの契約を締結
アメリカ宇宙軍がScience Applications International Corp.(SAIC)に5億7450万ドルの契約を締結。
ミサイル検知および宇宙物体(衛星やスペースデブリ等)監視のためのレーダーシステムの維持管理を行う。
入札により7年契約が成立。
Firefly AerospaceとMillennium Space Systems 短期間での人工衛星打上げ指令を待っていると発表
Firefly AerospaceとMillennium Space Systemsが、短期間での人工衛星打上げを実行すべく、宇宙軍からの指令を待っていると発表。
これは、迅速対応ミッション「Victus Nox」の一環で、国防ミッションを迅速化する狙いがある。
QinetiQ USがSpace Development Agency(SDA)に技術サポートを提供する契約を$224百万で獲得
QinetiQ USがSpace Development Agency(SDA)に技術サポートを提供する契約を$224百万で獲得。
SDAは数百の衛星を有する低地球軌道ネットワークを展開中。
QinetiQは昨年Avantus Federalを買収。
💡 その他のニュース
Hera SystemsとLeoStellaが提携
Hera SystemsとLeoStellaは、米国宇宙開発局の大型契約を目指して提携。
Hera Systemsが設計した「Leoness」衛星バスを提案中。
この提携により、製造のリスクや効率の向上が期待される。
MicrosoftとAIスタートアップのSynthetaic 5年契約でクラウドリソースを提供
MicrosoftとAIスタートアップのSynthetaicが5年契約でクラウドリソースを提供。
Synthetaicは以前、中国のスパイ風船を追跡するためにAIと人工衛星画像を活用して話題に。
新たな契約では、国家安全保障や環境問題に対するデータ解析ソリューションを開発。
TransAstra NASAから宇宙デブリ捕獲用のバッグを製造する契約を獲得
スタートアップTransAstraが、NASAから宇宙デブリ捕獲用のバッグを製造する契約を獲得。
同社は既存の方法より優れた方式で、一度に複数のデブリを捕獲できる。
この技術は、宇宙デブリの問題を効率的かつ経済的に解決する新しい進路を開く可能性がある。
NASAのDeep Space Network(DSN) 予算削減と需要増加の狭間で厳しい状況
NASAのDeep Space Network(DSN)は、予算削減と需要増加の狭間で厳しい状況に。
特に、Artemis月探査プロジェクトの通信要求は、他の科学ミッションに影響を与えている。
DSNの予算は過去10年で減少し、今後もその傾向が続く見込み。
Amazonの取締役会に対して、クリーブランド・ベイカーズ&チームスターズ年金基金が提訴
Amazonの取締役会に対して、クリーブランド・ベイカーズ&チームスターズ年金基金が提訴。
AmazonのプロジェクトKuiper打上げ契約において、数十億ドルをJeff Bezosの会社Blue Originに与えたとして「善意を欠く行動」を行ったと主張。
イスラエルのSatixFy カナダのMDAに衛星ペイロード部門を売却する計画
イスラエルのSatixFyは、カナダのMDAに対して6000万ドル規模の戦略的取引の一環として、衛星ペイロード部門を売却する計画を発表。
MDAは、Telesatから16億ドル規模の低軌道(LEO)衛星198機製造契約を獲得しており、同買収により次世代衛星技術を拡充する。
Spiral Blue 宇宙基盤コンピュータの研究者や開発者を募集
オーストラリアのSpiral Blueが、SE-1と呼ばれる宇宙基盤コンピュータでカスタムコードを実行する研究者や開発者を募集。
プロジェクト「Your Code in Space」は、AIを使った衛星画像解析からミーム作成まで、多岐にわたるアプリケーションを受け付ける。
Space Tangoが新CEOにS. Sita Sonty氏を任命
ケンタッキー州に拠点を置く宇宙研究スタートアップ、Space Tangoが新CEOにS. Sita Sonty氏を任命。
Sonty氏は以前BCGで宇宙産業のプラクティスを率い、SpaceXで有人宇宙飛行の販売を担当。
前CEOのTwyman Clements氏は会社内で引き続き社長職に。
Intuitive Machinesが初のミッションに向けて2千万ドルを株式販売で調達
月面着陸機開発企業Intuitive Machinesが、初のミッションに向けて2千万ドルを株式販売で調達。
NASAとの大型契約も控えており、この資金はそのスムーズな遂行に貢献するとしている。
以上
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