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3月は型のない花

通っている教室では、3月は型にない花を入れることが多い。
カラフルな花材が手に入りやすい季節であり、またこの季節はまだ少し寒いので草花もそれなりに長い期間保つ、というのも理由かもしれない。
(夏はだめだ。
3日保てばいい方で、クーラーの風も真夏の酷暑もどれも花にとっては過酷ですぐに傷んでしまう。
だから夏は枝ものを入れていることが多い。)
春のデザイン花と秋の秋草を入れると、ああその季節だなぁ、と思う。

過去にも何度も型のない花、いわゆる"自由花"や"デザイン花"と呼んでいる花を入れていて、この前久しぶりに画像を引っ張り出したら、なかなか面白かったので引っ張り出してみた。
デザイン花ほど個性の出る生け方はない。
だいたい人が入れているのをみていると、その人の性格や個性がこれでもかというくらいくっきり浮かび上がってくる。

例えば、花を残すのが好きな人。
そういう人は花をなるべく残すし、柔らかい作品になる。
同じ花材で入れるにしても、例えば近い部分は同系色の花や似ている形にして、ふわっとやさしく仕上げる。
例えば、普段から枝の曲線を得意とする人は、草花で入れるのもシンプルなものを選ぶ。
枝の流れがいつも際立って流麗。
個性派の強い人は、やっぱり際立って主張のある花になる。
枝の1本1本をきりっと際立たせるようにしていける。

自分の花は、たぶん中性的なのではないかと思う。
やわらかさはあれどあんまり女性っぽさを感じさせず、どちらかというとシンプルに入れるので、一見しただけだと入れてる人間が女性なのか男性なのかわからないかもしれない。
(と勝手に思っている。)
今回についていえば、意識したのは自然のつくる曲線と紫色の際立つリューココリーネに目がいくようにして、白の花を極力減らした。
白は入れるとかわいいんだけど、意外と主張が強いので、ともすると目立たせたい曲線とケンカになるので。

昔から5種類あれば3種類にしたり、どちらかというと引き算で生けていることが多い。

時には半年休んだり、1年休んだり、2ヶ月に1回くらいしか行かない時もあるけど、なんだかよく続けてきたなぁ。
お弟子さんをとってもよいという状況になってから、10年経った。
こんなに停滞してるやつも珍しいだろう。
相変わらずどこまでコミットしたもんかな…
と思いながら、1人でマイペースにただ花を生けている。

2022.3
家に帰っていけ直し
動線が別の花と重なってるのはご愛嬌。
春っぽい。
まんなかを花じゃなくてグリーンで繋ぐあたりははなんとなくわたしっぽい。

2019.3
この時はカラーの曲線を自由にデザインしたくてそれを目立たせるように。

2017.3
カーネーションの長さがもうちょっと長くてもよかった気がする。
でも花の重さに耐えられなさそうだな。

2011.3
テーマは"うまれるTokyo"
ちょうど地震のすぐ後のとき。
スカイツリーもできたばかりで、"芽吹くもの"をなんとなく表現したかった。
5、6種類花材があったのを引き算して4種で入れる。
ガラケー時代なので画像が荒い…

2008.3(?/2009かも?)
はじめてのデザイン花。
センスやデザイン、というものが苦手すぎて右往左往しながら、なんとなくいけたけど、いうほど悪くないような。


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